女性へのビジネスマナーのあり方とは? 今の時代はCAもヒールなし!

女性へのビジネスマナーのあり方とは? 今の時代はCAもヒールなし!

いつの時代も人々を取り巻くマナー。なかにはどうして女性だけ?と感じるマナーを強いられたことがある方もいるのではないでしょうか。著述家の湯山玲子さんが女性のマナーについて感じたこととは?

≪目次≫
●日本航空も#KuToo CAに「ヒールなし」容認
●Profile

日本航空も#KuToo CAに「ヒールなし」容認

マナーは気をつけないと、いとも簡単に、そして意味もなく、人を息苦しく、生きにくくする可能性があることを忘れてはならない。そして、日本の場合、それが「空気」によって決定し、強制力を持つ。今のところ、日本社会は男尊女卑というものを、現実面でも、人々の思考や心理状態にも根付かせ続けているので、過剰なマナーは、女性向けが圧倒的に多いことを忘れてはいけない。

私は80年代初頭に、当時は希少だった「条件に男女の差別がない」ベンチャー企業に入社した。基本的に服装は自由。しかし、あるとき、上司が会議中にヘンなことを言い出した。「女性の夏服にノースリーブはダメ」と。その理由は、「男性の欲情を刺激するから。男女一緒の職場で着てほしくない」。発言はスルーされたが、そこに浮き彫りになったのは、「男の気に障るような女性の行動、態度、在り方はすべて取り締まる」といった、マナーという規制の暗黒面だ。

マナーを生むのは「空気」だが、それは前例や伝統から自然とつくられてしまう。80年代前半の大ヒットテレビドラマ『スチュワーデス物語』には、男性パイロットを立て、どんな偏屈オヤジ客のワガママもエレガントに取りなし、女らしい外見に隙を見せない鬼軍曹女上司が出てくるが、その在り方こそが、どんなに辛くてもヒール靴とスカート姿で立ち働くマナーの原点。百貨店の店員など、女性が最も早く進出して、人数が多いサービス業にこそ同様の「女らしいが身体的にキツイ外見」が残ってしまうのは皮肉なことだ。

といいますか、ヒールを0センチオッケーという前に、そもそも一日10キロも歩き回る職業ならば、スニーカーじゃダメなんですかね? キャビンアテンダントの仕事は体力勝負。このご時世「ウチはスニーカー解禁。だからこそ、余裕と愛を持ってお客様にサービスできます」といった方が、絶対に企業のイメージアップに繋がると思うのです。

女性へのビジネスマナーのあり方とは? 今の時代はCAもヒールなし!
日本航空(JAL)は4月1日から、女性の客室乗務員(CA)らにヒールのある靴を着用するよう定めていた服装規定を改定。今後はヒールのないローファーなども可能とした。出典: FASHION BOX

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Profile

湯山玲子(ゆやま・れいこ)

(有)ホウ71代表。著述家。日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。著書は『四十路越え!』(角川文庫)、『ベルバラ手帖 マンガの金字塔をオトナ読み!』(マガジンハウス)など。

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イラスト=カズモトトモミ
GLOW 2020年6月号
WEB編集=FASHION BOX
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