ダイエットのために運動をするなら、20分以上の有酸素運動をしなければならない……。そんな認識を持っている方も多いのではないでしょうか。ですが、減量外来、糖尿病内科医の工藤孝文先生によると、ダイエットのための運動は長時間行う必要はないそうです。一体どういうことなのか、詳しく教えてもらいました。
≪目次≫
●有酸素運動を20分続けようはウソ!
●こま切れのほうがむしろ効果あり!
●教えてくれたのは……
有酸素運動を20分続けようはウソ!
少し前までは、ダイエットのために運動をするなら、20分以上の運動といわれてきました。少なくとも20分以上の有酸素運動を連続して行うと、ようやく体脂肪が燃え始めると考えられていたのですが、これは違うことがわかってきました。運動をすれば、最もエネルギーになりやすい糖がまず最初に使われます。その後、5〜10分後には血液中にある遊離脂肪酸も使われ始めます。
血糖が余ると脂肪になります。つまり、運動をしたら、すぐに糖が使われるので血糖値が下がり、余分な糖が脂肪になる比率は下がり、さらに運動を続けて、適正な糖の量になれば、次には脂肪が消費されるということです。
あなたの問題点が血糖値なら、短時間の運動でも、確実に効果は上がります。
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こま切れのほうがむしろ効果あり!
さらに、普通程度の活動と、少し負荷のかかる中〜強度の運動をこま切れに繰り返すと、速筋と遅筋の2つの筋肉が増やせます。だから、3分ほど、息が上がる程度の早歩きをしたら、その後普通に歩いたり、家事や仕事をすることでも効果が得られるのです。
歩いて駅へ向かう通勤時、間に3分間早歩きをはさむとか、近所まで3分間早歩きで用を足しに行き、普通に活動して帰り道また3分、そんなこま切れ早歩きが、ダイエット効果があると私は確信しています。
実際に、「1時間なんて歩かなくても、少しでも速歩をすれば効果がありますよ」とすすめた多くの患者さんが、高血糖の改善や減量に成功しています。
数字や形にとらわれず、理論を知って行動すれば、体重も血糖も必ず減らせます。
教えてくれたのは……
工藤孝文 (くどう たかふみ)
【Profile】
減量外来、糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。帰国後、大学病院や地域基幹病院の勤務医を経て、現在、福岡県みやま市の工藤内科で肥満や生活習慣病を中心に地域医療に従事。生活アドバイスや漢方治療も含め、その人に合った診療に定評がある。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」、TBS系「名医のTHE太鼓判!」、フジテレビ系「ホンマでっか!? TV」などに出演し、いずれも大好評。著書・監修書に『毎日1杯、体すっきり! 不調も治る! やせる出汁』(宝島社)、『夫もやせた! 糖質オフのダイエットおかず』(扶桑社)、『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(文藝春秋)、『毎朝こんぶ茶を飲んだら2週間で3kgやせた』(CCCメディアハウス)、『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)など多数。
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(抜粋)
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著者/工藤孝文
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撮影/宮田昌典(スタジオナナ)
編集協力/韮澤恵理
WEB編集/FASHION BOX
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