(2020年7月17日 更新)
私たちの体からウイルスや病気を遠ざけてくれる免疫力は、どこで生まれているのでしょう? その70%が腸で、30%が心で生まれているといわれています。全身の免疫細胞が集まっている“腸”、自律神経をつかさどる“心”、それらを健やかに保つことこそ免疫力を高める秘訣。そんな腸と心によい習慣を、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生に解説していただきました。
≪目次≫
●免疫力向上のカギは腸内細菌の種類と数
●腸と心で決まる免疫力
●教えてくれたのは……
免疫力向上のカギは腸内細菌の種類と数
私たちの体を病気や不調から守る免疫力は、70%が腸でつくられ、30%は心でつくられているといわれています。
腸には全身の免疫細胞のうち約70%が集まっています。特に大腸粘膜に多く分布しています。この免疫細胞を活性化するのが腸内細菌で、その種類と数を増やすと免疫力が上がります。そのためのキーポイントは食生活です。植物性食品(穀類、野菜類、豆類、果実など)、発酵食品(納豆、キムチ、ヨーグルトなど)、食物繊維やオリゴ糖などを含む食品を食べること、そして保存料など食品添加物を控えることが大切です。
30%を占める心も重要です。自律神経が関わっているといわれますが、まずは笑って楽しくすごし、ものごとをポジティブに考えましょう。規則正しい生活、適度な運動、自然との触れ合いでも免疫力は上がります。
腸と心で決まる免疫力
免疫力の要は腸だが、あと少しを埋める存在が心。ストレス社会の現代だからこそ、リラックスを心がけたい。
〈70%の腸〉腸を健康にする心がけ
・バランスの良い食事
・発酵食品を摂る
・食物繊維を摂取
・オリゴ糖の摂取
・適度なアルコール
・食品添加物はNG
〈30%の心〉心を健康にする心がけ
・楽しく笑う
・プラス思考
・適度な運動
・規則的な生活
・自然と触れ合う
・ストレスを回避
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教えてくれたのは……
東京医科歯科大学名誉教授
藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)先生
【Profile】
1939年、中国東北部(満州)に生まれる。東京医科歯科大学医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。テキサス大学留学後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授などを経て、現在は東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年に寄生虫体内のアレルゲン発見で小泉賞を受賞。2000年にヒトATLウイルス伝染経路などで日本文化振興会社会文化賞および国際文化栄誉賞を受賞。主な著書に『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』(毎日新聞出版)、『アレルギーの9割は腸で治る!』(だいわ文庫)、『一生病気にならない「腸健康法」』『図解 体がよみがえる「長寿食」』(ともに三笠書房)など多数。
(抜粋)
書籍『自力で免疫力を上げる腸の強化書 決定版』
著者:藤田紘一郎
編集:伊藤千恵美(銀河企画)、石上ゆかり(オフィスケイズ)
写真:向殿政高(optigraphic)
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト