ボーナスや昇進などにも関わる人事評価。テレワーク中は、社員の勤務の実態が見えづらく、正当な判断が難しいという声が多く上がっている。会社と従業員の双方が納得できる人事評価の仕方や、重視すべきポイントを、これまで600社のテレワーク導入を手がけた越川慎司さんがアドバイス!
≪目次≫●テレワーク中に重視すべきはコミュニケーション!?
●評価をスムーズにするための方法
●正当な評価に役立つサービス
●教えてくれたのは……
テレワーク中に重視すべきはコミュニケーション!?
テレワーク中の人事評価については、会社と従業員の双方が懸念を抱いている。某IT会社の調査では、管理職の7割以上が「オフィス出社時よりも評価が難しい」と回答。その理由として挙げられているのは「勤務態度が見えないから」「成果につながる行動(アクション数、内容など)を細かく把握しづらいから」「勤務時間を正確に把握しづらいから」の順に、上位を占めている。
このように、勤務実態が見えづらいことが人事評価を困難にしている最大の理由のようだ。従業員側も正当な評価が得られないと、モチベーションを低下させる要因になる。人事評価については、導入前に会社側と話し合っておくのがベスト。
そこで、重視したいのはコミュニケーション。テレワーク中はなるべく雑談をして関係性を深めていくとよい。自然とインプットやアウトプット、相談などの場を作ることで上司も部下側も、仕事の進捗が見えやすくなるだけでなく、生産性が大幅に向上するといったケースもある。コミュニケーションの頻度と評価の納得度は比例する。会議を減らして会話を増やそう。
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評価をスムーズにするための方法
テレワーク中の評価に関する不安
・テレワークを前提とした評価体制ではない
・上司が部下の勤務態度を把握しづらい
・勤務時間を正確に把握しづらい
・仕事内容を上司に適切に評価されない
↓
正当に評価するための3つのポイント
・各個人の職務責任を明確にする
・上司と部下の対話のなかで行動目標を決める
・労働時間ではなく「生み出した成果」で評価する制度に
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正当な評価に役立つサービス
人事評価サービスを利用して成果の可視化をするケースも。ただし、各社によって使えるサービスは異なる。
図の例では、評価別にグラフ化したり、社員の仕事の進捗を把握することが可能。ただし、こうしたサービスを利用していても社員間でのコミュニケーションは重要。
ワンポイントアドバイス!
目標を達成したら評価する!
「努力や根性を評価する時代は終わりました。上司と部下の定期的なコミュニケーションの中で年度目標、四半期目標、月間目標を話し合い、その進捗を一緒に追っていくことで納得度の高い評価ができます」
(テレワークのプロ 越川慎司さん)
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教えてくれたのは……
株式会社クロスリバー代表取締役社長
越川慎司(こしかわ・しんじ)さん
【Profile】
株式会社クロスリバー代表取締役社長、株式会社キャスター・Anywhere事業責任者。国内外の通信会社、WebExを経て、2005年に米マイクロソフト本社に入社。日本マイクロソフトに転籍後、PowerPointやExcel・Word・Teamsなどの担当役員を務める。2017年に株式会社クロスリバーを設立し、ITをフル活用してメンバー全員が複業でテレワーク、週休3日を実施。延べ600社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを高めながら利益を上げていく「儲け方改革」の実行を支援。これまでに書籍を7冊出版し、講演・メディア出演多数。定額制オンライントレーニングサービス「Smart Boarding」にて特別講座を提供。
(抜粋)
『世界一わかりやすいテレワーク入門BOOK』
監修:越川慎司
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編集:鈴木ユータ、吉澤亨史、田口学(アッシュ)
編集協力:株式会社ループスプロダクション
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WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト