仕事や人間関係で、数々の悩みと戦っている繊細な人。周囲からすれば「そんなこと気にすることはない」と思われることでも、必要以上に気になってしまうこともあるでしょう。それは決して悪いことではありませんが、そうした自分の傾向をきちんと把握することは重要です。
仮に繊細な人であったとしても、自分が抱えている悩みや不安をきちんと理解していれば対処ができるかもしれません。もし下記で紹介するシチュエーションに困ったことがある場合は、具体的な対処法を学んでおきましょう。
≪目次≫●Q.人と一緒にいて「疲れたな」と感じたときは?
○A.相手と自分の間に境界線を作りましょう
○人と一緒にいて疲れたとき
○気の進まない集まりに誘われたとき
●教えてくれたのは……
Q.人と一緒にいて「疲れたな」と感じたときは?
A.相手と自分の間に境界線を作りましょう
繊細な人は、人の中にいるとたくさんの刺激にさらされます。会話の最中は相手に不愉快な思いをさせないように言葉を必死に選んだり、言葉の裏を深読みしたり、相手が楽しんでいるかを気にかけたり。自分で意識していなくても必要以上に多くのことに気を使っています。帰宅すると疲労感のために玄関で倒れこんでしまう……なんていうこともあるのではないでしょうか。
人に疲れてヘトヘトにならないための方法は、刺激や感情を受け取りすぎないようにすることです。たとえば、会話をしている最中に疲れを感じたときは、相手と自分の間に物を置いたり、座る位置を工夫して距離を取るなど、物理的に自分と相手の間に境界線を作りましょう。それが難しい場合は、相手と自分の間にガラス板のような壁があるイメージを頭に思い浮かべてください。
長丁場(ながちょうば)になりそうな集まりに呼ばれた場合は、事前に自分のタイムリミットを伝えることで、相手に不快な思いをさせることなく、早めにその場を立ち去ることができます。
人間関係に疲れやすい人の特徴と対処法、心がけたいポイント
人と一緒にいて疲れたとき
▼「境界線」の作り方1. 相手との間に物を置く
カフェなどではグラスやカップ&ソーサー、オフィスならペンなどでOK。間に置かれた物は相手との心理的な障害になります。
▼「境界線」の作り方2. 相手との距離を取る
椅子を後ろに引く、背もたれに体を預けてみる。20㎝程度離れただけで、相手との心理的な距離ができます。
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▼「境界線」の作り方3. 相手との間に透明な壁があると想像する
透明な壁を思い浮かべ「この壁が守ってくれる」と念じましょう。相手はテレビの中でしゃべっていると想像するのも有効です。
気の進まない集まりに誘われたときは?
▼事前にタイムリミットを伝えましょう
「〇時には帰らなければならない」「1時間しか顔を出せない」など、自分のタイムリミットを伝え、その時間が来たらさっと帰宅しましょう。
その気づかい、相手を疲れさせているかも? 精神科医がチェック!
教えてくれたのは……
新宿ストレスクリニック 名古屋院院長
本 将昂(もと・まさたか)先生
【Profile】
精神保健指定医。日本精神神経学会認定精神科専門医。
2011年、京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院精神神経科、大阪赤十字病院精神神経科、関西青少年サナトリューム、新宿ストレスクリニック 梅田院勤務を経て、2018年8月より新宿ストレスクリニック 名古屋院院長に就任。患者一人一人の悩みと向き合うていねいなカウンセリングと診療に定評がある。
新宿ストレスクリニック
新宿ストレスクリニック 名古屋院
(抜粋)
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監修:本 将昂
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構成・文 大橋美貴子
イラスト 関根美有
編集 入江弘子
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