春から社会人として新生活をスタートさせるという人も多いですよね。社会に出たら敬語を使う機会も増えてきます。社会人として恥をかかないためにも、品格がある言い回しを覚えておきましょう。
【教えてくれたのは…】
梶原しげる
1950(昭和25)年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一法学部卒。文化放送に入社してアナウンサーとなり、1992年からフリー。バラエティから報道まで数々の番組で活躍中。東京盛徳大学経営学部客員教授(口頭表現トレーニング)、日本語検定審議委員、日本語大賞審査委員も務める。主な著書に『口のきき方』、『即答するバカ』、『不適切な日本語』(いずれも新潮社)、『敬語力の基本』(日本実業出版社)などベストセラー多数。
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電話応対でよく使う8フレーズ
特に困るのが電話応対。とっさに適した敬語が出てこず、間違った言葉遣いをしてしまいがち。そこで今回は、電話応対でよく使う8つのフレーズを集めてみました。
1.「お電話番号を頂戴してもよろしいですか」
⇒「お電話番号をお聞かせいただけますか」
「頂戴する」は「もらう」の謙譲語。電話番号はもらうものではないので不適切。「おうかがいできますか」がよりベター。
2.「○○は本日、お休みをいただいております」
⇒「○○は本日、お休みを取っております」
このときの「いただく」は自分の会社を高める表現になってしまうので相手にはNGです。「休みを取っております」と身内を低める謙譲表現を。
3.「○○さんに伝えてください」
⇒「○○さんに伝言をお願いしたいのですが」
「伝えてください」では命令口調のニュアンス。「伝言をお願いしたいのですが」とあくまで丁寧な言い回しで伝えましょう。
4.「○○は本日直帰しました」
⇒「○○は本日、出先からそのまま帰宅いたしました」
「直帰」は「直接帰る」の略語で社内で使うべき言葉です。電話では「出先からそのまま帰宅いたしました」ときちんと伝えることが大事です。
5.「○○はただいま電話中ですが……」
⇒「○○はただいま別の電話に出ておりまして」
「電話中」とそっけない言葉を、目上の人や取引先に使うのは不適切です。「出ております」と謙譲語を用いて言葉をつなぎましょう。
6.「はい、○○様でございますね」
⇒「はい、○○様でいらっしゃいますね」
相手の名前の復唱の場合は、「~でいらっしゃいますね」が適切です。
7.「○○課長は、ただいま席におりませんで……」
⇒「課長の○○は、ただいま席を外しております」
社外の人に、自分の上司名に肩書を付けて話すのは不適切。「課長の○○は」とするのが適切です。また、離席は「席を外す」と表現。
8.「今は受け付けはできかねます」
⇒「今は受け付けはいたしかねます」
「かねる」は「できない」「難しい」といった否定的な意味を持つ言葉。謙譲語の「いたす」と組み合わせれば丁寧な表現になります。
電話での言葉遣いはわかっているようで、きちんと理解していないものが多くあります。わからないことがあったり、おかしいかも?と思ったらその都度確認して、品よく伝わる日本語を使えるようにしましょう。
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監修/梶原しげる
編集/FASHION BOX
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〈参考〉
TJ MOOK『大人の品格を身につける 語彙力練習帳』
https://tkj.jp/book/?cd=TD289797&path=&s1==