目覚めて急に起き上がるのは危険! 朝の血圧急上昇「モーニングサージ」について解説

冬の朝の高血圧「モーニングサージ」とは? 健康でも注意したい症状と予防策を医師が解説

明け方の冷え込みがつらい冬。この気温の変化が、朝起きてから短時間で血圧が急上昇する「モーニングサージ(早朝高血圧)」を引き起こしているかもしれないそうです。このモーニングサージは心筋梗塞や脳卒中の発作と関わりが深く、高血圧の方はもちろん、血圧が正常な方でも注意が必要です。品川イーストワンメディカルクリニック院長・板倉弘重先生に解説していただきました。

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血圧が正常な人でも注意! 朝の高血圧「モーニングサージ」とは?

冬の明け方の冷え込みが引き金!?

血圧は季節によって変化しますが、1日のなかでも食事や運動、ストレスなどの状態により変化します。夜になると下がり、朝から昼にかけて徐々に上がっていくのが健康な人の血圧パターン。一方、夜は比較的低いものの、早朝から短時間のうちに急激に上がる高血圧のパターンがあります。これがモーニングサージ(早朝高血圧)です。血圧を上げる交感神経が強く活性化されたことにより起こる症状で、冬季、明け方にグッと冷え込む気温の変化が誘因のひとつと考えられています。

また、モーニングサージは心筋梗塞や脳卒中の発作が早朝に多いこととの関係が注目されています。命に関わるだけに心配な症状ですね。自分がモーニングサージかどうかを知るには、起床後1時間以内と寝る直前の血圧を、できるだけ同じ時間に毎日測定してみるといいでしょう。

目覚めて急に起き上がるのは危険! 朝の血圧急上昇「モーニングサージ」について解説

朝の高血圧と一般的な高血圧の違いとは?

目覚めて急に起き上がるのは危険! 朝の血圧急上昇「モーニングサージ」について解説
朝の高血圧と一般的な高血圧

モーニングサージ

朝起きてから1~1時間半くらいのあいだに、血圧が急激に上昇します。その後、日中から夜にかけても高めを維持し、深夜を過ぎるころからようやく下がり始めます。

 

一般的な高血圧

夜の睡眠中には比較的低く、明け方になって自律神経が副交感神経から交感神経優位に切り替わると、これに伴い血圧も上昇していきいます。昼間にもっとも高くなります。

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モーニングサージを予防するには?

■ゆっくり起き上がる
■朝起きたら水分をしっかりとる
■布団のなかと室内の温度差に注意

目覚めて急に起き上がるのは危険なので、少しのあいだ布団の中で安静にしましょう。枕元に水か白湯を置いておき、水分補給も忘れずに。起きるときは、布団のなかと部屋との温度差にも要注意です。なお、降圧剤を服用している人は、飲み方・時刻について医師に相談を。

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教えてくれたのは……

板倉弘重(いたくら・ひろしげ)先生

【Profile】
医学博士。芝浦スリーワンクリニック名誉院長、品川イーストワンメディカルクリニック院長。東京大学医学部卒業。同大学第三内科講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養研究部部長を経て、現職。赤ワインなどに含まれるポリフェノールの抗酸化作用を世界で最初に発見。著書、監修書は『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』(アスコム)、『日常生活のちょっとした工夫で血圧、血糖値は下がる!』(アントレックス)、『大丈夫! 何とかなります 血糖値は下げられる』(主婦の友社)、『ズボラでも血圧は下げられる!』(宝島社)など多数。

(抜粋)

目覚めて急に起き上がるのは危険! 朝の血圧急上昇「モーニングサージ」について解説
TJ MOOK『医者もやっている 血圧の下げ方』 監修:板倉弘重

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編集・ライティング:藤田都美子、宇津井恵子

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WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト

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