「心地いい暮らし研究会」のマキさんが考える、心と暮らしの整え方／
日々の料理をラクにする“半調理”
忙しいときは、少しでもキッチンに立つ時間を減らしたいもの。おいしさと時短を両立する“半調理”のポイントを、教わりました。
家のごはんは“名もなき料理”で充分なんです
「料理が苦手」「キッチンに立つのが億劫……」
そう感じている人にぴったりなのが、マキさんが習慣にしている“半調理”。食材を洗う・ゆでる・切る・下味をつける……と、最低限の下ごしらえを先に済ませておくことで、毎日の料理はぐんとラクになり、時短も実現できます。
「料理のたびに袋から食材を出して、洗って、切って……とイチから始めるのは面倒。まとめて下ごしらえしておけば、洗いものも1回で済みます。たとえば、ほうれん草やブロッコリーはゆでて食べやすく切ってから保存容器に移して冷蔵庫へ。生のまま食べるミニトマトは洗って水気をとりヘタを取っておけば、お皿に添えるのも簡単。それも面倒というときは、パッケージから出しておくだけでも、調理時の負担は減ります」
いわゆる“作りおき”は確かに便利ですが、料理が苦手な人にとって、まとめて何品もおかずを作るのは大変。
「半調理なら下ごしらえの時間は約20分なので、それほど億劫ではありません。途中までしか調理していない分、味つけやアレンジを自由にできるのもメリットです」
半調理をよりスムーズにするには、食材選びも重要です。
「食材を買うときは『旬のもの』『調理が簡単なもの』を選びます。皮むきやアク抜きが必要なものはほとんど買いません。旬のものなら、基本の調味料でシンプルに調理するだけで充分においしいですから。ベビーリーフやミニトマトなど、洗ったらそのまま食べられる野菜も重宝します」
「献立決め」も多くの人を悩ませる作業ですが、「メニュー名に縛られないことも大事」とマキさん。
「冷蔵庫にある食材を焼いたり、煮たりしただけの名もなき料理こそが、家庭料理だと思うんです。たんぱく質と野菜さえきちんと摂れていればそれで充分。凝った料理は外食やテイクアウトで食べればいいんです。パッと冷蔵庫を開けたときに、おのずとその日出すべきものが見えてくるのも半調理のよさ。『夕食は何にしよう？』と悩むこともなくなりますよ」
“半調理”でキッチンに立つ時間を短縮
STEP 1：洗う・切る
▲買った食材はまとめて下ごしらえ。まずはすべての野菜をパッケージから出して洗い、水気を切っておきます。
▲ブロッコリーは袋ごと茎を切り落として洗い、手でちぎって小房に分けます。にんじんはラペにするため細切りに。
▲水気を切ったベビーリーフとミニトマトは保存容器に移しておくと、朝食にも夕食にもさっと添えられて便利です。
STEP 2：ゆでる
▲アクの少ない野菜から順番にゆでればお湯を替える必要もナシ。ブロッコリーはキッチンペーパーを敷いた保存容器へ。
▲アクの出るほうれん草はあとのほうにゆでるのがポイント。食べやすく切って保存し、おひたしやお味噌汁にします。
▲最後にゆで卵を作って、ゆでる作業は終了！ 卵は皮をむいてめんつゆにつけ込んでおきます。
STEP 3：味つけ
▲ゆでた小松菜は食べやすく切り、鯖の味噌煮缶とあえてからストック。味つけは鯖缶のみで、他の調味料は不要です。
完成！
約20分で週半分の“半調理”が完成！ 「ここまで済ませておけば、朝食はワンプレートにのせるだけ、夕食も保存容器のまま出すだけ。ブロッコリーやほうれん草は味つけせず、セルフでしょうゆやぽん酢をかけて食べてもらいます」
マキさんがよく作る、半調理
・鶏ハム
・味つけ卵
・味つけ肉
・ピクルス
・小松菜の鯖缶あえ
・ゆでブロッコリー
・ゆでオクラ
・ゆでほうれん草
メインおかずは「焼くだけ」調理に
肉や魚は下味をつけ「焼くだけ」の状態にしておくのがコツ。「この日は味噌とみりんを1対1で混ぜ揉み込んだ豚ロース肉が主菜。しょうゆ＋みりん、味噌＋みりんなど、基本の調味料だけで味つけしています。同じ味つけでも、素材が変われば食べ飽きることもありません」
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教えてくれたのは……マキさん
【PROFILE】
シンプルライフ研究家。人気ブログ「エコナセイカツ」では、不要な家事をしない、シンプルな暮らしを発信する。マキさんのYouTubeチャンネル「エコナセイカツ」もチェック！
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photograph：Keiko Ichihara
text：Hanae Kudo
（リンネル 2021年3月号）
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web edit：FASHION BOX
