綺麗の礎は品にあり 美と品格
『& ROSY』で連載中の「美と品格」。今回はMatt Roseさんが“桑田真澄の息子”と認識されていた幼少期のことから、メイクを始めたきっかけなどをお話ししてくれました。
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starring Matt Rose“自分らしさ、本物の自由、全てを掴み取る人”
不自然の中にある自分の中の、自然
こんなにもスーツが映えるなんて! 昭和の映画スターのような、海外のアーティストのような……、意外だった。
「ひょろっとしたイメージを持たれがちなんですけど、ね。なんといっても遺伝子が『真澄』ですから(笑)」
Mattさんのセンセーショナルなデビューに私達は色めき立った。見たことのない存在に度肝を抜かれたと言うべきか。欠点を感じさせない肌、彫刻のように立体的な顔、一糸乱れぬ髪型もトルソーのような体形も。元プロ野球選手、桑田真澄さんの息子である事実も騒ぎに拍車をかけた。
「美容に目覚めたのは結構遅くて、ブライダルモデルを始めた大学1年のとき。ファンデーションの塗り方さえ分からない状態から始めて、眉を描くのも影を入れるのも、アイシャドウひとつで済ませていたくらい。たまたまそのビジュアルでテレビに出演したら、思いがけずメイクに注目が集まって。目指していたのは音楽だったけれど、顔と名を知ってもらうためには、この方向を極めるのもいいのかな、と」
もともと美意識は高く、美的感覚は誰にも似ていないものだった。幼いころからユニークだったと、笑う。
「1歳のころから『天使になりたい』って言っていたみたいなんです。毎年、サンタクロースにお願いをして、いつも天使の輪と羽根をつけてた。年々、それが大きくなって……。いま考えればおかしいんですけど、中学2~3年までサンタクロースの存在を信じていたから、ママもパパも大変だっただろうなって(笑)。一方で、影響を受けたのは最初に会った芸能人、SMAPさん。パパが出演した『SMAP×SMAP』のコーナー、BISTRO SMAPを観覧に行ったとき、シェフに扮した皆さんが僕には『人形』に見えたんです。ディズニーランドでパレードに出演しているキャストのように、普通に暮らしていたら『不自然』だけれど、その場では極めて『自然』で、会いたいと思わせる。これこそが最高のエンターテインメント。自分がテレビに出演するようになって、ふとその感覚を思い出し、確信したんです。不自然の先に、僕の中の自然がある。他の誰とも違う存在になりたい、と」
不自然の先にある自然。自分を客観的に捉える冷静な視点にはっとした。
ずっと貫いている当たり前の生き方
自分はそこにいるようで、そこにいない存在。そんな感覚をずっと持っていたとMattさんは言う。
「桑田真澄というフィルターがつねにかかっていたのを感じていました。友達の家に遊びに行くと必ず『Matt』じゃなくて『桑田真澄の息子』と紹介されていたし、学校で先生に変な特別扱いをされるのも、ああ、パパの息子だからと自覚してた。どうにか覆したいと思っていました」
だからといっていじめも反抗期もこの人にはなかった。確かな自分を持ち、覆す『何か』を摑もうとまっすぐに歩んでいたから。
「意図せず注目された『外見』が、次第に笑いものにされるようになり、SNS上には『キモい』とか『消えろ』とか批判が集まって。スタッフには求められていたけれど、世間には求められていなかったのだと悟りました。仕事と割り切りつつも、だんだん疲れてきて少しお休みしたんですよね。ただその間も、メイクや加工をやめなかった。テレビには出なかったけど、インスタに写真を上げ続けたんです。すると、批判の声と『見たい』という賛同や称賛の声が逆転した。続けてきたことが強みに変わったんです」
個性、多様性、ジェンダーレスに自己肯定感……。ようやく認識され始めた、当たり前のあり方を、Mattさんは生まれたときから貫いていた。
「僕にとってはあまりに自然過ぎて、どの言葉も『ああ、そんな名前がついたんだ』という感覚。小さいころからこの人生でたくさんの夢を叶えると信じていた僕は、本当に自由に生きてきたんですよね。何が起こるか分からない地球、だからこそ誰しも自由に生きる権利があると思うんです。男の子だからこうあるべきとか、大人はこうしちゃいけないとか。医者の子どもは医者に、とか親と同じ大学に、とか。『決められた人生』ほどストレスを感じるものはないでしょう? もっと自由でいいんだと誰かの背中を押したい。美容もしかり。イエベだから、ブルベだから、目の色がどうだから、髪の色がどうだからなどと言いがちだけど、いまの時代、なんでもどうにでもなる! 可能性を定めた瞬間に、オリジナリティは生まれない。僕はそう思っています」
母に「上品に生きなさい」と言われて育ったとMattさん。上品に、とは、きっと、自分を大切にすること、自由を大切にすること……。
「最近、パパが『Mattパパ』と呼ばれるようになって、ちょっといらいらしているみたいなんです。やっと僕の気持ちが分かったって(笑)」
この人の品格が、ここにある。
品格美人の日常
自身がプロデュースしたコスメブランドEMROSÉ。化粧水が何度も完売してて再販しました。
最近ハマってるゴールドのミラーネイル。
美は1日にしてならず。一部監修しているクリニックにて肌のメンテナンスをしました。
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PROFILE/Matt Rose(マット ローズ)
1994年7月18日生まれ。7歳のときに父・桑田真澄が肘のリハビリのためにピアノを弾く姿に影響を受け、ピアノとバイオリンを始める。大学卒業後、タレントとして活動をスタート。現在は歌手・作詞作曲・モデルなど様々な分野でアーティストとして活動している。
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Direction & Photo:MAKOTO NAKAGAWA [CUBISM]
Text:CHITOSE MATSUMOTO
Styling:KAZUMI HORIGUCHI
(& ROSY 2022年5月号)
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