綺麗の礎は品にあり 美と品格
『& ROSY』で連載中の「美と品格」。今回は俳優の大島優子さんが登場です。アイドル時代のことから俳優として活躍する現在のことまで語ってくださいました。
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starring 大島優子“ニュートラルという揺るぎなさを持つ人”
地に足がついているから、顔がくるくると変わる
イメージは「ピンナップガール」。グラマラスでコケティッシュで、それでいてどこか意志的。大島優子さんの軽やかさと重みの「メリハリ」に、思わず目が釘づけになったはず。
「楽しい撮影でしたね。ヘアもメイクも、なかなか『作り込む』機会がないので、新しい側面を見出してもらえたようで、すごく嬉しい」
あるときは犬のように、あるときは猫のように、視線の向きなのかカメラの角度なのか、面白いように顔がくるくると変わる。そう伝えると?
「人に会うたび、言われるのが『また、顔が違うね』。じつは私自身、普段は気分のアップダウンがほとんどなくて、極めてニュートラル。だからなのか、写真にしろ映像にしろ、一瞬一瞬に生まれる感情によって変わっていくみたいなんです。変えているつもりはないんですけど、ね。楽しいんです、違う世界にトリップするみたいで。その瞬間に『酔う』し、自ら『酔おう』と思っているのかもしれません」
誰もが認めるアイドルの頂点にいた人。しかも、決して大げさでなく、歴史に刻まれるほどの。
「思えば『異常な現実』(笑)。何時になったら次、何時になったら次……、と、浮いてるような、流されているような。だからでしょうか、当時の記憶は、結構抜け落ちているんです。自分の中で当時の私は『過去の人』『別の人』みたいな感覚。卒業して女優として新たなスタートを切って、ようやく地に足がついた気がしています」
「地味なんです、私」と笑う。言葉も声も、じつに潔い。ニュートラルであることの軸の揺るぎなさに、どきりとさせられた。
心からでなく、腹からの感情に向き合う人
アイドルの自分と女優の自分を、大島優子の「それまで」と「それから」を分けたきっかけは?と問うてみた。
「『留学』ですかね。1年余りアメリカに語学留学をして、思ったんです。どうでもいいんだな、と。もちろんいい意味で、ね。アイドルというカラーや匂いをなくさなくちゃいけないとか、お芝居をするときは肩の力を抜こうとか、自ら強く意識をしていたんですけど、ああ、そんなのいらない、いらない!って。顔も名前も知られていない空間に飛び込んだら、私はこれまで何を気にしていたんだろう? 何を窮屈だと感じていたんだろう?と解き放たれました。自分が自分を信じていればいい、応援してくれる人が応援してくれればそれでいい。そう思ったら、お芝居も変わりました」
芝居をするのが楽になった? そう聞くと、「楽ではないです」ときっぱり。
「変わったこと……、そうですね、腹の底から感情を掴めるようになって、浮き上がらせられるようになりました。それまではもっと表面的だったというか。悲しいとか嬉しいとか、その感情になってお芝居していたつもりだったんですけど、じつはそうじゃなかったのかもしれないと思ったんです。人間ってね、『心』からというよりも『腹』から出る感情で生きてるじゃないですか。それを、お芝居でできるようになったかな、と……」
心じゃなくて、腹。むき出しの感情って、きっとそういうこと。だから向き合うのは「楽じゃない」。
「ドラマや映画では、普通に生きているよりも感情の起伏が激しくて、ドラマティック。その感情につき合うのは、やっぱり疲れます。日常では怒ることなんてそうないのに、こんなに怒んなきゃいけないのって思うと、何倍ものエネルギーを使うというか。それに、舞台は直接観客の方に触れる分、熱量が伝わりやすいけれど、画面やスクリーンを通すと、繊細で敏感な筋肉の動きをしないと伝わらない気がして。女優業って、孤独。役として姿を見せているけれど、その人の背景は? 過去は? 感情は? どう解釈してどう動く?と、ずっとずーっと自問自答してる。その先に正解なんてないんですよね。そう、答えは自分で決めるしかない。誰にも分かってもらえないし、分かってもらおうなんて思ってないでしょ、自分、って(笑)。でもそれが楽しい、大変だけど楽しいんです」
聞けば聞くほどにこの人の本物感に引き込まれ、より品格の定義が気になった。
「まさに、勉強中ですね。自分なりにどうやって独学で作っていくかを考えています。私、いま、33歳なんですけど、35歳からは完全に品格で、ジャッジされると思ってるので。目指すところ? そうですね、素晴らしいと思うのは、マツコ・デラックスさん。とにかく知識が豊富で、しかも広いだけじゃなく深くて、何でもすぐに答えられる。それに、誰に対してもしっかりいじって、しっかりフォローできる。一般の方相手でも全然臆せず、巧みに。それが、人間としての『匠技』みたいな気がして、本当に素敵だなあと思うんです」
この人も匠技の持ち主。それは、飾らない、強がらない、真にニュートラルな人だからこその品格……。
品格美人の日常
着物に興味を持ち、自然に着られる日が来るといいなと思い、思いきって帯を3枚購入しました。これから勉強していきたいと思っています。
ファンの方からのプレゼントでいただきました。コーヒーを淹れている瞬間が大好きで、さらに応援してくれてる方からのギフトだと思うと余計に美味しく感じます。
趣味でハイキングをしていて、自然への感謝を感じつつ、そして偉大さにいつも心をクリアにしてもらいます。
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PROFILE/大島優子(おおしま・ゆうこ)
1988年生まれ。2014年にAKB48を卒業、俳優業を中心とし、様々な作品に出演。今後、映画「とんび」(4月8日公開予定)、「女子高生に殺されたい」(4月1日公開予定)が控えている。
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Direction & Photo:MAKOTO NAKAGAWA [CUBISM] https://www.cubism-tokyo.com/works/m.nakagawa/all/ / インスタグラム @makotonakagawa
Text:CHITOSE MATSUMOTO
Styling:KEIKO MIYAZAWA [WHITNEY]
Hair:TAKU [VOW-VOW]
Make-up:RIKA MATSUI [A.K.A.]
(& ROSY 2022年4月号)
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Web Edit:FASHION BOX