[前田旺志郎]キャリア17年を迎え仕事の向き合い方に変化が! 夢は友達の「A-studio+」出演?[インタビュー]

「まえだまえだ」は現在、俳優に! 映画で共演した神尾楓珠との共通点を弟・前田旺志郎が明かす|インタビュー

だから、応援したい人

『大人のおしゃれ手帖』で連載中の「だから、応援したい人」。あのかわいかった小学1年生は20歳に。デビュー以来、キャリアは17年になる。映画『彼女が好きなものは』では、主人公にやさしく寄り添う親友役を演じる前田旺志郎さんに、この映画のこと、また、続けているうちに変化した俳優業に対する思いなどを伺いました。

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「どんな経験も活かせる。それが俳優の仕事のおもしろさ」

[前田旺志郎]キャリア17年を迎え仕事の向き合い方に変化が! 夢は友達の「A-studio+」出演?[インタビュー]

地元の友達を「A-studio+」に出すのが夢なんです

2歳上の兄と漫才コンビ「まえだまえだ」を結成したのは6歳のとき。「エンタの神様」をはじめとするバラエティ番組で注目を浴びた後、俳優業へと軸足を移す。コンビを組む前から子役として映画やドラマへ出演していた前田旺志郎さんだけに、俳優の道を選ぶのはごく自然なことのように思えるが、一時は進路について悩んだこともあったという。
「子どもの頃からいろんな番組に出させていただいて、中学生くらいまで『仕事をしている』という意識があまりなかったんです。ずっと敷かれたレールの上を走っているだけで、自分の状況はすごく恵まれているんだ、という自覚もなくて。高校受験のときに初めて、自分の将来についてちゃんと向き合ったんです。もし辞めたら、今まで応援してくれた子たちがどう思うんだろう? でも俳優業を続けるために東京の高校へ入って、うまくいかなかったらどうしよう……?と悩んでいて」

考え抜いた末にたどり着いたのは、「俳優の仕事が好きだから続けたい」というシンプルな答え。
「自分なりの回答を出せたことで、仕事との向き合い方も大きく変わりました。子どもの頃は単純にスタッフさんや共演者の方としゃべったり、遊んでもらえることが楽しかったけど、『仕事としてやる以上、目一杯の力で取り組まなくては』と。わからないなりに、演じる役について考えたり、台本を読み込んだりするようになりました。上手く演じられなかったときの悔しさや、できたときのうれしさも感じられるようになって。そこからようやく、お芝居自体の魅力に気づけたのかな、と思っています」

現在は俳優業のかたわら、大学で演劇教育をテーマに学ぶ一人の学生でもある。
「演劇教育は、演劇を通じてコミュニケーション力や主体性、想像力、行動力を培おうというものなんです。僕自身の経験からも、仲間とコミュニケーションを取りながら自分を表現して、成功体験を得るってすごく素敵なことですし、子どもに必要な能力を育めると思うんです。もちろん、僕が俳優を続けていく上でも役立つことがたくさんあると思います。この職業のいいところは、どんなことも仕事に活かせること。役者の魅力には、その人の人生そのものが大きく関わってくると思うんです」

12月公開の出演作『彼女が好きなものは』は、ゲイであることを隠してきた男子高校生と、BL(ボーイズラブ)好きの女子高校生の出会いを通じて、世間にはびこる“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描きながらセクシュアルマイノリティーの生きづらさや、無意識の偏見が持つ暴力性をも描き出していく物語。前田さんは、幼なじみとして主人公・純を支える亮平を演じている。
「亮平は、優しくて正義感も強い“超いいやつ”。その亮平が、自分と最も近い存在である純がゲイだと知ったときにどうするのか。僕なりに考えたんですけど、なかなか答えは見つからなくて。マイノリティーだということを重く捉えすぎると、むしろ変な気の使い方をしてしまって、相手を傷つけてしまうかもしれない。純に対して、そういう個性を持った一人の人間として向き合うことが、僕自身の答えでもあるし、亮平としても正解なんじゃないか、と考えながら演じていました」

自分と異なる個性と向き合ったときに、相手をどう受け止めるべきなのか。それは多感な高校生はもちろん、大人でも簡単に答えを出せることではない。
「本当に難しいことですけど、自分から学ぼうとしたり、理解しようと悩んだり……。きれいごとかもしれないけど、それが大事な一歩になるのかな、と思います。その中で相手を傷つけてしまうかもしれないけど、その人を大切に思う気持ちが伝わってさえいれば、同じ言葉を言ってしまっても、傷つける度合いはまったく違うと思うんです」

同世代の共演者が集まる現場は、
「ずっと他愛もない話をして、本当に学校みたいでした。撮影が終わってからも仲が良くて、一緒にサウナに行ったり、フットサルをしたり。(主演の神尾)楓珠とは、Mr.Childrenが好きという共通点があって、二人で盛り上がりました。僕らの年だと、有名な曲はもちろん知ってても、全曲わかるほどミスチル大好き!って人はあまりいないんです。僕は歌うのが大好きで一番のストレス発散なんですけど、カラオケでもよく歌うのはミスチルですね」

学生生活に俳優業……と多忙な中で、最も元気をもらえるのが、地元の友人の存在。
「駅から家までの帰り道で、毎日のように電話してるんです。楽しい日も、しんどかった日も話を聞いてもらって。もはや一種の依存ですね(笑)。その友人も含めて、仲の良い友達が5人いるんですけど、いつか彼らを(トーク番組の)『A-studio+』に出したい。それで、鶴瓶さんと一緒に写真撮ってきてもらって(笑)。それが僕の夢なんです」

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INFORMATION/映画『彼女が好きなものは』

[前田旺志郎]キャリア17年を迎え仕事の向き合い方に変化が! 夢は友達の「A-studio+」出演?[インタビュー]
(c)2021 「彼女が好きなものは」製作委員会

監督・脚本:草野翔吾
出演:神尾楓珠、山田杏奈、前田旺志郎、三浦獠太、池田朱那、渡辺大知、三浦透子、磯村勇斗、山口紗弥加/今井 翼
TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー公開中

2019年にドラマ化された浅原ナオト氏の青春小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(角川文庫刊)を映画化。ゲイであることを隠して生きる高校生の純(神尾楓珠)と、男性同士の恋愛を描いたBLマンガが好きな紗枝(山田杏奈)。思いがけず接近した二人は、紗枝が純のセクシュアリティーを知らないまま、付き合い始めるが……。

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PROFILE/前田旺志郎(まえだ・おうしろう)さん

2000年生まれ、大阪府出身。2007年から実兄の前田航基とともにお笑いコンビ「まえだまえだ」として活躍。映画『奇跡』(是枝裕和監督)では兄とともに主演を務めた。2017年、映画『レミングスの夏』で初めて単独主演を果たす。近年の出演作にNHK連続テレビ小説「おちょやん」、映画『キネマの神様』『うみべの女の子』などがある。2021年11月14日より、舞台『愛するとき 死するとき』に出演。

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[永野芽郁]映画『そして、バトンは渡された』撮影で田中圭に驚いたこととは? インタビュー

 

photograph:Yusuke Shirai
styling:Kyu(Yolken)
hair & make-up:Takeyuki Satoh(HAPP’S.)
text:Hanae Kudo
edit:Kaori Suzuki
大人のおしゃれ手帖 2021年12月号

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

web edit:FASHION BOX

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