辛酸なめ子がアラウンドナインの女の友情に戦慄!! 長続きするための秘訣とは……?

辛酸なめ子が90歳の“女の友情”マウントに戦慄! 「紙より薄い」が正解?

辛酸なめ子の覗き見 OL妄想劇場

『steady.』で連載中の「辛酸なめ子の覗き見 OL妄想劇場」。今回は“女の友情”について、辛酸なめ子さんが実際に目撃したという2組の女性を対比して考察します。

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女の友情について考えさせられるアラウンドナイン女性の会話

女の友情は、生活環境が変わると続かない、と言われます。子育てや仕事が一段落してから、また友情が復縁するという説もありますが、長続きしすぎる女の友情も、それはそれでシビアです。

少し前に、カフェでシニア世代の女性ふたりの会話が聞こえてきました。お互いのプライバシーに立ち入ったディープな会話というか、ほぼ尋問しているようです。ショートカットの女性が、ボブヘアの女性の家族の状況について聞き出していました。

「長男は建設関係だっけ。次男は?」「食べ物屋さん」「食べ物屋って?」「居酒屋で働いてる」「居酒屋も大変よね~。娘は結婚してるんだっけ」といった調子です。さらに「前、娘の義理のお父さんが精神的な病気だって言ってたじゃない、どうなったの?」「病院に行ってる」と、ディープに詮索。ショートカットの女性は家族について一通り聞き終わったあと、「じゃあ、あなたが一番お金なくて大変ね」と、言い放ちました。年を重ねると遠慮がなくなり、マウントという範疇を超えて、じかに見下すようになるのかもしれません。これが女の友情の本音トークの成れの果てなのでしょうか……。さらにお金について切り込みます。

「年金はどう? 13万入るんでしょ」と決めつけられて、ボブヘアの女性はつい「終身保険も入ってるから」と、もう少し収入があることを匂わせると「いくら?」と答えるまで追及。ついに「年29万くらい……」と具体的な金額を白状させられていました。

「家賃や光熱費を引くと毎月7万は自由になるね」「うん」するとショートヘアの女性は「哀れな生活だけどなんとかなるのね」と、またマウントを超えた蔑み発言。「葬式代は取ってあるの?」「200万くらいは……」「86だからね。でももう長生きしたくないね」

葬式代というワードにドキッとしましたが、年齢を聞いて驚き。アラウンドナインで自力で出かけてお茶を飲める体力がすごいです。やはり女友達との本音トークがいい刺激に……?

でも最後に、「あなたはなんであのとき道を誤ったの」と、エグい質問が聞こえてきて、長続きしすぎて露骨さを極めた女の友情に戦慄しました。

推し活女子の平和なシーン。文具と映画のカルチャートーク

アラウンドナイン女性の友情と対照的な、ピースフルな空気が流れていたのは、下町のカフェ。近くで文房具のイベントが開催され、そこから流れてきた女性たちのようでした。イベントでは、ノートやレターセット、マステ、シール、包装紙など、文房具メーカーやデザイナーが素敵なアイテムを多数展示販売していました。入場料は1500円と高めでしたがにぎわっていました。会場では領収書がもらえないことが多く、いくら使ったかわからないまま大人買いしてしまいます。

カフェでは、ふたりの若い女性が、それぞれのバッグから戦利品を取り出して見せ合っていました。「これめっちゃ可愛い~」「蛍光ピンクがいいよね」などと言いながら……。

「並べきれない」「整理しないと」「紅白のマステ、使うの楽しみだな~」と、楽しそうです。文具は、使う用途があるうちが花かもしれません。このイベントで過去にレターセットなどを買ったものの、出す相手がいなくて、手つかずのままになっています。

目の前の文具好き女子たちは、さっそく可愛い紙を交換しはじめました。幼い頃、折紙を交換していた少女時代に年齢退行しそうです。無邪気に文具を交換する行為で若返るのではないでしょうか? 文具に限らず、推し活全般、少女のようにピュアな気持ちになれる気がします。ふたりは吉沢亮の映画についてなど、他のジャンルの推しトークもしていました。

「明日も行っちゃおっかな」「行っちゃえ行っちゃえ」「買ったつもりで買ってなかったとかあるかも」また入場料1500円かかりますが……好きなものに好きなだけお金を使えるのは、少女から大人になった特権です。

平和な推しトークに終始して、お互いのプライベートには触れません。「女の友情は紙より薄い」という言葉がありますが、紙について楽しく語りあっていたふたり。むしろ紙の薄さの友情をずっと保っていた方が、薄く柔軟に長続きしそうです。

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PROFILE/辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

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辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

漫画家、コラムニスト。皇室、セレブリティ、スピリチュアルなどの分野に精通。著書は『女子校育ち』(筑摩書房)、『セレブマニア』(ぶんか社)、『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』(宝島社)など。『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)は、日本のカルチャー要素をキーワードに、漫画タッチで構成されています。ツイッターのシュールボイスもお見逃しなく。@godblessnameko

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(steady. 2022年12月号)

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WEB編集/FASHION BOX

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