辛酸なめ子がアパレルショップで陰謀論を唱える女性に遭遇! 店員との駆け引きの行方は……?

辛酸なめ子がアパレル店で買う気が失せる、意外なセールストークとは? リアル店舗の存在意義

辛酸なめ子の覗き見♡ OL妄想劇場

『steady.』で連載中の「辛酸なめ子の覗き見♡ OL妄想劇場」。アパレルショップで黒ずくめの女性と店員さんのやりとりを見て、なめ子さんが感じたこととは?

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アパレルショップで店員さんの話術に引き込まれ……

心に隙があるとついアパレルショップに引き寄せられます。そこで店員さんに話しかけられ、セールストークが展開。「このトップスは1月に新作で入ってきてもう値下げしてるんですよ」「デニムでもスカートでも合いますよ、フフフ」店員さんはわざわざ合いそうなボトムスを持ってきて合わせてくれました。「着用している写真ご覧になります?」「春先でも着ていただける素材です」。たたみかけるように言われるうちに、心が購入に傾いていきます。これだけ会話の労力を費やしてもらって、買わないのも申し訳ないと思えてきます。半ば操られたかのようになって「ではこれにします」と、レジへ……。会計のとき、買ってよかったのかと迷いを感じていたら、「雨は大丈夫でしたか?」とやさしい言葉をかけてきたり、なかなかやり手の店員さんです。

ほかにもつい買ってしまうセールスキラートークといえば、「一度品切れしてたんですが、たまたま再入荷したんですよ」というセリフ。そんな大人気のアイテムに遭遇できるなんてラッキーと思い、つい買ってしまいます。この言葉が嘘ではないことを祈ります。

逆に買う気が減退するワードというと、「体形もカバーできますよ」(そんな第一印象で体形崩れて見えるのかと軽いショック)「レジでお預かりしましょうか?」(考えすぎかもしれませんが万引を疑われた気も……)など。店員さんとの駆け引きもショッピングの付加価値のひとつです。

強者の客が登場し、若い女性店員さんの生命力を吸い取ることも……

先日都内のセレクトショップに立ち寄ったら、女性客と店員さんが熱心に話し込んでいる様子が視界に入ってきました。

黒ずくめのショートカットの女性はマスクから鋭い目線を陳列台に投げかけて「このへんのラインはあまり売れてないんでしょう? ニットが売れなくなったらベストを作った方がいいですよ」と、アドバイス。もしかしてファッション業界人なのでしょうか。ノースフェイスのジャケットがこなれているようにも見えて妙な説得力が。女性店員は助言に対し「うん、なるほどですね」とコメント。「ただ店頭に立つだけじゃなくて、そういう提案をしてみたら?」と、女性客。ベストは自分がたまたま着たいだけなのかもしれません。「あと、春先まで着られる定番ものを置いてほしい。このへんの色だとちょっと冬服っぽいかな。暑いからニット売れないでしょ?」と、さらにリクエスト。セールが終わる間近で、台にはニットやトレーナーが並んでいます。その女性は黄色いトレーナーと黒いパンツの購入を迷っているようでした。「インフレーションって知ってる? 今はスタグフレーションといって経済が停滞してるのに物価が上昇してる」難しい専門用語をかます女性客。何者でしょうか。「ふんふん」完全な生返事ではなく、1割くらい関心があるような相づちで対応する店員さんは「聞く力」をお持ちのようです。「温暖化だけどみんな危機感はないし」「たしかSDGsとか聞いたことがあります」と店員さんが少しリアクションすると、女性客は勢いづいてさらに自論を展開。「震災があってから、それをたてに火力発電をやり続けてる」という話に始まり、「コロナに関しても日本はアメリカの製薬会社の言いなり」「真珠湾攻撃は仕組まれていた」といった陰謀論まで……。瞳が妖しく黒光りしています。「勉強になります」と、平坦な口調で返す女性店員。彼女はこのお客さんが服を買ってくれれば結果OKなのでしょう。

女性客は急に「このパンツ、私の身長でも大丈夫?」と質問したあとに、自分がはいているパンツについて「これはコムデギャルソンで2万7000円のサルエルパンツ」と、ブランドマウンティング。アドバイスやマウントなど常に自分が優位に立ちたい人なのでしょうか。

最終的には黄色いトレーナーをやめて黒いパンツだけ持ってレジへ。やはり陰謀論好きの闇の心がつい黒い服を求めてしまうのかもしれません。トレーナーをやめたのは店員さんのリアクションが今ひとつだったからでしょうか。客と店員の駆け引きは今回は引き分けだったようです。時には思いのたけを受け止めてくれるアパレルショップ。実店舗の存在意義を確認しました。

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PROFILE/辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

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辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

漫画家、コラムニスト。皇室、セレブリティ、スピリチュアルなどの分野に精通。著書は『女子校育ち』(筑摩書房)、『セレブマニア』(ぶんか社)、『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』(宝島社)など。『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)は、日本のカルチャー要素をキーワードに、漫画タッチで構成されています。ツイッターのシュールボイスもお見逃しなく。@godblessnameko

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steady. 2022年4月号

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WEB編集/FASHION BOX

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