好奇心旺盛な猫は人間の想像を超える行動をしてくることも珍しくありません。猫が自由に行動しても危なくないように、部屋の中の安全対策を忘れてはいけません。猫がケガや事故なく元気に生活するために必要な飼い主の心がけを野矢雅彦先生が教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
野矢雅彦（のや まさひこ）
ノヤ動物病院院長。日本獣医畜産大学獣医学科卒業。1983年にノヤ動物病院を開院。ペットの診察・治療はもちろん、動物と人とのよりよい関係を作るために幅広く活動中。ペット関連書籍の執筆・監修も多く手がけています。病院ではパピークラス、しつけ相談開催の他、ペットの預かりにも対応しています。
ノヤ動物病院
埼玉県日高市上鹿山143-19 TEL：042-985-4328
飼い主さんは愛しの猫ちゃんをケガや事故から守らなければなりません。ここでは家の危険回避について解説します。
猫が安全に暮らすための対策
1：観葉植物は置かないようにする
観葉植物には猫が食べてしまうと危険なものがあります。ユリは特に危険で、花、葉、茎、花粉、いけていた花瓶の水を口に入れただけでも中毒症状を起こし、急性の腎臓病を発症することもあります。他にスズラン、ポインセチア、アサガオなども中毒の危険が。観葉植物は置かないほうが安心です。
2：ビニール・ひもは片付ける
ビニールやひもで遊ぶのが何よりも大好きな猫。遊んでいるうちにうっかり飲み込んでしまうことがあります。すぐに吐き出せばいいですが、ひどいと開腹手術になることもあり大変危険です。他にも輪ゴム、布の切れ端など猫が飲み込んでしまいそうなものは出しっぱなしにしないようにしましょう。
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3：お風呂の水は抜いておく
浴槽にたまった水を飲むのが好きな猫ちゃん、いますよね。しかし、足を滑らせてドッボーンと落ちてしまう猫も少なくありません。洗濯機、水槽なども同様に水をためておくと、猫が落ちて溺れる可能性があります。水は抜いておくか、フタをするなどの対策を考えましょう。
4：アロマは猫のいないところで
アロマオイルには猫にとって毒になるものが多く、例えば女性に人気の「ティーツリーオイル」は、猫が少量なめただけでも中毒症状を起こし、命を落とすこともあります。人にとってリラックス効果のあるアロマオイルですが、猫のいるところで使うのはやめましょう。
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5：薬・サプリの誤飲に注意
「アセトアミノフェン」という成分が入った風邪薬や、ダイエットサプリとしてコンビニでも買える「α-リポ酸」などは猫にとって毒性が非常に強く、命を落とす危険もあります。人の薬やサプリは出しっぱなしにせず、猫が口にしないよう、しっかり管理するようにしましょう。
6：ベランダには出ないようにする
猫は突然数十メートルの高さから自ら飛び降りることがあります。「フライングキャット症候群」と呼ばれ、理由はまだ解明されていないそうです。このことからも、猫をベランダに出すのは危険です。ネットを張っていてもよじ登るのが好きな猫もいます。窓からの落下にも気をつけましょう。
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7：キッチンでケガをしない工夫を
好奇心旺盛な猫にとって、物がたくさんあるキッチンは楽しい遊び場かもしれません。しかし、コンロに置いてあった鍋や炊飯器でやけど、包丁でケガ、ゴミ箱をあさって誤飲……など意外と危険性の高い場所です。人の食べ物が猫にとって毒になる場合もあるので、食材の管理にも気をつけて。
8：電気コードは隠して
家の中で起こる猫の事故で多いのが「感電」です。電気コードにじゃれているうち、コードを噛みちぎって起こってしまいます。ひも状のものを見ると遊びたくなってしまうのが猫。電気コードは絨毯の下に隠すなどの対策が必要です。同様に、壁のコンセントにもカバーをつけましょう。
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（抜粋）
TJ MOOK『幸せ猫の長生きBOOK』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295538
監修：野矢雅彦
編集／コサエルワーク
編集協力／高橋ヒカル、コダマユミコ
協力／森 瑞（4TuneBox）
執筆／市川知世子、小嶋ひろみ、東 志津
撮影／奧村くみ子
写真協力／PIXTA
編集／FASHION BOX
（TJ MOOK『幸せ猫の長生きBOOK』）
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