在宅ワークが増えたり、家で料理をする回数が増えると、今まで気づかなかった家の中の、不満な点が目に付くようになっていませんか? こんな時代だからこその、快適な住まいづくりのコツを考えます。日本感染症学会指導医・専門医の水野泰孝先生にお話を伺いました。
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家の中の感染対策はポイントを押さえればOK
「低温で乾燥する冬場は、感染症対策が欠かせないシーズン。家の中は、不特定多数が出入りするわけではないので、ポイントを押さえた対策をすれば大丈夫です」と、水野先生。
まず、ウイルスが付着する可能性が高いのは手。帰宅したら、ドアノブなどを触る前に手指を消毒します。マスクやコートを外したあとに、再度手洗いをするといいでしょう。肌荒れも大敵なので、手指を消毒したあとは、保湿を忘れずに。
そして、室内で過ごす間は、こまめな換気を。対角線上の2か所の窓を数cm開けるか、窓に向けてサーキュレーターをまわすと、空気の入れ替えができます。また、低温と乾燥はウイルスを活性化させる条件です。加湿器を各部屋に設置して、湿度は50〜60%に保つのがおすすめ。
「ものにつくウイルスを心配する人も多いですが、感染するほど大量についている可能性は少ないです。体の弱い高齢者と長時間話すときは、家の中でもマスクをすると安心ですが、あまり心配せず、リラックスして過ごせるといいですね」
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これからの季節は、「消毒」「加湿」「換気」
繰り返し言われていることですが、感染対策は家の中でも手洗いと換気です。冬場は空気の乾燥にも気を付けて、のどを守りましょう。
帰宅したら、まず「消毒」または「手洗い」を!
手を消毒するタイミングは、「帰宅してすぐ」が正解。持ち物につくウイルスよりも、手についているウイルスのほうが量も多く、口から入りやすいからです。玄関に消毒薬を置くか、入ってすぐに洗面所があるなら手洗いを。
家の中でも、消毒液を設置すれば安心
手にウイルスがついたまま、家の中のものをぺたぺた触らないように、玄関の消毒液はマスト。そのほかにも、キッチンや、化粧台の前など手で食材や顔を触るところ、みんなが集まるリビングにアルコールがあると安心。
Recommend/「アルコールディスペンサー」で習慣化を
手指消毒は当たり前になったとはいえ、おっくうに感じられることも。触れずに消毒液が出てくるディスペンサーが◎。適量を手に受けて、手のひら、指先、手の甲、指の間、手首の順番にしっかりすりこみましょう。
手をかざすとセンサーが感知して、消毒液を自動で噴射。市販の液体アルコールが使用でき、液だれ防止用のトレイもついていて使いやすい。
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室内の湿度は、50~60%を保ち、乾燥を防ぐ
一般的には、ウイルスは湿度が低いと活性化します。特に呼吸系のウイルス感染は冬場に多くなります。新型コロナウイルスについては、まだ詳しいことはわかっていませんが、最適な湿度である50~60%を保ちましょう。
「換気」は、とにかくこまめに!
冬場に風邪やインフルエンザが増えるのは、暖房をかけていて換気が少なくなることも影響しています。窓を全開にする必要はないので、タイマーをかけて、30分ごとに5分程度か、1時間ごとに10分程度開けるのが理想的。
Recommend/「サーキュレーター」を使って効率的に
部屋の空気を循環させるのが目的のサーキュレーター。窓が1面にしかないなど、換気が不十分になりそうな部屋に有効です。窓を開けて、開いた窓に向けてサーキュレーターを置き、首振りをせずに使用します。
無線LANなどの設定なしで、音声操作が可能。ドーム形状によって、より遠くまで風を運び、強力に空気を循環。
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教えてくれたのは……
日本感染症学会指導医・専門医 水野泰孝先生 プロフィール
グローバルヘルスケアクリニック院長。東京慈恵会医科大学大学院修了。タイ王国マヒドン大学留学、在ベトナム日本大使館医務官、東京医科大学准教授、同大学病院感染制御部長を歴任し、2019年6月より現職。専門は熱帯感染症、渡航関連疾患、予防接種。
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text_Ema Tanaka
illustration_Nagisa Hamada
(大人のおしゃれ手帖 2020年12月号)
web edit_FASHION BOX, Satoko Ishikawa[vivace]