生理前の頭痛から卒業! 痛み止めに頼らなくなる改善策を薬剤師が解説

「生理前になると、頭痛のせいで何をするにも集中できずイライラしてしまう」
このような不調はPMS(月経前症候群)と呼ばれ、女性の50〜80%に起こるとされています。この先何年も、生理がくるたびに頭痛に悩まされるのはつらいですよね。
そこで今回は、頭痛などのつらい不調を招くPMSの改善方法として、「4つのセルフケア」+「漢方薬」をご紹介します。

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生理前のつらい頭痛……その理由とは?

生理前の不調は人によってさまざまで、PMSの症状としては、頭痛をはじめ、肌荒れ・だるさ・むくみなどの身体症状や、イライラ・集中力の低下・情緒不安定などの精神症状が挙げられます。
ではなぜ生理前に頭痛が起こるのでしょうか。

生理前に頭痛が起こる理由としては、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の変動が関係していると考えられています。女性らしさを保つホルモン「エストロゲン」が、排卵(生理の約14日前)の後にガクンと減少すると、それに伴って脳内のセロトニン(血管を収縮する作用がある脳内物質)も減少します。これによって脳血管が拡張し、頭痛が引き起こされてしまうと考えられているのです。
さらに、日々の生活で食生活の乱れやストレスの蓄積などが重なることで、PMSの症状が重くなってしまいます。

 

頭痛をやわらげるセルフケア

頭痛をやわらげるセルフケアとして、以下に4つの方法を紹介します。普段から基礎体温表をつけるなどして、生理周期と症状の出るタイミングを把握することで、より効果的な対策をとれるでしょう。

 

市販薬でPMSを緩和

症状がつらい場合は、市販薬に頼る選択肢もあります。
日本で初めて承認され、薬局やドラッグストアで購入できる唯一のPMS治療薬が「プレフェミン」です。
プレフェミンは、古くから婦人科系疾患に使われてきたチェストベリーという西洋ハーブのエキスを含んだ一般用医薬品で、PMSの身体症状、精神症状の両方を改善します。
18歳以上の成人女性に適用され、妊娠中の方には向かない薬です。まずは薬剤師に相談し、購入を検討してください。

 

ストレッチ・体操で頭痛緩和

頭痛は、生理中のストレスによる筋肉の緊張が原因になっていることがあります。この緊張性頭痛の場合、上半身のストレッチで頭部への血流を改善することが有効です。以下の手順で、頭と首を支えている筋肉をほぐしましょう。

緊張性頭痛を和らげたいときのストレッチ

Step 1. イスに姿勢よく座り、頭の後ろで手を組みます。
Step 2. 大きく鼻から息を吸い、肩甲骨を寄せ合います。
Step 3. 息を吐きながら頭を下げ丸まった姿勢をとり、5呼吸キープします。できる限り首の後ろの力を抜きましょう。

このストレッチを自分のペースで5回ほど繰り返しましょう。首や肩、背骨まわりを動かすことで、背面の筋肉がリラックスし血流が良くなるため、頭痛緩和が期待できます。

ただし、血管拡張が原因となっている頭痛の場合、血流を良くすることは逆効果になることもあります。その場合は、痛む部分を冷やしたり、こめかみを圧迫して血流を抑えたりするなどしてみてください。

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頭痛に効くツボ

以下に、頭痛に効果のあるツボをご紹介します。30秒ほど圧迫することで、頭痛やPMS症状改善の効果が期待できます。

三陰交(さんいんこう)

内くるぶしから手の指(人差し指~小指)4本幅上で、すねの骨の後ろにあります。
血の流れを改善し、PMS症状に高い効果があるといわれています。

陰陵泉(いんりょうせん)

内くるぶしからすねに沿って上へたどっていき、膝の下あたりの、骨の出っ張りの下にあるくぼみです。
月経トラブル全般に効果的といわれています。

 

食生活で頭痛改善

日々の食生活を見直すことで、頭痛以外にも、PMS症状全般の緩和が期待できます。以下に、とくに頭痛を緩和するための食生活のポイントを紹介します。

塩分やカフェインの摂りすぎ、飲酒を控える

塩分やカフェイン、アルコールは脳血管を拡張し、頭痛を引き起こしやすくなる要因のひとつです。塩分やカフェインの摂りすぎ、飲酒は控えるようにしましょう。

「セロトニン」を作り出す食材を積極的に摂る

PMSによりセロトニンが不足すると血管拡張が起こり、頭痛が起こりやすくなります。セロトニンを作り出す、トリプトファン、タンパク質、ビタミンB6などの栄養素を含む、以下の食材を積極的に摂るようにしましょう。

(例)バナナ、大豆製品、アボカド、かつお節、玄米、鶏胸肉など

女性ホルモン様作用を持つ「大豆製品」を摂る

PMS症状はエストロゲンの低下により引き起こされるため、エストロゲンに似た作用をもつ大豆を取り入れることでPMSによる諸症状を緩和できるといわれています。頭痛を含むPMS症状緩和のためにも、大豆製品は積極的に摂るようにしましょう。

 

根本的に解決したいなら漢方

「鎮痛剤は副作用が心配……」
「ずっと飲み続けないといけないのかなと不安……」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。
漢方薬で根本的に体質を改善すれば、生理前の頭痛の解消をも目指せます。

漢方薬は漢方医学で使われているお薬で、さまざまな症状への効果が認められており、病院などの治療にも活用されています。
自然の植物や鉱物を用いた生薬を組み合わせているため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれており、体質に合っていれば高い効果を得られます。

漢方薬が得意なのは、もともとからだに備わっている「内なる治癒力」を高めること。体質を変え、根本的に改善することにより、いまよりも健康な状態を目指せるのです。毎日続けて服用すれば、長年、悩み続けてきた症状がすっかり消えてしまった!という日がやってくるはずですよ。

また、「健康的な食事や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬による体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを飲み続けるだけなので、気軽に継続することができます。
お悩みの症状改善のため、生活に漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。

<PMSの頭痛におすすめの漢方薬>

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):冷えのぼせがあり生理痛がつらい方

血の巡りを促し、血流を整えて全身の新陳代謝の促進をサポートします。
女性ホルモンのバランスも整えるので、生理前の頭痛にも用いられます。

加味逍遙散(かみしょうようさん):疲れやすく、肩こりやイライラを生じやすい方

気・血の生成や巡りを整えます。生理前のメンタル不調や頭痛に用いられます。

五苓散(ごれいさん):むくみがちで、悪天候な日に頭痛が起こりやすい方

水の巡りに働きかけ体内の余分な水を取り除き、頭痛を改善します。

 

体質を改善する漢方薬なら、頭痛以外のPMS症状の緩和も期待できます。

ただし、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントです。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起きることもあります。服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師等に相談するようにしましょう。

最近では、AIを活用して症状と体質に合った漢方薬をプロに選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」というサービスも登場しているので、利用してみるのもいいでしょう。スマホから専門家への個別相談を、気軽に申し込むことができますよ。

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セルフケアでPMSの頭痛緩和! 生理前でも不調知らずのからだを目指そう

生理前にからだや心の不調を感じる女性は多いですが、それが当たり前になっていませんか?
PMS症状はからだのサイン。不調を放っておくと病気につながる可能性もあります。
そもそもPMSによる頭痛はなぜ起こるのか理解したうえで、セルフケアや漢方薬でアプローチし、PMSと上手に付き合えるようになりましょう。

 

教えてくれたのは……あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸

【Profile】
北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信している。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

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https://www.kamposupport.com/anshin1.0/n/taishitsu/

 

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