アーティスト・UDAが提案、大人の化粧
自身初の書籍『kesho:化粧』を刊行したメイクアップアーティスト・UDAさんが、4人のMUSEモデルをディレクション。その人の内面をミニマムに表現した“基”の顔と、その人のムードをより色濃く表現した顔、という二つのメイクを提案。音楽でいう原曲とアコギバージョンのように、それぞれの魅力を楽しめます。
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佐田真由美の化粧
Aの中央の2色を繊細にブラシに取り、手の甲で余分な粉をなじませたら、頰骨の下に横長に入れ、そこからフェイスラインに向かって“余韻”を残すように色をフェイドアウトさせる。頰骨の下に逆三角形のグラデーションで血色がのるイメージ。唇には、指先に取ったBをごく薄くのせる。
大人の魅力に本来持つワイルドな強さをレイヤー。進化した“今の顔”
Bを使って目のキワを、まつ毛の根元を埋める感覚で細く囲む。ここを繊細に丁寧に仕上げることが、大人のメイクのコツ。それができたら指先にAを取り、今度はある程度ラフに、描いたラインを滲ませる。唇はCを指先でオン。
佐田さんが20代のころ、よく撮影現場を共にしていたというUDAさん。妻になり、母となり、大人の女性へと進化した現在の佐田さんに、「あのころの“ワイルドさとストリート感”みたいなものを、メイクで呼び起こせたらと。やっぱりそれが彼女のコアなんじゃないかなって。もちろん、そのままリバイバルするのではなく、2021年版としてアップグレードさせて」。偶然、佐田さん自身も数年ぶりに髪をハイトーンにチェンジしたタイミングだった。「余白を残した“基”の顔(タンクトップ着用の写真)で、肌をわずかにブロンズに転ばせています。そこから目元にグッとフォーカスを当て、逆に口元は血色をおさえて。真由美ちゃん本来の純度を高めた“今の顔”になったんじゃないでしょうか?」
比留川 游の化粧
Aを指先に取り、頰骨の高い部分から輪郭に向かって、やや斜めに、じんわりと血色を宿す。ここでも色がドバッとのり過ぎないよう、手の甲で発色を調整しながら、繊細に仕上げる。唇にはBをブラシに取り、リップラインに沿って色をのせたら、中央を塗り、最後に輪郭を指先でぼかす。
相反するテイストを共存させ、より意味深な色気を漂わす
Cをブラシに取り、唇本来のフォルムを生かしながら色をのせる。目元は、眉の毛流れをAでランダムに立ち上げたら、赤みのあるBのマスカラを上下に。ここで黒のマスカラを選ばないところが、「知的な遊びである」とUDAさん。
今回の撮影で、UDAさん唯一の初対面だったのが比留川さん。「メイクをすることで、その人の内側にあるものをよりピュアに表現することが目的。初めて会う方の場合も、メイクをしながら何が好きか、今はどんな気分かを話しながら、本人が心地いい方向性を探ります」。UDAさん曰く、「比留川さんはすでにでき上がっているので、“基”の顔では、少しだけ血色を滲ませ、内側に湿度や色気を秘めているムードに仕上げました。それに対して、ジャケット着用のカットではリップの色をより深め、逆に眉はバサバサとラフに。フェミニンとボーイッシュ、相反する要素を混在させることで、比留川さんが持っている魅力にハレーションが起こせたらいいな、と考えました」
鈴木えみの化粧
Aの一番上と右下を混ぜてブラシに取り、上まぶたの目のキワに入れ、バランスを見ながら涙袋にも色をなじませる。Bを頰骨の高い位置を中心にじんわり入れ、そのままこめかみまで“余韻”を広げて。唇にはCを指先でオン。
強さと優しさを内包しながら、あのころの囲みメイクを今に
Cの一番上をアイホールになじませ、上まぶたのキワにCの右下を入れて繊細なグラデーションにする。Bの右下を涙袋にバランスを見ながら入れたら、Aでまつ毛の根元の粘膜をぐるりと一周囲む。唇は“基”の顔のままでキープ。
写真集や雑誌のカバーなど、かなり長い付き合いになるUDAさんと鈴木さん。「先日、えみちゃんがインスタで昔のメイクを再現している写真を載せていたんですが、それを見て、さすが!と。彼女は自分をよく知っているから、再現と言いつつも、新たな解釈でちゃんと進化させているんですよ。というわけで、これは僕なりの00年代メイク オマージュ」。“基”の顔は、「雪のように美しい肌の“面”を生かしつつ、彼女が持っている内側の優しさや情熱が温かみとなって滲むように、ピンクのチークをじんわりと。そこからオールホワイトコーデのカットではバイオレットのメタリックペンシルで目をぐるっと囲んでいます。懐かしさがありつつも、大人の仕様の現代版囲み目に」
岩堀せりの化粧
Aの左上を使って、目のキワに繊細に色を入れる。涙袋も含め、ぐるりと一周。さらにまつ毛の根元の粘膜をBで囲んで、フレームを強調する。唇はCをブラシに取り、気持ちオーバーめにリップラインを取って、内側を塗る。
ロックな表情に潜むピュアな感性。神々しく圧倒的なMUSE
Aをブラシに取り、二重幅になじませて陰影をつけたら、目のキワに黒のリキッドアイライナーでラインを。目頭と目尻を少し長くシャープに描く。Bのマスカラは繊細に仕上げたのち、あえて束感を出す。唇はCで血色を少しおさえる。
「せりちゃんは、とにかく存在自体がかっこいい。それは今も昔もまったく変わらない」と話すUDAさん。佐田さん同様、岩堀さんが20代のころに、たびたび仕事を共にしていた。「揺るがない芯があってワイルド、でも内側にはピュアさを秘めている。それがせりちゃんのイメージ。“基”の顔では、生っぽく仕上げた肌に、わずかな陰で目のフレームを引き締め、彼女のイノセントな内面を思いっきり表現しています。その延長線上にありながら、黒の衣装着用のカットでは目元の陰影を強め、グッとロックなムードにチェンジ。目頭と目尻にシャープに入れた黒のリキッドアイライン、あえて束感あるように仕上げた棘のようなまつ毛がポイント。圧倒的なオーラは、やっぱり本物!」
UDAさん初の書籍『kesho:化粧』が絶賛発売中!
構想5年、撮影4年。UDAさんが辿り着いた新しいメイクへのアプローチ、kesho。144のビジュアルで表現された、368ページの大作は必見!
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direction & make-up_UDA[mekashi project]
photograph_YASUHISA KIKUCHI[vale.]
styling_KEI SHIRAHATA[LOVABLE]
hair_ASASHI[OTA OFFICE]
model_MAYUMI SADA, YU HIRUKAWA, EMI SUZUKI, SERI IWAHORI
text_SACHICO MAENO
(otona MUSE 2021年6月号)
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