更年期のホットフラッシュや冷え対策にも！下半身の筋肉を動かしてゴースト血管を解消［医師解説］

その不調、血行の悪さが原因かも血の巡りをよくして体を整える

体の痛みや気分の不調、免疫力の低下にも大きくかかわってくるのが血の巡り。血行が悪くなると、体にどんな影響があるのでしょうか。イシハラクリニック副院長の石原新菜先生にお聞きしました。

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更年期世代の運動不足は上半身に血流が偏り不調の原因に

手足が冷たい、肩がこるなど、血流が悪くなると起こりやすい不調。「現代の便利な生活では、10代や小学生の子どもでも血流低下による不調をうったえている時代です。コロナ禍で外出が制限されたり、体を動かすような活動が減ってそれが当たり前になっている影響もあります」と、石原新菜先生。

そんな中でも更年期を迎えた世代は、特に注意が必要。「同じ更年期世代でも、多くの不調に見舞われる人と軽い人では、大きな差があります。漢方の考え方では、そこには血流が大きく影響しています。閉経すると、それまで子宮や卵巣に多く送られていた血液が急に少なくなり、下半身に流れる血流が減ります。スポーツや山登りなどで下半身の血流が多い人は問題ないのですが、ふだんから運動不足の人は、あまった血流が上に上がってくる『昇症』という症状になるのです」

上半身に偏った血流の影響で起こるのが、のぼせ、ほてり、ホットフラッシュ、めまいなどの更年期症状。カーッとなったりイライラするなど精神の不調も関係しています。更年期世代は、血の巡りをよくするだけでなく、特に下半身の血流をよくする必要があるのです。

入浴と運動で、衰えの原因のゴースト血管を解消する

特に50代からは、10年後、20年後を見据えた運動習慣をつけるために足腰の力をたくわえておく大切な時期です。
「全身の筋肉の7割は下半身にあります。下半身の筋肉を動かすことが、血流をアップする近道。特に大切なのが、お尻と太ももの筋肉なので、そこを効率よく動かすことができるスクワットがおすすめです。また、片足で1分ずつ立つ片足立ちは、53分歩くのと同じくらいの負荷が足にかかるので、骨粗しょう症の予防にも有効です」

コロナ禍の影響もありうつうつとしている人も、体を動かすとよい効果が。漢方では、「気」「血」「水」の3つが体を巡っていると考えています。メンタルの不調は「気」の滞りが原因。体を動かすことで血流である「血」だけではなく「気」も巡っていき、うつうつとした気分ややる気のなさも改善します。

さらに、血流改善のために忘れてはいけないのが、入浴です。
「冷えが慢性的にある人は、血管はあるけれど、血液が通っていないいわゆるゴースト血管がよく見られます。20代から始まり、40～50代から加速し全身の健康に影響を及ぼします。運動や入浴で血流をよくすれば、ゴースト血管にも血が通っていきます」

特に入浴で、汗がぷつぷつ出るくらい温まるのが大切。汗が出ている状態は、体のすみずみまで血流がいきわたって芯から温まり、体温が1℃上昇しています。体温が上がると、免疫力も一時的にアップします。血流にのって免疫に関係する物質も体中を巡っていき、感染症に強い体になるのです。不調解消だけではなく、感染予防や将来の健康のためにも、血流の改善を今から始めましょう。

血管の衰えは20代からはじまっている。下半身の筋肉を動かすことが血流アップの近道！

血の巡りが悪いとこんな不調が！

□薄毛・白髪・頭痛・めまい・耳鳴り・ほてり・不眠 etc.
□シミ、たるみなどお肌の不調・口臭・充血 etc.
□肩コリ・首コリ・背中痛 etc.
□胃痛・胃もたれ・ガス腹・便秘 etc.
□腰痛・頻尿・生理痛 etc.
□セルライト・むくみ・ふるえ etc.
□手足の冷え・ひざ痛 etc.
□足裏のしびれ・爪がもろい etc.

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