肉食が血液をドロドロにするって本当!? 医師に聞いた、血管ケアのQ&A

肉食が血液をドロドロにするって本当!? 医師に聞いた、血管ケアのQ&A

血管病になりやすいのは男女のどっち? 親が血管病で亡くなっていると危ないの?など、血管病に関する男女の差や遺伝によるリスクを、医師に聞いてみました。

教えてくれたのはこの方

肉食が血液をドロドロにするって本当!? 医師に聞いた、血管ケアのQ&A
出典: FASHION BOX

新浪 博士(にいなみ・ひろし)先生
1962年、神奈川県出身。1987年、群馬大学医学部卒業後、東京女子医科大学大学院修了。同年、東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所に入所。アメリカ・ウェイン州立大学、オーストラリア・アルフレッド病院、オーストラリア・ロイヤルノースショア病院への留学で心臓血管外科の研究と治療に従事する。帰国後、東京女子医科大学心研循環器外科医長、東京女子医科大学心臓血管外科助教授を歴任。2004年に順天堂大学 医学部心臓血管外科助教授に就任し、当時の天皇陛下(現在の上皇)の心臓手術を行った天野篤教授のパートナーとして活躍。埼玉医科大学 心臓血管外科教授を経て、2017年より東京女子医科大学 心臓血管外科の主任教授に就任。現在、年間300症例もの心臓血管外科手術を手がけている。

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Q. 「血管病になるのは人間だけ」って、本当ですか?

A. 本当です

基本は人間だけで、野生動物には見られません。ただし最近は、人間に飼われているペットにも高血圧や糖尿病、そこに起因する血管病が見られます。でっぷり太った野生動物なんか、見ませんよね。やはり原因は、この飽食の時代がもたらす、過食や偏食なのです。

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Q. 男性と女性では、血管病のなりやすさに差はありますか?

A. 男性のほうがリスクは高い傾向があります

たとえば虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)では、男性の発症率は女性の2~3倍になるなど、男性のほうが血管病になりやすい傾向にあります。これは、男性のほうが、外食が多かったり喫煙習慣があったり、血管病になりやすい環境が整っているためと思われます。このため男性のほうが30代~40代でコレステロール値が上昇しやすく、若い時期から動脈硬化が進みやすいようです。

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Q. 肉食が血液をドロドロにすると聞いたのですが、本当ですか?

A. 基本は食べてOK。種類や部位によります

肉の主成分である良質のたんぱく質は、体をつくる重要な材料であり、血管が若返る際の内皮細胞の材料にもなります。ただし、種類や部位によっては飽和脂肪酸が多いので、頻繁に食べると血液の濃縮度が上がってしまうのは確かです。牛肉ならバラやサーロイン、リブロース、豚肉のバラやロース、鶏肉の手羽などは脂肪分が多いので、たまに楽しむ程度がいいでしょう。牛や豚のヒレやももは、脂肪が少ないのでおすすめです。

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Q. 血管病と歯周病が関係あるって聞いたのですが、本当ですか?

A. 近年、歯周病は動脈硬化のサインとして注目されています

歯周には毛細血管が張り巡らされており、歯周の状態と体内を循環する血液の状態は、お互いを映し出す鏡のようなものです。血管に入り込んだ歯周病菌が、血管に炎症を起こすきっかけになっているという説もあります。血管内のプラークの中に歯周病菌が存在していることもわかっています。歯周病の人はしっかり治療してください。

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Q. 若くてもなる血管病があるって、本当ですか?

A. バージャー病という恐ろしい病気があります

中年以降の病気のイメージが強い血管病ですが、若くてもなり得る血管病もあります。その代表例が、20代~40代の患者が多い「バージャー病」。四肢の慢性閉塞性動脈疾患で、最悪の場合は四肢の切断に至ります。特定の原因は不明なのですが、この病気に罹患する人は9割以上がヘビースモーカーなので、タバコとの強い因果関係が疑われています。

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Q. 血管病には遺伝的な要素はあるのですか?

A. 血管病のリスク要因には遺伝的な要素があります

血管病そのものが遺伝するわけではありません。しかし、血管病の強いリスク要因である高血圧などの体質には、遺伝的な要素があります。たとえば両親とも高血圧の場合、自分も高血圧になる可能性は50%。それを左右するのが生活習慣です。遺伝を恐れるよりも、血管病になった人と同じようなものを食べ続けるリスクのほうがはるかに高いので、生活習慣の見直しをすることのほうがずっと重要です。

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(抜粋)

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TJ MOOK『心臓血管外科の名医が教える切れない! 詰まらない! 血管ほぐし』
監修:新浪博士

編集・原稿:油野 崇、奥津圭介
イラスト:石山綾子
写真:小島 昇(小島昇写真事務所)
WEB編集:FASHION BOX
TJ MOOK『心臓血管外科の名医が教える切れない! 詰まらない! 血管ほぐし』
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