辛酸なめ子が電車で目撃した白キャミ女子を考察! 生着替えまで披露した彼女はマッチングアプリに夢中……?

辛酸なめ子が若者の‟マッチングアプリ脳“を考察! 地下鉄で会ったあられもない姿の女性はもしや……

辛酸なめ子の覗き見♡ OL妄想劇場

『steady.』で連載中の「辛酸なめ子の覗き見♡ OL妄想劇場」。コロナ禍の影響もあり、マッチングアプリで恋人を探すことがニューノーマルになりました。そんななか、なめ子さんが電車内で見かけたひとりの女性。彼女もまた、マッチングアプリに精を出していたのかもしれません。

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合コンからマッチングアプリへ……若い世代の出会い方の変化

先日、20代前半の女性と話していたら「合コン」をやったことがないと話していて時代の変化を感じました。かなり上の世代が「合ハイ」(合同ハイキング)をやっていたという話を聞いて、何その風習と笑っていたのが、若い世代からブーメランが返ってくることになるとは……。

合コンをしても出会う人はランダムで、短時間ではその人の性格がわかりにくいです。また合コンで面白い人だったのにデートしてみたら意外と無口でつまらなかった、というケースも多く、若い世代は非効率的だと考えているようです。私の昔の経験を思い出してみると、合コンで面白い人や素敵な人と出会ったこともなく、一切何も発展しなかったので、確かに効率悪いかもしれません。女友達が、合コン相手の男子に失礼なことを言われてブチ切れて割り箸を折ったとか、そんな気まずい思い出がよぎります……。現実問題、今はコロナ禍で宴会も難しくなってしまいました。若者世代は、合コンで選択肢の少ない中から選ぶより、多数の候補から気になる人をお誘いして一対一で会ったほうがよい、と考える傾向が。マッチングアプリ「Dine」の運営会社による「婚活・恋活意識調査2021」というアンケート結果を見ると、最近新たにデートした人がいると答えた人のうち、出会い方のナンバー1は「マッチングアプリ」だそうです。やはり……。さらに恋人を探すうえで何を重視するか、という質問には、男性の1位が「顔が好み」、2位が「体型が好み」、女性の1位が「経済力がある」、2位が「顔が好み」と、男女それぞれの本音が表れた回答でした。男性側からの見た目の要望がシビアなので、女性は写真写りに気合いを入れがちだとか。最近は、マッチングアプリ掲載用の写真を撮る専門のカメラマンがいて、代官山とかで自然な写真を撮影してくれると聞きました。好感度とマッチング率を左右するので写真はかなり重要です。

地下鉄の中にあられもない姿の若い女性が……。周囲の乗客は困惑気味

写真といえば先日、地下鉄の中で扇情的な格好の若い女性を目撃しました。平日のお昼頃、乗り込んできた女性はトップスが白いキャミソール一枚。もう秋になりかけの季節で、しかも白なのでインナー感が漂っています。ユニクロのエアリズムをトップスとして着ているのに近い感じです。ボトムが黒いカッチリしたパンツなのでなおさら不思議なミスマッチ感が。マスクをしていますがキレイめの印象です。おじさんの乗客など目のやり場に困っている感じでした。

でも彼女は周りのことを一向に気にする様子もなく、タブレットとスマホを操作していました。タブレットには人気アニメのシールが貼られていて、クールな見た目とのギャップ感が。その画面が背後の地下鉄の窓に写り込んでいて、つい見るともなしに見えてしまったのですが……。タンクトップ姿をカメラマンに撮ってもらったらしい画像データが並んでいました。白いキャミソールはインナーなどではなく勝負キャミだったのです。こんな薄着でそのまま電車に乗ってきたのは、撮影の興奮が覚めやらぬままで、火照っていたのかもしれません。彼女はいったい何のための写真を撮ったのか、と思い、もしかして今はやりのマッチングアプリなのでは?というひとつの結論に至りました。白といえば恋活・婚活では重要なモテ色。白を着ていればまちがいないという説があります。さらにキャミソールの露出度で積極性をアピール。彼女がこの写真をアップしたら毎日たくさんの男性からリクエストが届きそうです。

彼女はいつの間にか長袖のトップスを上から着ていて、車内で生着替えまで披露。他の乗客は視界に入っていないようです。車内の乗客は自分の人生に無関係な他人で、マッチングアプリの中の人たちのほうが優先順位が高いのでしょう。白と黒のファッションから、物事のありなしを決断する能力が高そうな彼女なので、この中にはマッチング相手はいない、と車内を一瞥して察しました。全員まとめて「なし」の方にスワイプされた感じです。これからの若い世代は、彼女のように人間関係の見切りが早い「マッチング脳」になっていきそうな予感です。

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PROFILE/辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

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辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

漫画家、コラムニスト。皇室、セレブリティ、スピリチュアルなどの分野に精通。著書は『女子校育ち』(筑摩書房)、『セレブマニア』(ぶんか社)、『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』(宝島社)など。『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)は、日本のカルチャー要素をキーワードに、漫画タッチで構成されています。ツイッターのシュールボイスもお見逃しなく。@godblessnameko

 

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steady. 2021年12月号

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WEB編集/FASHION BOX

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