辛酸なめ子がマスク生活で見た人間模様とは? 美男美女は欲求不満!? 整形は今がチャンス!?

辛酸なめ子が整形美女に遭遇! ダウンタイムがバレない今の整形事情は……

『steady.』で好評連載中の「辛酸なめ子の覗き見♡OL妄想劇場」。今回はマスクが欠かせなくなった世界で、辛酸なめ子さんが街で見かけたさまざまな人間模様について綴っています。

『steady.』最新号を購入する!

 

時々見かけるノーマスクの人。もしかして承認欲求が……?

街の人出も大体もとに戻ってしまい、まさか、マスクなしの人を見かけたら恐怖を覚える時代が来るとは予想していませんでした……。マスクありでも声が大きい人には危険を感じます。先日、大学生男子たちが「ホウレンソウ、ホウレンソウ、ニンジン!」「ニンジン、ニンジン、ニンジン!」などと叫びながらお互い指をさし合う謎のゲームをしているところに遭遇。二回指をさされたら、別の言葉を叫ぶゲームだそうですが……。男子大学生は無邪気でしたが、その叫びを近くで浴びせられて生きた心地がしませんでした。

そして最近ちょっと気になるのがカフェや駅などでまれに見かけるノーマスク男子です。共通して、ちょっとイケメンという特徴が。思ったのは、コロナ前はイケメンは街を歩くと女性たちの視線を浴びていたのが、今回一切それがなくなり、承認欲求が満たされなくなってしまい、フラストレーションを感じているのかもしれないということ。イケメンもフツメンも区別がつかない今、イケメンとしてのメンツを満たすため、どうしても顔見せしたくなってしまうのかもしれません……。また、女性でも美女と誉れの高い人は透明のマウスガードで会食に参加することも。テレビのロケで芸能人がよく付けているけれど、スパコン「富岳」の計算では感染防御力は低いといわれているアイテム。隙間から飛沫が出入りできてしまいます。でも、美女としては自分の顔を透明のガードで見せないともったいない、という気持ちが働くのかもしれません。コロナウイルスでマスク生活が基本になって、ルッキズムからの部分的な解放というか、美醜の格差がほとんどなくなってしまいました。アイメイクをしっかりすれば誰でもそこそこ美人に見えるので、誰もが平等、という世の中に……。でも生まれながらの美男美女にとっては、欲求不満な状況なのかもしれません。

マスク生活で整形しやすいという現実も。カフェで聞こえてきた整形トーク

いっぽう、いつかマスクを取って堂々と顔見せできる世の中になる前に、お直しを済ませてしまおうという人もいます。夕方頃、恵比寿のカフェに行ったらおしゃれな若い女性ふたりが近くの席に座っていました。そのうち、主に話しているのは黒木華系の和顔の美人です。「失礼だけど、芸能人でそこまできれいな人っていないと思う」。そんな挑発的な発言が聞こえて気になって耳を傾けると、その黒木華似の女性は、完璧な美を求めて何度も美容整形をしてきているそうです。派手な目鼻立ちではないのですが、バレずに自然な整形ができているということかもしれません。「いわゆる整形顔ってきれいだと思わない。自然な感じでやりたい」と、黒木華似女子。「今はコロナでダウンタイムがバレないので、整形をやる人増えているんだって」だそうです。そして「私、おでこを丸くしたい」と、展望を語っていました。「痛みはどうなの?」と友人が素朴な疑問をぶつけると、「麻酔が切れたあとは痛いよね。ごはんは流動食だし」と、若干ドヤ顔で答えていました。「肉の場合はいいけど、鼻筋を直す場合、完全に骨なので」と、肉と骨の違いなどを語っていてリアルです。ちなみに整形でおでこにプレートを入れる人がいますが、今だと検温で体温が低く出てしまうのが問題な気がします……。

とにかく、黒木華似女子が今一番やりたいのは「人中を短くする」手術だそうでした。「人中にハイライトを入れると短く見えるけど、やっぱり整形したい。あと2.5ミリ短くしたい」なんと0.5ミリ単位で完璧な人中を算出しているとは……。ちなみに人中が長いと顔が間延びした印象になって、短いと顔がキュッと締まって美人に見えます。短い人で1センチ、普通の人で1.2センチ前後、それ以上だと長い印象に。たしかに短いと洗練されて見えますが、人相学的には人中が長いと「健康的で生命力にあふれ、運気も強い。社交的で人当たりもよい」とよいことずくめ。逆に短いと「健康に恵まれず、寿命が短い。根気や忍耐力がなく飽きっぽい」傾向にあるとか。美人薄命は人中の短さゆえだったのでしょうか。表面的な美しさをとって、試練の多い人生を送るか、人中が長いままで幸せに生きるか……究極の選択です。ちなみ彼女はその後アプリで自分の性別を変えて「結構かっこいい」とか言ってました。リスクを負って整形しなくてもアプリの写真加工でよいのかもしれません……。

辛酸なめ子がマスク生活で見た人間模様とは? 美男美女は欲求不満!? 整形は今がチャンス!?

辛酸なめ子が“オウム間接キス”を考察! 濃厚接触NGな新時代のコミュニケーション!?

辛酸なめ子、電車内のソーシャルディスタンスから都会人の知恵を学ぶ?

PROFILE/辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

辛酸なめ子がマスク生活で見た人間模様とは? 美男美女は欲求不満!? 整形は今がチャンス!?
辛酸なめ子(しんさん・なめこ)

漫画家、コラムニスト。皇室、セレブリティ、スピリチュアルなどの分野に精通。著書は『女子校育ち』(筑摩書房)、『セレブマニア』(ぶんか社)、『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』(宝島社)など。『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)は、日本のカルチャー要素をキーワードに、漫画タッチで構成されています。ツイッターのシュールボイスもお見逃しなく。@godblessnameko

『steady.』最新号を宝島チャンネルで購入!

 

六本木の探偵バーに辛酸なめ子が訪問! 別れさせ工作のやり方は……

辛酸なめ子がマスク生活のメリットを語る「思い出し笑いや気まずいトークには好都合」

辛酸なめ子が日本橋OLを覗き見! 実は社長の愛人!? 妄想が止まらない!


steady. 2021年3月号

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

WEB編集/FASHION BOX

RELATED CONTENTS

関連コンテンツ