「大人のオモチャは、今やウェルネスグッズらしい」『もっと話そう!Hello Femtech』プロジェクト Answer記事

「セルフプレジャー」って一体……??

「セルフプレジャー」という言葉を聞いたことがありますか? 一人で行う性的行為、いわゆる自慰、マスターベーションのこと。そう聞くと『恥ずかしい』、もしくは『いやらしい』『してはいけない』などと思う人もいるかもしれません。しかしフェムテックの広がりとともに「セルフプレジャー」は、女性の心身に様ざまなメリットをもたらしてくれる「セクシャルウェルネス(性の健康)」として、新しい価値観へと変化しつつあります。今回は、フェムテック・ウェルネスメディア『WOMB LABO』ディレクター岡本佳央理さんに「セルフプレジャー」について、お話伺いました。

「大人のオモチャ」から「プレジャーテック」への変遷

━━「大人のオモチャ」という言葉から連想されるのは、禁断の、そして卑猥なイメージ。「セルフプレジャー」についての認識は少しずつ変化しているとはいえ、まだまだ女性同士でも話す機会は少なく、ましてやその行為自体に罪悪感を抱く人もいるかと思います。

岡本さん 数年前までバイブレーターといえばアダルト先行の「大人のオモチャ」。男性目線で作られたものばかりで、女性が自分のために買う場所もありませんでした。しかし近年では、「セルフプレジャー」という言葉が生まれ、バイブレーターも「プレジャーテック」などと呼ばれるようになり、女性が女性の体のために開発し、どんどん進化しています。海外では、セレブが開発に携わったり、セフォラなどのコスメショップで一般的に陳列されているなど幅広く浸透している印象です。昨年、伊勢丹新宿店の1Fでポップアップショップを開いた際は、多くの女性客が自分の体のために好意的に購入していく姿を見ることができました。

感じることは「いけないこと」でも「恥ずかしいこと」でもない

岡本さん ご存じの通り、性欲は三大欲求のひとつ。それはパートナーがいてもいなくても体の中に備わっているものなので、恥ずかしがることも、なかったことにする必要もありません。とはいえ、自分自身の性器に触れたことは一度もない、という人もまだまだ多いのではないでしょうか。女性の膣まわりは、快感を起こさせることによって粘液が出るので、快感の仕組みを知らないと必要な時に潤わず、性行為が苦痛になることも。最近は若くても膣が乾燥している、また今まで一度もオーガズムを得たことがない、という話もよく耳にします。

セルフプレジャーが女性の体にもたらす多くのメリット

岡本さん セルフプレジャーでオーガズムに達することで「オキシトシン」や「B-エンドルフィン」といった幸せホルモンが分泌され、リラックス状態になることも知られています。そもそもバイブレーターとは、19世紀末のイギリスで女性のヒステリーを治す医療用の器具として、ドクターが開発したものです。女性ホルモンの分泌による心の安定とオーガズムが深く関係していることがわかりますね。映画『ヒステリア』ではその秘話を実録しています。
また、オーガズムでは自分の意思で動かすことのできない「不随意筋」も刺激されるため、この筋肉を動かすことで、オーガズムのトレーニングにもなります。膣まわりの筋肉を振動させて、血液の循環もよくしてくれるので、冷えが解消されたり免疫力が高まったり、というお声も聞きます。

岡本さんがおすすめする最新プレジャーテック

「伊勢丹新宿店でのポップアップショップで一番人気でした」(岡本さん)一見では何かわからないシャープなデザイン。4段階の振動が調節でき、繊細な刺激を楽しめる。「CRAVE」Vesper ¥13,200(WOMB LABO)

「形のバリエーションが豊富で、自分の体の仕組みを探求していくように楽しめるブランドです」(岡本さん) 中でも人気なのは、性感帯に狙いを定めたマッサージを可能にするタイプ。「smile makers」The Tennis Pro ¥6,600(WOMB LABO)

「シンガーのリリー・アレンとのコラボも話題になった有名プレジャーテックの進化版」(岡本さん)生分解性プラスティックで作られていて、地球にも体にも優しい。「Womanizer」 Premium Eco ¥27,500(WOMB LABO)

教えてくれたのは……岡本佳央理さん

植物療法士・森田敦子さんと共に、デリケートゾーンケアブランド『アンティーム オーガニック』の開発・ローンチに10年以上携わった後、生理痛、更年期障害、セックスレスといった悩みに応えるメディア『WOMB LABO』(https://womblabo.com/)のディレクターに就任。プライベートでは3児の母であり、子世代にも伝わるフェムケア・性教育の啓蒙を行っている。

宝島社では女性誌11誌男性誌2誌、計13誌合同によるフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Hello femtech」を2021年12月25日より始動しました。
フェムテックの認知度向上を通じて、女性の健康問題に係わる具体的な話題を話す機会を増やすことで、女性がより活躍できる社会に繋げ、ひいては男女関係なくヒトが生きやすい社会を目指すための活動です。

Hello Femtech 特設ページはこちら
https://fashionbox.tkj.jp/femtech

取材・文=吉田彰子

 

 

 

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