ロレックス創業者のブランド「チューダー」最新作・レンジャーの進化を時計ジャーナリスト・菅原茂が解説！

時計を知る

『MonoMaster』で連載中の「時計を知る」。今回はチューダーの最新作「レンジャー」の魅力を時計ジャーナリストの菅原茂さんにうかがった。

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＜TUDOR＞チューダーのレンジャー

チューダーの「レンジャー」はロレックスの進化論“最新が最良”に当てはまる!? 魅力を時計ジャーナリストが解説 — ￥371,800
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ブラックダイアルは1965年の「レンジャー」を再現するヴィンテージデザイン。100m防水のケースは着けやすい39mm。また自社製の自動巻きムーブメントMT5402は、スイス公認クロノメーター認定に加え、腕時計として組みあげた状態で日差が－2～＋4秒という高精度を達成し、シリコン製ひげゼンマイや約70時間のパワーリザーブが備わる最新鋭だ。

ツールウォッチの現代的進化

スイスのチューダーは、ロレックスの創業者ハンス・ウイルスドルフが、ロレックスの技術と信頼を持って、確固たる品質と先駆性を備えた腕時計を創りたいという思いで設立され、とりわけプロ仕様の実用的なツールウォッチの分野で大きな足跡を残したことでも知られるブランドだ。

最新作の「レンジャー」は、英国海軍による北グリーンランド遠征探検70周年を迎えた2022年にツールウォッチの伝統と冒険精神を称えて発表されたモデルである。実際1952年から54年の遠征で英国の科学者や海軍隊員の腕に着けてテストされたのは、チューダー初の自動巻き機構と防水性を併せ持つ「オイスタープリンス」だった。過酷な環境下で優れた性能が実証されたツールウォッチの伝統は、1960年代に「レンジャー」の名を冠した高機能スポーツウォッチへと受け継がれる。

今回の「レンジャー」では、60年代モデルの特徴的なデザイン要素を取り入れながら、ダイアル、外装、自社製ムーブメントなどあらゆる面でハイクオリティを追求し、しかも手に取りやすい価格を実現しているところが実に魅力的だ。「最新が最良」とはロレックスの時計創りについてよくいわれることだが、この進化論はチューダーにも見事に当てはまる。