外出自粛や行動制限など、少しずつは緩和されてきたけれど、まだ完全に今まで通りの生活とは言い切れない昨今。
この数年でパートナーとのスキンシップが減ってしまったという人や、今までのセックスライフが変わってしまったという人もいるのでは?
けれども、性的なスキンシップが満たされない日々が続くと、欲求不満のストレスが蓄積されていく一方に。
セックスはふたりの信頼を深めて幸せな気持ちになれる愛情表現のひとつ。お互いが不安なく安心してセックスを楽しむためにも、今こそ “セーファーセックス” について正しい知識を持とう。
今回 “セーファーセックス” について教えてくれたのは……
「ラブピースクラブ」代表
北原みのりさん
Profile
きたはら・みのり●作家・実業家。1996年にフェミニズムの視点で日本初のフェムテックショップ「ラブピースクラブ」を設立。2021年からはシスターフッド出版社「アジュマブックス」を起ち上げる。著書も『日本のフェミニズム』『性と国家』(共著/ともに河出書房新社)など多数。
そもそも「セーファーセックス」ってどういうこと?
その名の通り、『より安全なセックス』のこと。性感染症に感染したり、感染させたりする可能性をできるだけ減らすように工夫しながらセックスすることが大事。性感染症は、セックス、オーラルセックス、アナルセックスにより、体液や血液が傷口や粘膜に触れることによって感染します。特に、オーラルセックスでは喉や口の中に感染することがありますが、予防の必要性がほとんど知られていないのが現状。オーラルセックスでも接触を防ぐバリアーを使うことが大切。正しい情報やグッズを身につけて、セックスを安全で楽しいものにしよう。
性感染症(STD)とは?
性行為で感染する病気の総称。また英語では、STD(Sexually Transmitted Diseaseの略)とも言われる。ウイルス、細菌の接触感染により引き起こされるもの。ひと昔前までは「性病」と呼ばれてたが、現在は法改正により性感染症(STD)という名称で呼ばれるようになった。
どうやって感染するの?
セックスだけでなく、オーラルセックス、アナルセックス、ディープキス(相手が咽頭感染している場合)でも感染します。他者との性経験があれば、その回数にかかわらず感染する可能性はあります。誰にでも感染する危険性があるからこそ、予防することがとても大切。
主な性感染症(STD)とその症状は?
- 性器クラミジア感染症
クラミジアは日本で最も多い性感染症。感染すると、男性は尿道炎の症状を引き起こします。細菌が尿道を通って前立腺や精巣まで入りこんでしまうと、前立腺炎や精巣上体炎を引き起こすことも。女性は無症状のケースが多いですが、おりものが増えたり、生理痛のような痛み、不正性器出血などの症状がある。進行すると骨盤内炎、卵管炎などになる可能性も。
- 淋菌感染症(淋病)
オーラルセックスで感染する率が高い。感染すると、男性は尿道から黄白色の膿が出たり、排尿痛、かゆみ、違和感を感じることが多い。女性は無症状のケースが多いが、おりものが増えて緑黄色になったり、尿道から膿が出ることがある。進行すると子宮内膜炎、卵管炎を起こすことも。
- トリコモナス症
トリコモナスという原虫によって起こる性感染症。男性はほとんど無症状のケースが多いが、尿道炎や前立腺炎を起こす場合も。女性は、悪臭がする泡状のおりものが出てきて、膣炎を起こし、陰部がかゆくなったり痛くなったりする。性交の時や排尿時に痛みがあることも。無症状のケースもある。
- 梅毒
梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することが原因。無症状のケースや、症状が現れたり、自然に消えたりを繰り返すこともあり、治療しないと病気が進行する。感染すると男女共通して、第1期は、性器、肛門、唇などにしこりができ、第2期は、全身に小さな斑点が多数できる。通常はこの段階までで、発見および治療が行われるが、適切な治療を行わずにそのまま放置してしまうと第3期梅毒へと進行。
- HIV感染症
HIVに感染してもすぐにエイズを発症するわけではない。感染して2~4週間経過すると、発熱、のどの痛み、筋肉痛など、風邪やインフルエンザに似た症状が出てくる。これらの症状は数日から数週間で自然に消え、その後は何も症状の出ない時期が数年続くので感染に気づきにくい。
不安を感じたら医療機関へ!
性感染症(STD)は治療ができる。症状があったり、少しでも不安を感じたら、医療機関で受診しよう。病院に行くのがいちばんだが、「行きにくい」などの不安がある場合は、近くの保健所や保健局などにまずは相談を。また、必ずしも自覚症状があるとは限らないため、感染した人が気づかないままパートナーに感染させてしまうことも。早期に治療を始めることで重症化を防げるので、定期的に検査を受けることが大事。
性感染症(STD)を予防するには?
《セーファーセックスの基本はペニスの洗浄》
セックスは粘膜の触れ合いだからこそ、リスクはつきもの。なるべくリスクを軽減するためにも、“大切なのは洗うこと”。ペニスを洗わずにそのまま口に含ませたりすることをプレイのように楽しむのは厳禁。皮膚や粘膜に繁殖するヒトパピローマウイルスは、挿入行為がなくても、コンドームをつけていても感染し、女性の子宮頸がんのリスクを高める。防ぐためには、まずはペニスや指を徹底的に洗うこと。女性の膣内は洗浄できないし、むしろ常在菌を減らしてしまうためしてはいけないこと。また、爪を切る、口の中を清潔にすることもセーファーセックスの基本中の基本。
《接触を防ぐバリアーを使うこと》
粘膜や傷口から血液や精液、膣分泌液が入り込まないように、コンドームを始めから最後まできちんと使うことが、性感染症(STD)を予防するためにも大切。フェラチオやクンニリングスなどのオーラルプレイでも、口などの粘膜が精液や膣分泌液に直接触れるので感染の可能性がある。フェラチオのときは最初からコンドームをつけ、クンニリングスのときはデンタルダム(フィルム状のシート)などを使うこと。
RECOMMEND ITEM 01
オーラルセックス用のラテックスシート
ヴァギナやアナルなどのデリケートな場所にピタリと張りつけるようにして使う。皮膚の感覚や温かさを感じられる薄さだから、他にはない密着感を感じられる。厳しい基準のなか認可された最高品質のダムで、人体にも環境にも優しい配慮がされている。表面にサラサラの甘いパウダーがまぶされていて、パウダーがまぶされている面が舐める側。ストロベリーとバニラフレイバーから選べる。
RECOMMEND ITEM 02
彼女の心配を取り除きプレジャーの要素もアップ!
ラテックスを下着にした「Lorals(ローラルズ)」をはいてもらうことで、舐められている感覚はそのままに心配を取り除ける。有害な化学物質を含まない高品質のビーガンラテックスを使用。非常に薄く、肌にぴったりと密着するように伸縮するため、パートナーの舌の動きを、感触を、温度を感じることができる。ほんのり香るバニラフレイバーでプレイをポジティブに。伸縮性が高いので、このワンサイズでXSからXLまで幅広いサイジングに対応。相手のサイズがわからなくても大丈夫なのでプレゼントにも最適。
RECOMMEND ITEM 03
傷つきやすい場所を守る指につけるコンドーム
ささくれや伸びた爪などで、柔らかな膣やアナルを傷つけてしまわないように使いたいのが、指につけるコンドーム。ゴムの色は透明で、「0.06mm」と薄く、まるで指に何もつけていないかのように自然なつけ心地。むしろ、このつるつるとした質感が心地よく、素肌よりも気持ちいいと感じるほど。フルーツフレーバーのシリコンオイルがついていて、指にスルスルと楽にはめることができる。まごついてせっかくの雰囲気を壊してしまう心配もなし!
「性感染症(STD)の可能性を考えると、セックスに絶対の「安全」はありません。けれど、パートナーと丁寧に話し合って、“セーファーセックス” をどうしていくか話し合うのは大切なこと。より安心なセックスを楽しめるはずです。セーファーセックスは、性感染症(STD)だけでなく、避妊を考えるうえでも大切です」(北原さん)
今回紹介したアイテムが買えるのは……
LOVE PIECE CLUB ラフォーレ原宿
最先端の生理用品やフェムテック、フェミニストブック、プレジャートーイなど、女性のライフスタイルを応援する商品が並ぶ。日本で初めての本格的な女性のためのフェムテックショップ。ジェンダーやセクシュアリティにまつわるブックコーナーも充実。
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6ラフォーレ原宿 B0.5F
電話:03-3475-0411
HP:https://www.lpc-laforet.com/
営業時間:11:00~20:00
information
5月28日の世界月経衛生デーを含む1週間、5月25日(水)〜31日(火)にラフォーレ原宿2階にて『ゲッケイパーティー 自分の身体を祝福しよう!』を開催。月経用品や、デリケートゾーンケア用品、初めてのプレジャートーイ、生理中にリラックスできる下着や部屋着なども取り揃えている。3000円以上お買い上げの方には、森永製菓の人気お菓子ハイチュウのオリジナルデザイン「ゲッケイチュウ」を先着500名様にプレゼント。
https://www.laforet.ne.jp/pop_up_shop/gekkei_2205/
TEXT_ERIKO SUZUKI