(2020年1月24日 更新)
季節の変わり目もあいまって、疲れていませんか?40代半ばになれば疲れているのは当たり前と諦めるのは危険。“大人の疲れ”には病気が隠れていることもあるのです。
今回は、甲状腺の病気の原因や症状、解決方法について、産婦人科専門医の吉野一枝先生に伺いました。
≪目次≫
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教えてくれたのは……
よしの女性診療所 院長
吉野一枝先生
【Profile】
全世代の女性の健康を社会的環境なども含めて理解し、治療プランを提案してくれる産婦人科専門医。
更年期の症状とそっくり!血液検査で診断がつきます
甲状腺はのどぼとけのすぐ下にある器官で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺の病気は甲状腺ホルモンが過剰になるバセドウ病と、ホルモン分泌が低下する橋本病の2タイプに分かれます。ほかに良性の腫瘍やがんなどもあります。
どれも首の前側が腫れるのは共通ですが、症状は更年期症状と酷似しています。バセドウ病では元気で汗をかきやすい、でも疲れやすい。橋本病ではうつっぽくなる、だるくて疲れやすい、もの忘れがひどくなる。どの症状も更年期障害と同じです。橋本病はうつ病と間違われることも多いので注意が必要です。
しかも、甲状腺の病気は40代以降の女性に多く発症する病気で、更年期のせいと放置されやすい。この病気の存在を知っていないと気づきにくい疾患だと思います。
私のクリニックでは更年期の相談にいらしたら、女性ホルモン値と同時に甲状腺ホルモンもチェックしています。時々、異常値が出る患者さんがいるので甲状腺治療の専門病院に紹介しています。それくらい更年期に発症する人が多い病気です。内科で相談してもいいと思います。
女性ホルモンと同様、甲状腺ホルモンも自分で分泌量をコントロールできるものではありませんから、専門医にかかって速やかに治療を受けるのが最善策です。
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▶▶リウマチや膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫疾患にもなりやすい
更年期あたりから関節リウマチや膠原病、シェーグレン症候群といった自己免疫疾患にかかる女性が増えます。それは全身の免疫系統を守ってきた女性ホルモンが減ることで、守りが手薄になるから。こうした病気にかかりやすいことも知っておくと早期発見につながります。
あなたは首が太くなっていない?セルフチェック
□ 首が腫れる
□ 汗をかく
□ 疲れやすい
□ 気分がうつうつとする
□ 動悸がする
□ 体重が減る
□ 元気が出ない
□ 体重が増える
□ 便秘がちになる
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体験談「婦人科で甲状腺の異常が発覚」
“更年期かな?”と思って行った婦人科で甲状腺の異常が見つかり、専門病院へ
40代後半でホットフラッシュとだるさに加えて、目と鼻、口が猛烈に乾燥して辛かったので婦人科へ。そこで受けたホルモンの検査で甲状腺ホルモンの異常が見つかりました。更年期治療で人気のクリニックだったので、甲状腺もチェックしてくださったようです。
甲状腺の専門病院では問診と採血、首の前側のエコー検査を受けました。結果は一時的にホルモン値が下がっていただけとのこと。治療には至りませんでしたが、専門病院の患者さんは同世代以上の女性ばかり。女性に多い疾患だということを目の当たりにしました。
(ライターK)
病院での治療は……
専門医や専門病院での治療を。飲み薬で改善することがほとんど
婦人科や内科などを受診して血液検査で甲状腺ホルモンをチェック。異常があれば甲状腺の専門医や専門病院などに紹介します。専門医は詳細な検査をして再チェック。様ざまな数値やエコー画像などを総合して診断し、状態に応じて適切な薬物治療を行うのが一般的です。
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イラスト_MAIKO SEMBOKUYA
取材・文_黒川ともこ
編集_FASHION BOX、安藤彩紀[vivace]
(GLOW 2019年9月号)
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