(2020年1月30日 更新)
季節の変わり目もあいまって、疲れていませんか?40代半ばになれば疲れているのは当たり前と諦めるのは危険。“大人の疲れ”には病気が隠れていることもあるのです。
今回は、更年期症候群の原因や症状、解決方法について、産婦人科専門医の吉野一枝先生に伺いました。
≪目次≫
【オススメ記事】
もしや更年期!? 寝ても疲れが取れない時どうする?
教えてくれたのは……
よしの女性診療所 院長
吉野一枝先生
全世代の女性の健康を社会的環境なども含めて理解し、治療プランを提案してくれる産婦人科専門医。
更年期だと、あちこち調子が悪くて、すぐに横になりたくなる?
ひとつの症状だけでなく、あっちもこっちも調子が悪くなるのが更年期症候群の特徴です。下のSMI(更年期指数)チェックをするといまの自分の状態がわかります。このほかにも頻尿や尿もれ、デリケートゾーンが乾いてショーツが張りつくような不快感がある、シミが急増する、抜け毛や白髪が気になりはじめるといったことも更年期に感じることが多い変化です。
更年期症候群は日常生活に支障をきたす状態のことを指しますが、閉経前後の女性のほとんどは何かしらの症状を感じるはず。疲れが尋常じゃないとか、眠りの質が悪くていつも眠い、頭の回転が鈍くなったなど困りごとがあれば更年期の治療を行っている医師に相談してください。
更年期症状が起きる原因はおもに女性ホルモンの分泌量の低下ですが、そこに年齢による気力、体力、代謝の低下なども絡んできます。更年期世代は子どもの進学・就職、親の介護、職場で責任ある立場に立たされるなど、負荷がかかってくる世代です。それが大きな要因となって症状を重くすることが多いのです。
なんでも更年期だからしょうがないと我慢することはありません。症状がちょっとでもあれば躊躇せずに婦人科で治療を。もやが晴れないようなどんよりとした不調があるなら市販薬やサプリメントを試してみるのもよいと思います。
▶▶血液検査で女性ホルモンの状態がわかる!
40代後半で生理の様子が変わってきたらそろそろ更年期突入ですが、もっと早く更年期症状が出ることも。40代前半でも原因不明の不調が噴出したら女性ホルモン値を測ると自分の状態を知ることができます。
【オススメ記事】
更年期に用心すべき2大がん
まずは自分の更年期症状の程度を知ろう
【SMIチェック表】
各項目の症状の強さを弱、中、強の中から選んで丸をつけて合計すると、更年期症状の程度がわかります。症状がない場合は0点です。
【SMIの評価】
0~25点:異常なし
26~50点:食事、運動に気をつけ、注意を
51~65点:更年期・閉経外来を受診しましょう
66~80点:長期間にわたる計画的な治療が必要
81~100点:各科の精密検査にもとづいた長期の改革的な治療が必要
簡略更年期指数・小山ら 1992
【オススメ記事】
更年期で受けるべき検査を女医が解説
気になる更年期症状はこれで解決!
【1】市販薬を飲む
更年期向けの市販薬で症状が改善することも
薬剤ごとに特色があるので、薬剤師さんに相談して選ぶのが賢明です。数か月飲んでも症状が改善されないようなら、医師に相談することをおすすめします。
13種類の生薬とビタミン類の複合薬。更年期障害、のぼせ、肩こり、動悸などに。
命の母A 第2類医薬品 420錠 2600円(小林製薬)
体力中等度またはやや虚弱な方の、ホットフラッシュなどの更年期障害を改善する漢方薬。
ルビーナ 第2類医薬品 180錠(20日分)3080円(武田コンシューマーヘルスケア)
【2】サポートアイテムを活用
大豆イソフラボンから一歩進んだサプリ
女性の健康に役立つとされるイソフラボンですが、大豆を食べても恩恵を受けられない日本女性は約半数。そのパワーの源「エクオール」という成分が注目されています。
大豆を乳酸菌で発酵させて作った、大豆由来のエクオール含有食品。
エクエル 112粒(1日4粒目安・28日分)4000円(大塚製薬)
エクオール、コラーゲン、カルシウムなど女性にうれしい成分が1袋で摂れるさわやかオレンジ風味のゼリー飲料。
エクエル ジュレ 100g 250円(大塚製薬)
【オススメ記事】
「眠れない」「疲れやすい」は女性ホルモン不足?
【3】病院で治療
婦人科ではホルモンを補ったり、漢方薬を処方してくれる
更年期症状のおもな原因は女性ホルモンの急激な減少。ですから、女性ホルモンのエストロゲンを補充すると様ざまな症状が改善します。症状と心と体の状態を示す「証」に応じて漢方薬を処方することも。どちらも健康保険が適用されます。
<HRT>
錠剤の飲み薬、ジェル、パッチなどで女性ホルモンを補うため、効きがよい。しぶとい冷えや肩こり、腰痛、便秘などがあれば補助的に漢方薬を使うことも可能。
<漢方薬>
3大婦人薬とされる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を「証」に合わせて処方するほか、慢性的な症状を改善する漢方薬を処方することも。
【オススメ記事】
薄毛やデリケートゾーンの乾きをセルフケア
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
イラスト_MAIKO SEMBOKUYA
取材・文_黒川ともこ
編_FASHION BOX, 安藤彩紀[vivace]
(GLOW2019年9月号)
【いま読まれている人気記事】
男はぽちゃ好き?マシュマロボディの作り方
デリケートゾーンの匂い&黒ずみ対策
結婚って本当にしたほうがいいの?[恋愛指南塾]
女医に聞いた大人のニオイが独特なワケ
納豆を食べるなら朝と夜、どっちが健康にいい?
更年期障害の予防にはアーモンド!?