暖かくなり、汗ばむ日も増える春は、自分のにおいが気になり始める季節。においが人の印象を左右することもしばしば。適度なケアで快適な日々を送りましょう。
教えてくれたのは……
桐村里紗 先生
内科医・認定産業医。予防医学を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学などをもとに、講演や執筆などを行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか』(光文社)がある。
環境 〜現代の日本の社会はにおいに不寛容〜
消臭剤や芳香剤などにおい対策の商品が、ここ数年、続々と登場しています。多くの人がにおいに敏感になっている証拠。
「先進国になるということは、社会全体、人も街も清潔になるということ。ところが清潔になりすぎたために、においに過剰反応する人が増えてしまい、ますますにおいに不寛容な社会になっています。しかし、生きている限り誰にでもにおいはあるので、あまり過敏にならず、他人を不快にさせない程度にケアをしましょう」(桐村先生)
生活習慣 〜ストレス、食生活が大きく影響〜
「体のにおいは、生活習慣も大きく関係しています」という桐村先生。特にストレスフルな生活や食事の欧米化がにおいの原因になっているのだとか。
「ストレスで体や心が緊張状態になると交感神経が優位になります。すると、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンが分泌され、活性酸素を発して体の酸化が進むことがにおいの原因に。食生活では肉食化が進んだのと同時に、野菜や雑穀など食物繊維の摂取が減ったことで腸内環境が変化。腸内が腐敗しやすくなることで口臭の原因に」(桐村先生)
加齢 〜女性ホルモンの低下で体臭も変わる〜
50代はホルモンの転換期。加齢に伴う女性ホルモンの減少で体臭も変化します。
「女性ホルモンは、最大の抗酸化物質。体や肌に潤いやハリをもたらす働きもあります。ところが更年期になり女性ホルモンが急激に減少するとこうした働きが弱まり、独特の体臭の原因に。男性と同じ加齢臭が発生するほか、膣内が乾燥しやすくなることで発生する、膣のにおいが気になり始める人が増えてくるのもこの世代の特徴です。女性ホルモン対策も、においケアのひとつと言えるでしょう」(桐村先生)
その他の大人のニオイ対策の記事はこちら!
>>口臭の意外すぎる原因3つ
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illustration:Nagisa Hamada
text:Mie Minezawa
edit:Satoko Ishikawa[vivace]、FASHION BOX
(大人のおしゃれ手帖 2019年5月号)
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