記憶力はオランウータン並!? 猫の不思議行動の理由に迫る!

記憶力はオランウータン並!? 猫の不思議行動の理由に迫る!

はるか昔から人間と一緒に暮らしてきた猫。その分、猫にまつわるエピソードや伝説も数多く存在しています。ここでは猫にまつわる雑学、ちょっとした小話をご紹介しましょう。

教えてくれたのはこの方

野矢雅彦(のや まさひこ)

ノヤ動物病院院長。日本獣医畜産大学獣医学科卒業。1983年にノヤ動物病院を開院。ペットの診察・治療はもちろん、動物と人とのよりよい関係を作るために幅広く活動中。ペット関連書籍の執筆・監修も多く手がけています。病院ではパピークラス、しつけ相談開催の他、ペットの預かりにも対応しています。

ノヤ動物病院
埼玉県日高市上鹿山143-19 TEL:042-985-4328

猫にまつわる不思議な話

記憶力はオランウータン並!? 猫の不思議行動の理由に迫る!
出典: FASHION BOX

猫は甘味を感じない

犬を飼ったことがある人はご存じかもしれませんが、犬は比較的甘いものが好きです。アイスクリームやクリーム類、果物が好きな犬は多いでしょう。飼い主さんがケーキなどを食べていると急いで寄ってくる犬の話もよく聞きます。これは舌に甘味を感じる部分があるからです。一方、猫の舌には甘味を感じる部分がありません。そのため飼い主さんのケーキや果物には無反応のはずです。野生時代の猫は肉食に特化して生きてきたため、次第に甘味を感じる必要がなくなっていったからだといわれています。反対に、肉が腐っているかどうかを判断するために酸味を感じる味覚が発達しているといわれます。

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なぜ猫は家電の上に乗るの?

よく聞くのが冷蔵庫やパソコンの上に乗る猫の話です。またパソコン本体ではなくてキーボードに乗る子も多いようです。基本猫は暖かい場所が大好きですから、ほんのり暖かい家電が心地よいのかもしれません。また、冷蔵庫など背の高い家電の場合、部屋を見渡せる高所にいるという安心感もあるのでしょう。

一方、お風呂場に侵入する猫のエピソードも多いようです。これもおそらくお風呂場が暖かいからでしょう。とくにフタの上でうとうとしているなら、ほんのりした暖かさが気に入っていると思われます。また、猫の中には流水に興味を持つ子がいるので、それでお風呂場が気になるのかもしれません。

猫が隙間に前脚を入れるのはなぜ?

猫飼いの中でよく聞くのが、トイレに入っているとドアの下の隙間から猫の前脚がにゅっと出てくる、という話です。その他、ベッドの下の隙間から出てきたり、カゴの編み目に前脚を突っ込んだり、といった話も聞きます。なぜ猫は隙間に前脚を入れたがるのでしょうか。実はこれも野生時代の名残といわれています。野生時代の猫は小鳥や小動物を捕まえるために木や土の穴に前脚を入れて、獲物を探っていたのです。その本能が残っていて、隙間や穴に前脚を突っ込みたくなるのでしょう。ちなみに前脚に引っかけてスリッパやマットを持っていこうとする猫もいるとか。獲物に見立てているのかもしれません。

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なぜ「あご乗せ」しているの?

猫が、ベッドのフチやソファの肘掛けにあごを乗せている姿を見たことがありませんか。これが通称「あご乗せ」です。猫のあご下にはにおい物質を出す臭腺があります。家具や人に顔をすりつけるのと同様に、あごを乗せることでにおいをすりつけ、自分のテリトリーだと主張しているのでは、といわれています。一方、あごを落とした状態というのは、簡単には動きにくい状態です。警戒心の強い猫があご乗せしているならば、気が緩んでいる証拠でしょう。あご乗せしたまま寝ているなら、心からリラックスしていると考えられます。なお、猫は柔軟性が高いので、少々変な体勢で寝ても寝違えたりはしません。

猫の記憶は16時間も持つ

アメリカ・ミシガン大学で犬と猫の記憶実験が行われました。こんな内容です。

■実験内容■
①たくさんの箱を並べて、ランプが点灯した箱の下にだけ食べ物があることを犬、猫に覚えさせる

②ランプを短時間消す

③犬、猫がその箱にたどり着けるかを調べる

なんと犬は5分で箱の位置を忘れてしまいましたが、猫は16時間も覚えていたそうです。この記録は知能の高さで有名なオランウータン並みだとか。

もちろんこの実験だけで犬の記憶力が猫よりも劣っているということにはなりません。一説によると、集団行動する犬は反復練習(いわゆるトレーニング)で物事を記憶するのに対し、猫は1匹で生活するため一度で記憶する必要があったから、といわれています。

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猫の身体能力の話

猫の身体能力はとても高いです。まず人間よりも格段に優れた耳と目。視力自体はよくありませんが、わずかな光さえあれば暗闇でも周囲が見えます。また、寝ていても音の出た方向に耳が動くほど、鋭敏な聴力を持っています。高い周波数も聞き取れるのは、ネズミの鳴き声に合わせたためといわれます。

何よりも圧倒的なのは、驚異のバランス能力でしょう。猫のジャンプ力はだいたい自分の体長の5倍程度。さらに3~4階の高さから落ちても、空中で華麗に回転して見事に着地します。これらのすばらしい身体能力も、1匹で生きていくために必要だったものです。家猫でも遊びやしぐさの随所にこれらを彷彿とさせる動きを見せることも。猫が「都会の野生動物」と称されるのも納得です。ただし身体能力には個体差があるので、イマイチうまくいかない猫、運動神経のにぶい猫もいます。

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(抜粋)

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TJ MOOK『幸せ猫の長生きBOOK』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295538
監修:野矢雅彦

編集/コサエルワーク
編集協力/高橋ヒカル、コダマユミコ
協力/森 瑞(4TuneBox)
執筆/市川知世子、小嶋ひろみ、東 志津
撮影/奧村くみ子
写真協力/PIXTA
編集/FASHION BOX
TJ MOOK『幸せ猫の長生きBOOK』
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