免疫力を高める方法|新型コロナウイルスに負けない体づくりを医師が伝授

体温を上げて免疫力アップできる体づくりを医師が指南

(2020年6月4日 更新)

「免疫力を上げる」。これは言い換えれば健康な体を作り、維持するということにほかならない。免疫力を上げる食生活について提言している石原新菜先生は、現代人の低体温化に着目している。今回は日常生活のひと工夫で低体温を改善し、免疫力を上げる方法を教えてもらおう。

≪目次≫
●体温が下がると免疫力と基礎代謝が下がる
●低体温を招く生活習慣はさまざま
●免疫力アップのためシャワーより湯船に浸かる入浴を
●免疫力を上げる方法・下げる方法
●このコンテンツの監修者は……

 

体温が下がると免疫力と基礎代謝が下がる

免疫力を上げる食生活について提言している石原新菜先生は、現代人の低体温化に着目している。
「体温が1度下がるごとに免疫力は約30%、基礎代謝は約12%下がることがわかっています。つまり病気にかかりやすく、太りやすい傾向を招くのです。低体温化は日本人全般にみられる傾向。日本人の健康は冷えにより蝕まれているといっても過言ではありません」(石原先生)

人間の体は36.5度から37度の体温でよく働く仕組みを持っている。低体温によって基礎代謝が低下するのは、消化・吸収・代謝を促進する酵素の働きが鈍るため。また、免疫力の低下は、免疫細胞である白血球の活動が鈍るためだが、酵素の働きによって左右される面も小さくない。
「低体温の原因はさまざま。軽視できないのが、過度のストレス、筋肉量の低下、体を冷やす生活習慣です」(石原先生)

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低体温を招く生活習慣はさまざま

過度なストレスは血行を悪化させる。一方、ストレスのないダラダラした生活も免疫力を低下させる。適度な緊張感のある規則正しい生活が望まれるゆえんだ。

蓄積したストレスを解消できる潤いを日々の暮らしの中に取り入れつつ、生活リズムを整えることが大切なのである。
「なるべく決まった時間に起きて、朝日を浴びることで体内時計はリセットされ、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が促されます。規則正しい生活リズムは、質のよい睡眠をとるための基本でもあります。理想の睡眠時間は7時間です」(石原先生)

眠っている間に分泌される成長ホルモンには、傷んだ細胞を修復したり、免疫機能の働きを強化したりする作用がある。また、体内時計が狂うと、免疫機能は乱れやすくなる。

運動不足も低体温を招く。体温の40%を生み出すのは筋肉。特に筋肉量の多い下半身を動かし、筋肉の質を維持することが重要だ。ただし、こちらもすぎたるは及ばざるがごとし。
「運動しすぎもよくありません。普段、運動不足の人の場合、1日1万歩は歩きすぎだといわれています。5000~8000歩、自分に適した運動量を保ちましょう」(石原先生)

また、低体温の原因となる生活習慣はほかにもある。
「まず、食生活の問題があります。暑い夏に限らず、冬でも冷たい飲み物をとる人は少なくありません。これは間違いなく低体温を招きます。できるだけ、体を温める食品をとってほしいと思います」(石原先生)

低体温の改善に役立つ食材の代表が、漢方でも重要視されるショウガ。石原先生はすりおろしたショウガを加えた甘酒や紅茶をすすめている。
「食生活においては、腹八分目を心がけること、食事の間隔も大切だと思います。私は食事と食事の間は5時間以上あけるべきだと考えています。空腹になる間もなく食べ続けると、消化器官が休みなく働き続け、血流は胃や腸に集中します。熱を生み出す筋肉などへ供給される血液が減少するために体温の低下を招くのです。適度に空腹の時間を作ることで白血球の働きを活性化させます」(石原先生)

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免疫力アップのためシャワーより湯船に浸かる入浴を

冷暖房過剰の生活環境とともに石原先生が心配しているのが入浴習慣だ。
「入浴は全身の血行をよくし、免疫細胞の働きを活発にする作用があります。入浴で汗をかいたら、体温は1度上がった証拠。このとき、免疫力は5~6倍まで上がっているといわれています。最近はシャワーだけですませる人が大変多くなりましたが、シャワーだけでは体の奥まで温まりません。体の深部の冷えを解消して、免疫力を上げるために、湯船にしっかりと浸かる入浴をおすすめします」(石原先生)

入浴効果を高めたいときは、「お湯に2~3分浸かる」→「シャワーで手足に冷水を数秒かける」という動作を数回繰り返すとよいという。

また、忙しくて湯船に浸かる時間のない人や、のぼせやすい人は、42度のシャワーを3分程度浴びるとよい。交感神経を刺激して、体が活性化する。

そして、免疫力を高めるために忘れてはならないのが気持ちだと、石原先生はいう。
「笑うことで免疫力は高まります。病気が流行し、不安な気持ちになりがちな時期こそ、心の底から笑って、ストレスと不安、できれば病気まで吹き飛ばしたいものですね」(石原先生)

これは精神論ではない。人間が生まれ持っている免疫の効果だ。

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免疫力を上げる方法・下げる方法

◎を積極的に行い、×には気をつけよう!

昼間に免疫力を上げる方法

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◎せかせか早歩き(生活習慣病に効果。認知症予防)
◎肩の上げ下ろし(肩こり知らずになり、体温も上昇)
◎階段をつま先で上がる(ふくらはぎ強化)
◎「ありがとう」を口ぐせに(幸せホルモンが活性化)
◎友人や仲間と楽しく話す(リラックスしてストレス解消にも)

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×運動をしない(筋力も免疫力も低下)
×激しすぎる運動(有害な活性酸素が大量発生。免疫細胞の活性低下)
×座りっぱなし(下半身の血流悪化で全身に悪影響)
×悪い姿勢(全身の筋肉に無理な負荷をかけてしまう)

夜に免疫力を上げる方法

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◎テレビやお笑い番組を見て笑う(NK細胞の活性化。ストレス解消)
◎泣ける映画を鑑賞(ストレス解消。デトックス効果)
◎歌う(歌ってリラックス)
◎質が高くて深い眠り「ノンレム睡眠」(免疫力を高める成長ホルモンの分泌)
◎理想は7時間睡眠(5時間以下だと心血管系の病気などを発症しやすいという研究結果がある)
◎汗をかく(体温1度上昇で免疫力は一時的に5~6倍に)

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×サッとシャワーを浴びる(体の深部までは温まらない)
×寝酒(就寝中に覚醒しやすく、睡眠の質が低下)
×就寝前のスマホ使用(交感神経が刺激されて睡眠の質が低下)

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イシハラクリニック副院長
石原新菜先生

【Profile】
帝京大学医学部卒業。父・石原結實氏のクリニックで、主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療に当たる。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長兼任。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。

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TJ MOOK『新型コロナウイルス対策! 免疫力を上げる50の方法』
監修(記事掲載順):後藤礼司(愛知医科大学医師)、栗原 毅(栗原クリニック東京・日本橋院長)、北西 剛(きたにし耳鼻咽喉科院長)、山口康三(回生眼科院長)、栗原丈徳(栗原ヘルスケア研究所所長・歯科医師)、石原新菜(イシハラクリニック副院長)、小泉幸道(東京農業大学名誉教授)、川嶋 朗(東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当医師)、内田輝和(鍼メディカルうちだ院長)、宇佐見啓治(うさみ内科院長)、齊藤嘉美(成和会介護老人保健施設「むくげのいえ」施設長)、板倉弘重(品川イーストワンメディカルクリニック理事長)、井尻慎一郎(井尻整形外科院長)、島村善行(島村トータル・ケア・クリニック理事長)、藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)、秋津壽男(東京戸越銀座・秋津医院院長)、海原純子(医学博士・心療内科医)、赤須玲子(赤須医院院長)、帯津良一(帯津三敬病院名誉院長)、久代登志男((一財)ライフ・プランニング・センター理事長 日野原記念クリニック所長)、長尾和宏(長尾クリニック院長)、常喜眞理(常喜医院院長)、井原 裕(獨協医科大学埼玉医療センターこころの診療科教授)、米山公啓(米山医院院長)、木庭新治(昭和大学医学部教授)、早坂信哉(東京都市大学人間科学部教授)、榎木英介(病理専門医・細胞診専門医)、宝田恭子(宝田歯科院長)、宮田俊男(みいクリニック院長)、工藤孝文(工藤内科 糖尿病・減量外来)、大西睦子(医学博士・内科医)、岩根隆太(Sleep Rest Clinic 幕張院長)、中村康宏(虎の門中村康宏クリニック院長)、石井さとこ(ホワイトホワイト デンタルクリニック院長)、菅原道仁(菅原脳神経外科クリニック院長)、筒井冨美(フリーランス麻酔科医)、福田大和(一宮きずなクリニック院長)、上田弥生(産婦人科医)、長尾周格(稲毛エルム歯科クリニック院長)

編集・執筆:株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子、黒澤 円、石野宏幸
編集・執筆協力:五十嵐有希、常井宏平
イラスト:麻柴朋貴
写真・イラスト協力:shutterstock、photolibrary
WEB編集:FASHION BOX
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