健康診断を受けて、中性脂肪やコレステロールの数値が高すぎると、医者から注意されたことはありませんか?この中性脂肪やコレステロール、無頓着でいると健康を害することがあると、なんとなくわかってはいるものの、実はよく知らない……。
当記事では、中性脂肪やコレステロールとはどのようなものなのか、中性脂肪が増えすぎると招きやすい病気や症状、中性脂肪・コレステロールの基準値などを、TJ MOOK『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』監修者である、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生に教えていただきました。また、中性脂肪を減らすために効果的な食べ物や飲み物、食べ方や食べる順番もレクチャー。さらに、自宅・室内でできる、中性脂肪・コレステロールが下がる運動や生活習慣についてもご紹介しています。
中性脂肪って?
中性脂肪とは、体内に存在する脂質の一種です。糖質から作られる脂質で、体を動かす、体温を維持するといった身体活動のエネルギーになるものです。
人間が生きるためには絶対に必要なものですが、悪者のようにいわれてしまうのは、「増えすぎると生命活動のジャマ」をしてしまうからです。
中性脂肪が増えすぎると……招きやすい病気&症状
問題は、中性脂肪が増えすぎてしまうことにあります。増えすぎるとよくない理由の1つは、「血液の状態を悪くすること」、もう1つは「肥満を引き起こす」ことです。
健康診断などで「中性脂肪の数値が高い」と注意を受けた場合、血液中の中性脂肪の量が増えすぎていることを指します。中性脂肪が高い人の血液はドロドロの状態で、血管内をスムーズに流れません。また、増えすぎた中性脂肪は、血液中の糖の量を管理するホルモン・インスリンの働きを阻害し、さらに悪玉コレステロールも増やします。結果、血管を傷つけ、動脈硬化(どうみゃくこうか)を進行させます。
一方で、エネルギーとして消費されずにあまった中性脂肪は、「皮下(ひか)脂肪」や「内臓脂肪」として蓄積されます。その結果が、でっぷりとした脂肪太り、肥満の状態です。
また、痩せている人でも中性脂肪が高い場合がありますが、その原因は多くの場合、内臓本体や筋肉につく中性脂肪「異所性(いしょせい)脂肪」です。特に肝臓につきやすく、日本人の4人に1人は、肝臓の中性脂肪が30%を超える「脂肪肝(しぼうかん)」と判明しています。
動脈硬化も、肥満も、脂肪肝も、放置すると命にかかわる病(やまい)につながります。
コレステロールって?
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。その細胞の膜や神経細胞の材料となる脂質がコレステロールです。体の機能調整に深くかかわるホルモンや、食物の消化・吸収に必要な胆汁酸(たんじゅうさん)の原料にもなります。
コレステロール値が低い人は免疫力が低く、健康リスクへの耐性が不十分
「コレステロール値が高いと生活習慣病の原因になる」と長らくいわれてきましたが、この説はもはや古くなりました。現在ではむしろ、コレステロール値が低い人は免疫力が低く、健康リスクに対する耐性が十分でないと考えられるようになりました。
問題となるのは、2種あるコレステロールのバランスが崩れること、動脈硬化の原因となる超悪玉コレステロールが発生することにあります。
コレステロールには、肝臓から全身に運ばれる「LDL」と肝臓に戻される「HDL」がある
コレステロールの7~8割は肝臓で合成され、残りは食物から吸収されます。血液によって各臓器に運ばれ、不使用のコレステロールは再び肝臓に戻されます。「肝臓から全身に運ばれるもの」を「LDL(エルディーエル)コレステロール」、「肝臓に戻されるもの」を「HDL(エイチディーエル)コレステロール」といいます。
本来、人体にはLDLとHDLを一定に保つ調整機能がありますが、生活習慣の乱れや運動不足により、そのバランスが崩れてしまいます。LDLが低すぎると、がんのリスクが高まります。また、余分なコレステロールを回収するHDLが低く、そこに高血圧や高血糖、喫煙習慣、ストレスが重なると、動脈硬化の原因になります。LDLが高くても、HDLが高ければ問題はありません。
さらに、動脈硬化の原因は活性酸素により酸化した「酸化LDLコレステロール」であることがわかりました。また、通常のLDLより小型のLDLが存在することも判明しており、通常のLDLより酸化しやすいことから、「超悪玉コレステロール」と呼ばれています。
中性脂肪とコレステロールの関係性
中性脂肪が増えすぎると、コレステロール値にも悪影響が出ます。
余分な中性脂肪はHDLコレステロールを減らし、余分なコレステロールを肝臓に届けるのをジャマします。これにより、血液内に余分な脂質が残ってしまうことになります。
さらにはLDLコレステロールを小型化して酸化しやすくし、超悪玉コレステロールを生み出します。
こういった中性脂肪やコレステロールの異常は「脂肪肝」や「脂質異常症」、「糖尿病」といった病も引き起こします。原因はすべて同じで、予防するには「食生活を見直し、中性脂肪を減らす」ことが重要です。
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中性脂肪・コレステロールの基準値
中性脂肪やコレステロールの異常を発見するには、健康診断や人間ドックなどで行う血液検査の結果のうち、次の項目を確認してください。
多すぎる中性脂肪の行きつく先は「3大生活習慣病」
中性脂肪やコレステロールの異常を放っておくと、「高血圧」や「糖尿病」、「脂質異常症」という3つの病気につながります。この3大生活習慣病は「血圧」「コレステロール値」「血糖値」の項目で確認できます。
「脂質異常症」の発見
中性脂肪・コレステロールの異常は「脂質異常症」として現れます。
「LDLコレステロール」は140以上、「HDLコレステロール」は40以下、「中性脂肪」は150以上で「脂質異常症」と診断されます。
「脂肪肝」の発見
脂質異常症と診断される前に、中性脂肪やコレステロールの異常は「脂肪肝」として現れます。次の項目の数値で、肝臓の健康状態を確認しましょう。
ALT(エーエルティー)とAST(エーエスティー)
一般的な基準値は10~30ですが、本記事を監修している栗原毅先生が院長を務める栗原クリニック・東京日本橋では、少し厳しく5~16を理想値に設定しています。いずれかが16を超えていたら、脂肪肝が始まっているかもしれません。両方が16以上の場合は、かなりの確率で脂肪肝です。専門医のエコー検査を受けましょう。
γ-GTP(ガンマ ジーティーピー)
アルコール性肝障害の目安となります。数値が高い場合は、慢性肝炎なども疑われます。
アルブミン
中性脂肪を減らすためにも重要なもので、数値が低いと筋肉が弱くなり、十分に脂肪を燃やせなくなります。
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中性脂肪を減らすために効果的な食べ方
体内にたまる中性脂肪は、糖質から作られます。糖質の摂取を控えることが、中性脂肪を下げる秘訣です。
人間が生命を維持するのに必要な炭水化物・たんぱく質・脂肪の3大栄養素のうち、ごはんやパン、めん類、いも類などの「炭水化物」に含まれる「糖質」だけが、血液中の糖の量「血糖値」を上昇させます。血糖値が上がるとそれを下げるために、ホルモンの一種「インスリン」が分泌されます。インスリンは血糖値を一定に保つため、血液中のあまった糖を脂肪にして体に蓄えてしまいます。
これが中性脂肪増加の原因です。血糖値を急激に上げなければ、中性脂肪が蓄積されることはないのです。
中性脂肪を下げるためは、「糖質ちょいオフ」がおすすめ
つまり、中性脂肪を下げるために気にするべきは、食事のカロリーではなく、摂取する糖質の量なのです。
とはいえ、糖質を極端に減らすのは逆効果。急激に脂肪が減ると体は危機を感じて逆に脂肪をためようとし、脂質異常症などの原因になります。
そこで推奨されるのが「糖質ちょいオフ」です。1日の糖質を、これまでの量から10〜20%減らし、その分、糖質を含まない肉や卵、乳製品などをどんどん食べるというもの。糖質ちょいオフなら、ハンバーグもステーキも、トロの刺身もマヨネーズも、ガマンする必要はありません。
減らすべき対象の「糖質を含む食品」の代表は炭水化物です。当然ながら砂糖をたくさん含む甘いお菓子も糖質たっぷりの食品。意外なところではくだもの、根菜(こんさい)類です。
油脂(脂質)もしっかり摂りましょう。人間のエネルギー源であり、細胞膜などの材料にもなるものなので、足りないと元気が出ません。
中性脂肪を下げる! 食べる順番
食事のとき、食べる順番に注意するだけでも、中性脂肪を下げることができます。ポイントは、糖質を含む炭水化物を最後に食べること。空腹状態でごはんやめん類などを早食いすると、糖質が一気に吸収され、血糖値が急上昇。インスリンの働きにより、あまった糖質が中性脂肪として蓄えられてしまいます。推奨する「食べる順番」は、「食物繊維」→「たんぱく質」→「水分」→「糖質」です。
1. 食物繊維
最初に野菜や海藻、きのこなどの「食物繊維」を食べるのは、消化・吸収が悪く、腸の中に長く居座るからです。
2. たんぱく質
食物繊維で腸内を整えたら、次に肉・魚・卵・大豆製品などの「たんぱく質」を食べます。この順番で食べることで、たんぱく質を無駄なく吸収することができます。
3. 水分(スープやみそ汁)
4. 糖質
みそ汁やスープなどの水分を挟み、最後にごはん・パン・めん類などの「糖質」を食べます。この頃にはお腹も落ち着き、早食いをしてしまうこともないでしょう。
中性脂肪を下げる! 定食の食べる順番
中性脂肪を下げるためには、食べる順番も重要です。定食ならば、
①小鉢の野菜や海藻など(食物繊維)
②おかずの肉や魚(たんぱく質)
③みそ汁やスープなどの水分
④ごはん(炭水化物・糖質)
の順で食べるようにします。こうするだけで糖の吸収がゆるやかになり、中性脂肪の合成・蓄積を防ぐことができます。
中性脂肪を下げる! 居酒屋での食べる順番
以下のメニューを、どの順番で食べますか?
正解は……
居酒屋では、「とりあえずのポテサラ」に注意してください。いも類に含まれるでんぷんは糖質です。最初に食物繊維が豊富なごぼうサラダや野菜サラダ、次に動物性たんぱく質の焼き鳥や刺身の盛り合わせ、最後にポテトサラダやフライドポテト、焼きそばなどの糖質を摂るようにします。
やってはいけない食べ方
食事のとき、空腹状態でごはんやめん類などを早食いすると、糖質が一気に吸収され、血糖値が急上昇。インスリンの働きにより、あまった糖質が中性脂肪として蓄えられてしまいます。
推奨する食べる順番は、前述の通り「食物繊維(野菜・海藻・きのこなど)」→「たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)」→「水分(スープやみそ汁など)」→「糖質(ごはん・パン・めん類など)」。食べる順番に注意するだけでも、中性脂肪を下げることができます。
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中性脂肪・コレステロール値を下げる食べ物・飲み物
中性脂肪やコレステロール値を下げる食べ物や飲み物には、どのようなものがあるのでしょうか? ここからは、中性脂肪・コレステロール値の減少をサポートする飲食物をご紹介します。
安価で手軽なサバ缶
イワシ、アジ、サバ、サンマなどの青魚には、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)という“中性脂肪に効果のある油”が含まれています。その働きは、「HDLコレステロールを増やす」、「LDLコレステロールと中性脂肪を減らす」という非常に優れたもの。
EPAとDHAは体内で作ることができない脂質で、食べ物から摂取する必要があります。そして、これらEPAとDHAを手軽に、たくさん摂取できる食材として人気を集めているのが「サバ缶」です。
サバ缶なら、EPAとDHAの1日の摂取量目安である「合わせて1000mg」を1缶でほぼクリアできます。しかも、EPAには空気に触れると酸化しやすいという性質がありますが、サバ缶は新鮮なうちに加工されているので、酸化していないEPA、DHAを摂ることができるのです。
海藻でコレステロール値を整える
海藻類には、体の調子を整える成分が豊富に含まれています。
海藻のぬめり成分であるアルギン酸には、コレステロール値を整え、食後血糖値の急上昇を防ぐという働きがあります。
また、海藻に豊富に含まれる水溶性食物繊維のフコイダンには、糖の吸収をゆるやかにし、なおかつ腸内の余分なコレステロールや有害物質をからめとり、体外に排出してくれる
という優れた働きがあります。
そして、海藻類はカルシウムや亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが豊富で、体の新陳代謝を活発にし、血圧や血糖値を調整してくれます。
そして、近年、わかめやひじきに含まれる褐色の色素成分「フコキサンチン」は、LDLコレステロールを減少させるという動物実験の結果が発表され、さらなる調査に期待がかかっています。
きのこで糖質代謝を促す
きのこは食物繊維が豊富で、中性脂肪を減らすために、「食事の最初に食べたい食品」の1つです。
きのこには、糖質の代謝を促進させる「ナイアシン」などのビタミンB群や、コレステロール値を整えるミネラルも豊富です。
また、キノコ特有の成分「β–グルカン」にも、コレステロール値を整える、血糖値を下げる、免疫力を上げるといった働きがあります。きのこの代表格であるしいたけは特にβ–グルカンが豊富で、エリンギはナイアシンの含有量で群を抜いています。
きのこは、含まれる成分が中性脂肪やコレステロールに働きかけながら、腸内では余分なコレステロールや老廃物をからめとり、体外に排出してくれます。小鉢やみそ汁にきのこを用いて、食事の最初や中ほどに摂るのが、中性脂肪・コレステロールを下げるためには大切です。
外食なら立ち食いそばより牛丼
外食でも「糖質がなるべく少ないメニュー」を選び、「早食いをしないこと」を心がけましょう。ゆっくりとよく噛み、最低15分はかけたいところですが、めん類、特に汁物では、なかなか難しいところです。ほぼ糖質オンリーのめん類を早食いするくらいなら、肉でたんぱく質が摂れる牛丼のほうがおすすめ。卵でたんぱく質を追加すると、なおよいでしょう。最後にごはんを少し残せばOKです。
サンドイッチはレタス+ハムが一番
サンドイッチを選ぶときは、ポテサラサンドを避けます。じゃがいものでんぷんは糖質ですから、パンではさむとW糖質になってしまいます。おすすめは食物繊維&たんぱく質のレタスハムサンド。あればライ麦パンや全粒粉パンを選びましょう。
高カカオチョコで脂肪を燃やす
現在、カカオ70%以上のダークチョコに注目が集まっています。その主役はカカオ・ポリフェノールです。
植物の多くはポリフェノールを持っていますが、その中でもカカオのポリフェノール含有量が飛び抜けて多く、人間の体に有効に働くことがわかったのです。その効果を有名にしたのは、イタリアで行われた実験でした。
「1日25gの高カカオチョコを数回に分けて摂取し、3か月間食べ続けた」ところ、肝臓の健康度を示すALT、γ―GTP、さらにコレステロールの数値が改善したのです。さらに続けると、インスリンの分泌がスムーズになり、脂肪が燃焼し、血圧も安定。便通も改善し、認知症の予防になることもわかりました。
ポリフェノールは体内にためておくことはできないので、1日に25gのチョコを5gずつ、5回に分けて食べるのがおすすめです。
ごはんのお供に緑茶を飲む
緑茶に多く含まれるポリフェノールの一種・カテキンには、さまざまな働きがあります。まず、食後血糖値の上昇を抑え、糖の吸収を抑制し、中性脂肪の合成を防ぎます。そのほかにも、脂肪の燃焼を促す、コレステロールの異常を整える、強い抗酸化作用で体内に発生した活性酸素を減らし、コレステロールの酸化(超悪玉コレステロールの発生)を予防し、高血圧を改善するといった効果・効能が期待できます。
食後など1日3~4杯のコーヒーも◎
フィンランドで行われた調査で、「1日3~4杯のコーヒーを飲んだ人は、飲まない人に比べて30%も糖尿病になる確率が低かった」ことが判明。原因は、コーヒーに含まれる成分「クロロゲン酸」が糖の代謝に働きかけるから。
ただし、すでに糖尿病の人には悪影響という報告もあるため、注意してください。
飲むときのポイント
・砂糖やミルクは使わない
・一度に大量に飲まずに、時間をあけて1杯ずつ飲む
・夜遅い時間には飲まない
お酒なら“糖質ゼロ”の蒸留酒
「中性脂肪を下げたい」「コレステロール値を整えたい」という人にとって、お酒は悪者ではありません。むしろ、適量を守って飲めば、中性脂肪や空腹時血糖値の値がよく、健康になるという調査結果もあります。
その調査は、「脂肪性肝疾患の頻度に及ぼすアルコール摂取の影響」というもので、脂肪肝の男女3185人を「お酒を飲まない」「1日に(純アルコール量)20g飲む」「40g飲む」「60g飲む」「60g以上飲む」の5つのグループに分けて行ったものです。
結果は、肝臓の元気度を表すALT、空腹時血糖値、中性脂肪のすべてで、「40g飲む」のグループが優秀な値を記録しました。
これはまさに、お酒を適量(純アルコール量40g)飲むことが、中性脂肪を減らす、そして健康のためにいいことを表しているのです。
なぜ、このような結果が出たのでしょうか?
わかっているのは、「肝臓がアルコールを分解するために糖を必要とすること」です。アルコールを飲んだ結果、肝臓の糖が使われ、朝目覚めたときには血糖値が下がり、中性脂肪も減っているというわけです。お酒好きにとって、都合のよすぎる人体の仕組みです。ただし、飲んで健康によいのは「適量」です。純アルコール量40gという適量を守れば、休肝日も必要ありません。
中性脂肪・コレステロール値を下げるためにはなんといっても「糖質ちょいオフ」ですが、おすすめは、焼酎やウイスキーなどの「蒸留酒」です。ジンやウォッカ、ウイスキー、ラムなどが蒸留酒ですが、すべて糖質ゼロです。
気をつけたいのはサワーで、甘いシロップやフルーツの果糖で割ると糖質が入ります。なるべく水割りやお茶割りで飲みましょう。
ちなみに、ビール350mL缶に含まれる糖質は約10.85g、日本酒1合で約8.8gです。
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自宅・室内でできる!中性脂肪・コレステロールが下がる運動
中性脂肪やコレステロールが下がる運動には、どのようなものがあるのでしょうか? ここからは、中性脂肪やコレステロール値の減少が期待できる、自宅・室内で行う運動をご紹介します。
ウォーキング・スロージョギング
有酸素運動のなかで、誰もが簡単にできるのがウォーキングです。中性脂肪やコレステロール値を改善するだけでなく、肥満や糖尿病、高血圧といった生活習慣病の予防にもつながります。
1回にかける時間は30~60分で、まずは週3回を目標に取り組みましょう。
ウォーキングが物足りなくなったら、ぜひ挑戦していただきたいのがスロージョギングです。スロージョギングとは、ちょっときつめのウォーキングより遅く、ふつうに歩く速度で走ること。
通常の速いジョギングでは速筋という筋肉が使われ、疲労物質の乳酸が体内に蓄積されます。ですがスロージョギングでは速筋を使わないので、長い時間走り続けることができます。目安は1日30~60分で、小分けにして走っても大丈夫です。
早歩き・階段を使う
日常生活で体を動かす習慣をつけるのも、脂肪を増やさないコツです。
たとえば、早歩き。ふだんから早く歩くことを意識し、通勤時など電車で移動するときは目的地のひと駅前で降りて歩くのがオススメです。
また階段を上るのも、立派な運動です。駅や会社で移動する際、エスカレーターやエレベーターをなるべく使わず、階段を使うだけでもいい運動になります。
中性脂肪・コレステロールが下がる生活習慣
中性脂肪やコレステロールが下がる生活習慣には、どのようなものがあるのでしょうか? ここからは、中性脂肪やコレステロール値の減少が期待できる、生活習慣についてご紹介します。
朝昼晩、食事を規則正しく摂る
食事の回数を減らせば痩せる、中性脂肪が減らせると考えるのは誤りです。食事と食事の間隔があきすぎてしまうと、体内では飢餓状態に備えて、摂取した栄養、糖質の吸収を急ぎ、脂肪としてためこもうとする防衛本能が働きます。
上のグラフでは、朝食を抜くと、3食摂ったときと比べて、昼食・夕食後の血糖値が上がることが明らかになっています。また、朝食も昼食も抜いた場合には、夕食後の血糖値が跳ね上がることも判明しています。
血糖値が急激に上がるということは、それだけ食事で摂った糖質が、より多く、早く吸収されるということ。中性脂肪が増える原因となります。
ストレスをためない
ストレスは脂質異常症をはじめとする生活習慣病にもつながります。
強いストレスがかかると、体内に活性酸素が増え、動脈硬化を進行させる超悪玉「酸化LDLコレステロール」が発生します。また、呼吸や体温、心拍などをコントロールする「自律神経」が乱れ、ホルモン分泌が不安定になり、血圧や血糖値のコントロールにも悪影響を及ぼします。
たばこを吸わない
ストレス解消のため、たばこを吸う人がいますが、これは健康を害し、さらなるストレスを呼ぶNG行動です。たばこは体内に活性酸素を発生させ、さらに多くの超悪玉コレステロールを発生させることになります。動脈硬化の危険が増え、血圧上昇、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、認知症のリスクも高まります。
生活習慣や食事の摂り方の改善で、中性脂肪・コレステロールが下がることも
中性脂肪とコレステロール値の異常を放置すると、病気を招くこともあります。健康診断や人間ドックを受けて、気になる数値が出たら、まずは生活習慣を見直しましょう。食事の摂り方を改善したり、体を動かすことで、中性脂肪・コレステロールが下がることもあります。
ただしご自身の健康状態に不安がある場合は、かかりつけ医院にも必ず相談してくださいね。
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教えてくれた人のプロフィール・本
栗原 毅(くりはら たけし)
1951年、新潟県生まれ。医学博士。北里大学医学部卒業。栗原クリニック東京・日本橋院長。前慶應義塾大学特任教授、前東京女子医科大学教授。主な著書・監修書に『誰でもスグできる! みるみるコレステロールと中性脂肪を下げる200%の基本ワザ』『肝機能をみるみる高める200%の基本ワザ』(ともに日東書院本社)、『血液サラサラで美人になる!』(マガジンハウス)、『糖尿病の食事はここだけ変えれば簡単にヘモグロビンA1cが下がる』『〈卵と肉〉が糖尿病に効く!』(ともに主婦の友社)、『1日25gのチョコが効く! 脂肪肝はちょっとしたコツでラクラク解消する』『“糖質ちょいオフ“で今すぐできる! 中性脂肪を自力でみるみる下げるコツ』(ともに河出書房新社)など。
TJ MOOK『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』
(抜粋)
TJ MOOK『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』
監修:栗原毅(栗原クリニック東京・日本橋院長)
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健康診断で「メタボ・中性脂肪が高い」といわれると、食事で摂る脂肪の量を減らすように心がける人が多いようです。本誌ではNGではなく、粉モノ主食は1食おきならOK、1杯目は好きなお酒を飲んでもOKなど、食べてはいけない・やってはいけないではなく、ついつい飲んでしまう、食べてしまうズボラな人でも、ラクに中性脂肪・コレステロールを下げることができる「食べ方」「食べ物」「運動」「生活習慣」を解説します。
編集・執筆:株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子
編集・執筆協力:常井宏平
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編集:FASHION BOX
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