女子ならではの器官といえば、“膣(ちつ)”。生殖機能を司る大切な場所ではあるけれど、なんとな~く、女性同士でも話題にしづらい体のパーツです。だからこそ、普段のお手入れ方法や病気の不安など悩みは尽きぬもの。そこでデリケートゾーンに関する話題をまとめてご紹介します!
《目次》
【教えてくれたのは…】
八田真理子 先生
【Profile】
産婦人科専門医。聖順会ジュノ・ヴェスタクリニック八田を開院。地域に密着して思春期から更年期まで幅広い世代の女性の診療とカウンセリングを行う。著書に『オトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)。
【生徒はこの2人!】
ライター仁田、編集H
勇気を出して!? まずは自分のデリケートゾーンを観察!
八田先生(以下、八田)「デリケートゾーンは日本で“陰部”と呼ばれ、古くから隠されてきた部分だったんです。公にしては恥ずかしい場所として扱われてきたんですよ」
編集H(以下、H)「そうですね、友人との間でもなかなか話題にできないかも。タブーな印象があります」
ライター仁田(以下、仁田)「私は妊娠中に助産院で会陰マッサージを教えてもらって。そこからは助産師さんにはあけっぴろげに聞けるようになりましたね」
八田「日本はこういったケアが本当に遅れているんです。いい大人になってもケアできていない人が大半。だから、まずは自分の性器を知ることから始めましょう。鏡で自分がどんな形かを知ることが第一歩。デリケートゾーンのケアはスキンケアと同じ。顔を保湿するとき、鏡を見ながら行いますよね? それと一緒。まずは自分の形や普段の状態を知らないと。私は女性の性器を毎日何十人も診ていますが、みんな全然違うんです。黒かったり、ピンクだったり、ヒダが大きかったり、小さかったり……。普段から通常時の形を知っていると、不調があったときにすぐわかるんですよ。あと、おりものの色やにおいも月経サイクルで周期的に変化します。いつもと明らかに違うときは、病気の感染に気づく目安にもなりますよ」
■膣の構造を知ろう!
<CHECK POINT>
□外陰部を広げた内側の粘膜に健康的な赤みがあるか?
□外陰部に水ぶくれやぶつぶつはないか?
□かゆみはないか?
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八田「ちなみにデリケートゾーンってどういうふうに洗っています?」
H「う~ん。小さい頃に母親から“大切な場所だから触っちゃダメ”と言われていたもんで……(苦笑)」
八田「そうなんですよね。みんな洗い方を正確に知らないんですよ、習ってこなかったので。欧米では母から娘にしっかり教えるし、学校でも授業で教えるんですけどね」
仁田「私は産後、会陰がキズだらけのときに普通の石けんで洗って痛かった記憶がありますね。“しみる~!”って飛び上がりました(笑)」
八田「そうですね、デリケートゾーンは薄い皮膚と粘膜が混在している場所なので、通常のボディソープでは刺激が強いんです。できればpH値の弱酸性の専用洗浄剤をおすすめします。汚れやすい部位なので“恥垢(ちこう)”と呼ばれる垢が溜まりやすいため、丁寧に指の腹を使うのがポイント。間違ってもゴシゴシと乱暴に洗わないで。汚いままでいるなんて、顔に目ヤニや鼻水をつけて過ごしているようなものですから。デリケートゾーンのケアも身だしなみのひとつです。もう大人ですからね!」
H「そういえば、洗ったあとは何かケアが必要ですか?」
八田「体と同じで乾燥が気になるようであれば保湿を。腟専用の保湿剤を塗ってあげてください。肌と一緒で手をかけてあげればあげるほど、血流がよくなってツヤツヤになりますよ」
仁田「入浴後、体に保湿剤を塗る延長線でケアすればよいですね!」
■恥垢ケアにおすすめの石鹸・ソープ
抗真菌成分と殺菌成分をダブル配合。敏感肌でも使える低刺激の薬用抗菌石けん。
天然の乳酸や植物エキスがすこやかな状態に整えながら洗浄。
保湿作用で全身のお手入れと合わせて。
デリケートゾーンのpH値に合わせた弱酸性泡ソープ。
天然由来クリアピンク色のジェルがやさしく清浄・整肌。においやムレのない肌へ。
和漢植物エキス配合のデリケートゾーン専用ソープ。
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八田「腟は女性のコアとなる要の存在。子どもを宿す子宮につながる部分ですからね。肌や髪が美しい人は、腟も健康な人が多いんですよ」
仁田「なるほど、すべてがつながっているんですね」
八田「えぇ、腟を健康な状態に保つには、女性ホルモンのバランスを整えることも重要。そのためには、運動・睡眠・食事のバランスが大切なんです。どれも必要不可欠」
H「そのすべてはできないかも……。その3つだと、何が一番大切ですか?」
八田「全部ですっ(喝)!意識するかしないかの違いですから! 階段を使う、就寝時にスマホを見ない、コンビニごはんに一品は手作りサラダを加える……、少し意識するだけで生活習慣は改善しますよ。
どこでも手軽にできる運動としてぜひ実践してほしいのが、骨盤底筋トレーニングですね。加齢や運動不足で骨盤底筋がゆるむと、子宮脱や直腸脱、便秘や冷え症など、さまざまな不調の原因になるので、しっかり締まる体を手に入れてください!」
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(リンネル編集部)
text:Tokiko Nitta, FASHION BOX
illustration:Sayaka Yokomine(まんが), Kayo Yamaguchi
web edit:FASHION BOX
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