宝くじが「当たる売り場」は本当に存在するの!? 当選しやすい番号は?[統計学で解説]

宝くじが「当たる売り場」は本当に存在するの!? 当選しやすい番号は?[統計学で解説]

年末になるとメディアで紹介されることが多いのが、1等の当たりくじを引き当てやすいという宝くじ売り場。行列に並んだ経験がある人もいるはず。しかし、そもそも当たりくじが多く売られるという「売り場」は存在するのだろうか? 理数系分野を中心にビジネス関連から生活全般まで幅広く執筆しているサイエンスライターの野口哲典さんに、宝くじを引き当てやすい売り場はあるのかどうか、その真実と当選の確率について教えていただこう。

 

宝くじが「当たりそうな」売り場はある?

1等がよく出る宝くじ売り場がマスコミで話題になることがある。人それぞれに運・不運があるように、宝くじ売り場にそれがあってもおかしくないじゃないか。「幸運の売り場」は本当に存在するかも……。

そう思いたくなるのが人情だが、統計学的に見ると、幸運の売り場など存在しない。1等をはじめ高額賞金がよく出ている売り場があるとしたら、その理由は「くじをたくさん販売している売り場」だからだ。

宝くじの「当たる売り場」は本当に存在する!? 当選しやすい番号についても解説!
売り場によって当たる確率が変わることはない!

 

たまたま立地などに恵まれて買いにくる人が多く、たくさん売れる。すると必然的に当たりくじも多くなる。当たりくじをよく出す売り場と噂が立てばマスコミに取り上げられて、さらに売れるから当たりくじも増える。それだけのことで、要は母数が大きいのだ。

売り場によって当たる確率が変わることはない!

試験の「ヤマカン」が当たる確率を“余事象の確率”で検証! 勘も捨てたもんじゃない!?

記憶力はオランウータン並!? 猫の不思議行動の理由に迫る!

 

当選しやすい番号は? 3つの番号で解説

統計学は人間がもつ不確かであいまいな認識をなんともクールに正してくれるが、数字に対する誤解も同様である。たとえば次の3つの宝くじ番号のうち、1つ選ぶとすれば、あなたならどれを選ぶだろうか。

・01組 111111
・55組 123456
・52組 129018

1番目と2番目を選ぶ人は、かなり少数派で、多くは3番目を選ぶのではないだろうか。1が6つも並ぶゾロ目番号や、123456と続く番号は、そもそも珍しい。そんな珍しい番号が当選番号になる確率は低いに違いない。だから、3番目のアトランダムに数字が並んだ番号を選ぶ……。

だが、ジャンボ宝くじ1ユニット1000万枚のうち、「01組 111111」は1枚だけ。同様に「52組 129018」も1枚だけなのだ。どちらも1000万分の1の確率であることに変わりはない。

こういうと、それはおかしい、という人もいるかもしれない。今まで「111111」や「123456」の当選番号なんか見たことがないぞ、そんな番号が当選番号になるはずがないと。しかし考えてみれば、1000万分の1の確率だから、見たことがなくても不思議ではない。「129018」だって、さて見たことがあるだろうか。

宝くじの「当たる売り場」は本当に存在する!? 当選しやすい番号についても解説!
「111111」や「123456」が当たらない、は間違った先入観 / 3枚の宝くじはどれも1000万枚のうちの1枚なので、当たる確率に差はない!

 

珍しい番号が当選番号になるはずがないというのは思い込みにすぎない。どんな番号も、1000万分の1の確率で1等になるということに差はないのだ。

運気アップしたい人に! [幸せを引き寄せる9の習慣]簡単なのに超アガる♪

成功したいなら財布は“黒”にすべし★ 稼げる女子になる選び方

“不運を引き寄せる”最悪の口ぐせとは?[ゲッターズ飯田 監修]

 

教えてくれたのは……

野口哲典(のぐち・てつのり)さん

【Profile】
サイエンスライター。理数系分野を中心にビジネス関連から生活全般まで幅広く執筆。確率や数学に関する講演も行う。主な著書に『入門 統計学はこんなに役立つ』(宝島社新書)、『眠れなくなるほど面白い 図解 確率の話』(日本文芸社)、『判断と選択に役立つ《数》の法則』(河出書房新社)、『「成功法則」を本気で科学する』(ベスト新書)、『知ってトクする確率の知識』『数字のウソを見抜く』『マンガでわかる神経伝達物質の働き』『マンガでわかるストレス対処法』(以上SB クリエイティブ)など多数。

 

宝くじの「当たる売り場」は本当に存在する!? 当選しやすい番号についても解説!
TJ MOOK『いっきにわかる! 統計学』監修:野口哲典、松本健太郎

(抜粋)

TJ MOOK『いっきにわかる! 統計学』
監修:野口哲典、松本健太郎

編集・執筆:川﨑敦文(スタジオ・ジップ)、鈴木 愛
執筆:青山典嗣(睦産業株式会社)、佐々木正孝、高松弘史、武内孝夫、森村宗冬

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト

RELATED CONTENTS

関連コンテンツ