ウイルスやアレルギーに負けない大人の美と健康は体の内側から!
心と体を鍛える免疫力アップ生活
寒さやストレス、女性ホルモンの低下によって、免疫力が下がりがちなR-45世代。ドクターに聞くR-45ならではの免疫力の高めかたをお届けします!
ドクターに聞く! 気になるR-45の免疫力Q&A
冷えや更年期特有のイライラといった体の変調が出はじめるR-45は免疫力もダウン。毎日のちょっとしたことで免疫力は高まります!
低体温は不健康の元凶。基礎体温が35.5度になると免疫力が4割も落ちてしまう。体を温めることに注力して体を鍛えよう。
Q. 体温が下がると免疫力が落ちるというのは本当ですか?
A. 酵素の至適温度は37〜40度。免疫にも影響します
体内のあらゆるところで酵素が働いて体を正常に保っています。この酵素が最も活発に働くのが深部体温が37〜40度の時。脇の下で測る体温は深部体温よりも1度下がりますから、最低でも36度は維持したいところです。体温が上がれば血流もよくなるので、体内に異物が侵入した場合に血液中にある免疫細胞が速やかに駆けつけることができます。低体温でいると血流が悪いせいで免疫の機動力が弱まってしまいます。
36度未満は危機的状況!
平熱が35.7度だと深部体温は36.7度。冷えるだけでなく酵素の働きが落ちる、免疫の機動力が落ちる原因になるので温める努力を。
Q. 手足が冷えてなかなか眠れません。睡眠不足になると免疫力が下がりそうで心配です
A. ぬるめのお湯につかって、湯冷めしない工夫を
冬に手足が冷えるのは自然のことです。内臓を温めて守るためにそちらへ血液を優先して送るようになっているからです。手足の冷えがひどい時は、寝る直前に40度以下でちょっとぬるいと感じる程度のお風呂で30分ほど全身浴をするといいですね。ただし、洗い場と脱衣所を暖めて湯冷めしないようにすることが肝心です。お風呂には炭酸入浴剤やアロマオイルを入れると副交感神経が優位になって免疫力も上がります。
室温高めでお風呂はぬるめ
洗い場の壁と床に熱いシャワーをかけて空間を暖めておくのがポイント。脱衣所には暖房器具を置いて手足のポカポカを保って。
炭酸入浴+精油がイチオシ
無香料の炭酸入浴剤に好きな香りの精油を5滴垂らすのがベスト。
▲素肌と同じ弱酸性。無香料・無着色。
▲香りでリラックスしてオイルで保温。
▲無添加、無着色、無香料の重炭酸入浴剤。
脱衣所にはすぐに暖まるヒーターが◎
▲スリムな縦型で全身ポカポカ。
Q. 体を動かすと免疫力も上がりますか? 家事や散歩程度の運動でも免疫力を上げる助けになりますか?
A. 「少しキツイ」と感じる運動が免疫力を上げます
体を動かして体が温まり、血流がよくなれば免疫力は活性化します。キッチンではつま先立ちで作業する、床を雑巾で拭き掃除するだけでも違います。もっとよいのは、いつもの1.5倍の速度で大股歩きをする、できるだけ階段を使ってじんわり汗ばむ程度の運動を継続することです。体温はおもに体の基礎代謝で作られますが、その内の4割は筋肉で作られます。年齢とともに筋肉は減少傾向になるので、意識的に体を動かすことが重要です。
速歩きを習慣にしよう!
1.5倍のスピードで歩幅を大きくするのがコツ。重い荷物を持っている時は荷物がダンベル代わりになるので通常スピードでOK。
すぐ運動できるステッパー
▲踏み台昇降運動ができるおしゃれステッパー。その場ですぐに運動できて便利。
Q. 40才を過ぎてから体の冷えが深刻になってきたのですが、体を温める漢方薬なども有効でしょうか?
A. 有効です! が、冷やす生活を見直してから始めて
女性ホルモンが乱れてくると自律神経に影響が出てのぼせることがある一方で、冷えが深刻になることも。体を冷やす食べもの・飲みものを避け、体を動かすようにした上で、漢方薬を試したり、血行をよくする「三陰交」というツボを刺激するのもよいですね。生薬の成分を抽出した薬酒は薬効とアルコールの温め効果を得られて一挙両得。ただし、お酒が苦手な人には不向きです。三大婦人薬と呼ばれる漢方薬にも体を温める作用があります。
体を温める処方の薬酒
▲14種類の生薬の薬効成分をアルコールで抽出した薬酒。アルコール度14%。
女性の万能ツボ!
内くるぶしから指4本上の脛のキワにあるのが三陰交。指などで押すほか、ドライヤーの温風で温めては離すのを5回くり返してもよい。
更年期によい漢方薬は体を温める
Q. 食べもので免疫力を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
A. まずは温かいものを食べること。温め食材の選び方も覚えておこう
体を温めるのは、寒い時に採れるもの、寒い地方で採れるもの、味・色の濃いもの、地中に向かって伸びるもの、水が少なくて硬いもの。免疫力を上げるβグルカンが摂れるきのこと、野菜たっぷりの鍋物は最適です。水の多い葉野菜も温かく料理すれば温め食材に。スパイス類も体を温めるのでスパイシーなカレーもいいですね。腸にいる免疫細胞を活性化させるみそなどの発酵食品や、体内で熱を産生する卵などのたんぱく質も食べてください。
冬のおなじみ食材でOK
みかんも温め食材。皮や白い筋、袋に含まれているヘスペリジンには抗酸化作用が。お風呂に入れれば体を温めて入浴剤の代わりにも。
Q. 寒くなってから新型コロナの感染が拡大していますが、ウイルスが元気になる季節と免疫力が下がる時期は重なるのでしょうか?
A. 寒さが体と心を緊張させて免疫力が下がりやすくなります
風邪などのウイルスは低温・低湿で活動が活発になります。まさに今の日本ですね。対してがんやウイルス感染を抑え込む免疫であるリンパ球は、副交感神経が優位になっている状態で増えます。ところが、寒さや乾燥などの不快感は体と心を緊張させて交感神経を優位にしてしまいます。この時期をいかに快適に、心地よく過ごすかが免疫力を高めるカギになります。冬の室温は21〜22度を目安にしてぬくぬくと心地よくいることが大切です。
寒さが辛いなら温める工夫を
インナーを工夫したり、首や足首を温める、カイロを活用するなどして寒さをできるだけ感じないようにするのがポイント。
日中も湯たんぽで温まろう
▲座ってももにのせたり、腰に当てるのもおすすめ。
Q. 春が来るまでの間に出やすい花粉症やアトピー性皮膚炎。症状が出にくくなるには?
A. 交感神経優位の呼吸法と専用グッズやコスメで対策を
ウイルスをやっつけるリンパ球は副交感神経が優位になると増えるのですが、リンパ球が出す物質がアレルギー症状を助長することがわかっています。つまり、アレルギーに対しては交感神経が優位な方が有利。低気圧のもとでは副交感神経が優位になることもわかっており、低気圧の時などは、はっはっはと息を短く吐くと、交感神経のスイッチを入れることができます。専用グッズ、コスメでアレルギーのもとになる物質をカットすることも重要です。
ゴーグルタイプで飛沫もカット
▲花粉と飛沫、PM2.5も防ぐ。軽量素材で軽いのも魅力。
▲シリコン製のフードがフェイスラインにフィットして花粉と飛沫の侵入を防ぐ。
肌バリアを整えておくべし
▲バリアが低下した肌を整える美白美容乳液。
▲ヘパリン類似物質が肌バリアをサポート。
Q. 更年期のイライラも免疫力を下げるというのは本当?
A. 本当ですが、自分で気持ちを鎮める方法があります
イライラしている時は交感神経が優位になっています。交感神経が優位になるとウイルスやがんに対する免疫力が落ちるので今時ちょっとまずい。自律神経は自力でコントロールできないものですが、唯一、呼吸だけは制御できます。イライラしてきた!と感じたら5秒かけて息を吸い、10秒かけて息を吐くのを10回程度くり返すと気分が落ち着いてきます。吸う時は鼻から吸って異物をダイレクトに吸い込まないことがポイントです。
リラックスする呼吸法をマスターしよう
お腹をふくらましながら鼻から5秒かけて息を吸う。下腹に手を当ててお腹をへこませながら口から10秒かけて息を吐き出す。
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R-45の免疫力をアップする5か条
1. 運動で血流をよくし、筋肉を維持して体温アップ
2. 心地よい香りと心地よい室温でリラックスする
3. 40度以下のお風呂につかって寝つきをよくする
4. 鍋料理や温め食材、発酵食品で体を温める
5. 5秒と10秒の呼吸で副交感神経モードにチェンジ
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教えてくれたのは……東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 教授 東洋医学研究所附属クリニック 川嶋 朗先生
【PROFILE】
西洋医学と代替相補・伝統医療を統合した医療を行う総合内科専門医。東洋医学やアロマテラピーなどを用いた治療を得意としている。
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イラスト=MAIKO SEMBOKUYA
取材・文=黒川ともこ
(GLOW 2021年3月号)
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WEB編集=FASHION BOX