白髪を生かすヘアスタイルが人気！「染める」「そのまま」以外の選択肢を髪のプロが解説

白髪があるからむしろ楽しめる素敵世代のカラーリング事情

『素敵なあの人』で活躍中の結城アンナさんをはじめ、素敵なグレーヘアの60代が増えたことで、白髪にネガティブな印象を持つ人が減ってきています。髪のプロもあえて白髪を生かして明るく華やかに染めるスタイルに注目しています。「CANAAN」代表の長崎英広さんとヘアライターの佐藤友美さんに素敵世代のヘアカラー事情をお聞きしました。

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「白髪＝染めるか、そのまま」から「おしゃれに生かす」方向に変わってきているって本当ですか？

髪色を明るくすることで白髪を「ぼかす」

佐藤さん（以下敬称略）：お客様のカラーオーダーに変化はありますか？

長崎さん（以下敬称略）：以前は白髪というと、全体を真っ黒に染めて白髪を隠す人が多かったのですが、最近はあえて白髪を生かして明るめにカラーリングする人が増えました。

佐藤：黒い画用紙の上に白いクレヨンで線を描くと目立つけれど、ベージュの画用紙の上に描くと目立たない。それと同じで、明るく染めることで白髪がぼかされて、気になりにくくなりますよね。

長崎：そのとおりです。ただ、白髪の位置や量は均一ではないので、全体を明るくするだけでは美しくないんですよね。

白髪にはブリーチで出せない透明感がある！

長崎：そこで、「ハイライト」という技術を使って、地毛よりも明るい筋状の毛束を作ります。白髪部分とハイライト部分の両方で、均一なカラーデザインにすると、まるで白髪がデザインされているかのように美しく見えるんですよ。

佐藤：こういった明るいデザインカラーを楽しめるのは、白髪があってこそですよね。

長崎：白髪率が30％を超えると、かなり白髪が目立った印象になります。ですから、それくらいになったら白髪を隠すよりは、生かすスタイルにシフトすることをおすすめします。

佐藤：「ヘアカラー＝髪が傷む」というイメージがありますが、カラー剤もずいぶん進化していますし、プロは根元と毛先、髪質などによって薬剤を使い分けていますよね。

長崎：特にハイライトは色を抜くので、ダメージを気にされるお客様が多いです。でも、少量をすくっているので思っている以上に傷むことはありません。僕は、白髪染めを使わずに、おしゃれ染めで染めたり、ダメージが強い方には酸性カラーを使ったりしています。さっき話したように、ハイライトを入れて明るい部分を作った後に、薄いブラウンや、ベージュのカラーをのせるのです。白髪を完全に染めきるというよりは、うっすらと茶色の色素がのるくらいの感じ。

佐藤：そういうカラーの入れ方だと、白髪部分が金髪のようにキラキラして、むしろきれいだったりしますよね。2～3か月ペースでメンテナンスや色のチェンジをする人が多いので、お手入れも意外と楽。

長崎：白髪って、ブリーチ（脱色）を超えた、白髪にしか出せない透明感があるんです。だから、ネガティブにとらえずに、白髪があるからこそ楽しめるデザインを積極的に試してみてほしいですね。

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