「心臓が急にドキドキ。恋? それとも更年期?」『もっと話そう!Hello Femtech』プロジェクト Answer記事

閉経の前後の約10年間、女性は更年期という時期を迎えます。その間、女性ホルモンが急激に減少することで、身体的・精神的にさまざまな不調が現れます。しかしその症状は100種類以上にもおよぶといわれていることはご存じでしょうか? 更年期に起こりやすい不調や、その時期に起こりやすい隠された病気について、産婦人科医の福山千代子先生にお話伺いました。

更年期症状と間違えやすい病気に注意

福山先生 恋だったらいいんですけどね(笑)、 心臓が急にドキドキするような動悸、息切れがあった場合、まずは心臓を調べてほしいです。なぜかというと、更年期と重なる50代には、心疾患系の病気のリスクが少しずつ上がってきます。更年期障害の治療のひとつであるホルモン補充療法で使うエストロゲンは、血圧が高い人や脂質代謝に異常がある人が使うと、血栓のリスクがあるので、非常に危険なんです。更年期で死に至ることはないですが、不整脈などの心疾患系の病気だと死のリスクが上がるので、まずはリスクの高い心臓の検査を強くおすすめしますね。

発汗から不眠まで、多岐にわたる更年期の症状

福山先生 動悸や息切れは、様々な更年期症状のひとつです。よく知られている症状はホットフラッシュ。首から上にどっと汗が出る、ほてって暑くなる、などです。また、何しろやる気が出ない、些細なことで涙が出てしまう、など精神面での症状も多いです。更年期の症状は非常に多岐にわたっていて、他にも関節痛や尿もれ・外陰部の萎縮など泌尿器系、眠れない、夜中に何度も目が覚めるなど睡眠でのお悩みもあります。

その人を取り巻く環境も、症状に大きく影響する

福山先生 更年期の症状に関しては、「エストロゲンでは対応できないところがある」と昔からいわれていて、環境的な因子も大きく影響してきます。更年期を迎える40代後半から50代にかけては、年齢ゆえにさまざまな責任がのしかかってくるころ。子供の受験や親の介護、仕事での重圧や人間関係など。環境的な因子が解消されないと、症状がなかなか改善されないこともあるんです。

更年期の症状を「年齢だから」と諦める必要は全くない

福山先生 現在、日本の女性の平均寿命は約87歳。これからもっと伸びていくでしょう。更年期を過ごす50代というと、仕事面ではキャリアが積み上がっていたり、出産年齢も上がっているので子育て真っ最中という人もいます。まだまだ更年期後の人生は長いのです。今や、ホルモン補充療法、漢方、サプリメント、レーザーやハイフなど、更年期の健康をサポートするものは多くあります。ホルモンの低下によって、働きにくさや生きづらさを感じている人がいるのであれば、うまくフェムテックを活用して、生活の質を落とさないように更年期を乗り切りましょう

更年期に寄り添うフェムテック

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教えてくれたのは……福山千代子医師

福山千代子医師

日本産科婦人科学会専門医。日本産婦人科学会・日本女性心身医学会所属。MET BEAUTY CLINIC院長。生理トラブルや更年期障害など、あらゆる世代の女性特有のお悩みに向き合う。

宝島社では女性誌11誌男性誌2誌、計13誌合同によるフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Hello femtech」を2021年12月25日より始動しました。

フェムテックの認知度向上を通じて、女性の健康問題に係わる具体的な話題を話す機会を増やすことで、女性がより活躍できる社会に繋げ、ひいては男女関係なくヒトが生きやすい社会を目指すための活動です。

Hello Femtech 特設ページはこちら

https://fashionbox.tkj.jp/femtech

 

取材・文=吉田彰子

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