Z世代の半数以上がSEXの経験なし⁉ 【月刊TENGA】のアンケートから読み解く、性の新潮流をレポート!

人は生まれ育った時代の影響を受けるのだから、世代によって価値観や行動が違うのは当たり前。「若い人の考えてることはよく分からない」とは、一定の年齢になった全人類が思うのかもしれない。それは、性事情ついてもしかり。TENGAが全国の男性2000人を対象に行った性生活・性意識の調査結果からも、世代による変化を読み取ることができる。今回は『月刊TENGA』から、Z世代の性事情のリアルについてお届け。ここでいうZ世代とは18~26歳のこと。ミレニアル世代(27~35歳)、Y世代(36~42歳)、ロスジェネ世代(43~51歳)、バブル世代(52~57歳)と比較しながら結果にフォーカス。また、Z世代はセックスのときにパートナーを気遣う人の割合が多く、安全なセックスについて知りたいという声が多いことから、併せてセーファーセックスについても紹介。

●『月刊TENGA
「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」がビジョンのアダルトグッズメーカー・TENGAが定期的に発行しているニュースレター。TENGAの製品やニュースだけでなく、性にまつわる様々な情報を発信!

Chapter  #01 各世代と比較したZ世代の性生活・性意識

Z世代男性の約6人に1人がマスターベーション未経験

世代別 マスターベーション経験率

世代別 セックス経験率

▶Z世代の約6人に1人が「マスターベーションの経験がない」と回答。約半数(47.3%)が「セックスの経験がない」と回答。

DOCTOR'S VOICE

潜在的に性欲があまりない、性的行為に消極的という男性が10~20%はいると考えています。そのような男性はバブル世代やロスジェネ世代にもいたと思われますが、「男性はマスターベーションをして当たり前」という周囲の雰囲気に流されて、たいしてやりたくもないマスターベーションをしていた可能性があります。それを踏まえたうえで、Z世代の男性がマスターベーションをしなくなった理由はいくつか考えられますが、まずその下地として、低年齢からスマホを使うようになり、自分と向き合う時間が減少していることが影響していると思います。さらに、デジタルネイティブ世代でネットから得られる情報にも左右されやすいため、いつの頃からか流布してきている「オナ禁教(オナ禁最強説)」に出会ってしまうと、マスターベーションをしない選択をする男性も出てきそうです。マスターベーションをしないことによるメリット(肌つやが良くなり、ニキビができなくなるなど)とマスターベーションをすることによるリスク(背が伸びなくなる、頭が悪くなる、テクノブレイクなど)のうわさ(どちらも医学的根拠はなく間違っている)を信じることにより、「マスターベーションなんてやらないほうがいいや」と考える男性がいるのではないかということです。「マスターベーションはしない方がかっこいい」とすら考えているのかもしれません。加えて、根強く残る性的なことをタブー視する風潮や、セックススキャンダルをネット上で袋叩きにする風潮も、マスターベーションを始める際に負の影響を与えるような気がします。

コメントをくれたのは……

泌尿器科医/聖隷浜松病院
リプロダクションセンター センター長
今井 伸先生

Z世代のマスターベーションのイメージには、タイパ(タイムパフォーマンス)重視や美容意識の現れが!

マスターベーションのイメージランキングTOP5

▶マスターベーションのイメージランキングTOP5は全世代で同じ結果となり、全てポジティブなイメージがランクイン。男性は世代に関係なく、マスターベーションに対してポジティブな印象を持っていることが分かる。

世代別マスターベーションのネガティブイメージランキングTOP3

 

▶マスターベーションのイメージの中でネガティブなイメージのみをランキングにしたところ、全世代共通で「やりすぎるとセックスの時に射精できなくなりそう」がTOP3にランクインする結果に。一方で、その他のTOP3のイメージには世代差が見られた。Z世代、ミレニアル世代は、「時間を無駄にしたように感じる」「肌荒れや髪質の低下の原因になりそう」がランクイン。若い世代特有の、タイムパフォーマンス(タイパ)や美容意識の高まりなどが、マスターベーションのイメージにも影響していることが考えられる。またZ世代は他世代に比べてネガティブなイメージを持っている人の割合が多い結果となった。ロスジェネ世代、バブル世代では「セックスする相手がいない人がやる行為」「恥ずかしいこと」がランクインしており、マスターベーションが自身のセックスライフの充実度を図る指標になっていることが伺える。Y世代は、Z世代~ミレニアル世代、ロスジェネ世代~バブル世代の両方の世代意識が混ざった結果となり、世代によってグラデーションが現れた結果に。

Chapter  #02 各世代の18~26歳当時とZ世代の現在を比較した性生活・性意識

セックスの価値観に変化が! Z世代はセックスの時、パートナーを気遣う人の割合が多い

Z世代のセックスの時に重要視することランキングTOP10
~他世代の18~26歳当時と比較~

▶セックスの時に重要視していることについて、Z世代は、他世代の18~26歳当時と比較して、「パートナーの体に痛みや負担がないか」(19.3%)、「パートナーが性的快感を感じられるか」(41.7%)、「パートナーが精神的に満たされるか」(13.7%)など、パートナーを気遣う人が多い傾向が見られた。一方で、「挿入行為をする」(38.9%)、「自分自身が性的快感を感じられるか」(26.5%)、「自分自身が射精できるか」(15.2%)など、自分自身に関する項目は、他世代の18~26歳当時と比較して低く、Z世代は、全体的にセックスの時に自分よりもパートナーを優先する傾向に。

Z世代はマスターベーション、セックスにお金をかけない傾向に

世代別 マスターベーションにかける月平均の金額

▶マスターベーションにかける月平均の金額について、Z世代の7割以上が「お金をかけていない」と回答。他の世代の18~26歳当時の平均と比較してみると22.6%低い結果に。
※マスターベーションにかける金額例:アダルト動画、アダルト雑誌、アダルトグッズなど

世代別 セックスにかける月平均の金額

▶セックスにかける月平均の金額は、5000円以上使っている人がZ世代は18.7%となっており、他の世代の18~26歳当時の平均と比較してみると、10.8%低い結果になった。
※セックスにかける金額例:ラブホテル代、風俗、コンドーム代など

世代別 セックスの時に特にお金を使っているもの

▶セックスの時に特にお金を使っているものについて自由に回答をしてもらった。特に多かった回答を集計すると、Z世代は「避妊具」と答えている人が各世代の 18~26 歳当時と比較して多く、他の世代は「ラブホテル・場所代」が最も多いことが分かった。

Z世代は安全なセックスについて知りたい

世代別 知っておきたい/習っておきたい性に関する情報

▶知っておきたい/習っておきたい性に関する情報について、Z世代は「避妊の仕方」(22.5%)、「性感染症」(31.2%)が、他世代の18~26歳当時と比較して高い結果にまた「性的同意」や「セクシャリティや性自認、性的指向」の割合が他の世代より高いこともZ世代の特徴といえる。

Chapter  #03 「Safer Sex(より安全なセックス)」とは?

セックスに絶対の「安全」はない。けれど、“セーファーセックス” をどうしていくかをパートナーと話し合うことで、より安心なセックスを楽しめるはず。思いがけない妊娠や性感染症の可能性をできるだけ減らすためにも、セックスで起こりうることとその予防法、万が一のことが起こったときの対応を知ることがいちばん大切。

ふたりを守る“避妊”の基本はコンドーム低用量ピル

コンドームによる避妊が一般的だが、性交の途中からつけたり、射精のときだけつければいいと思っている人は間違い。射精前にも微量の精子が出ているので必ず挿入する前につけること。確実に避妊しながら性感染症予防まで考えてコンドームと低用量ピルの併用がオススメ。

●避妊法について

男性主体→コンドーム
比較的安く、ドラッグストアやコンビニで簡単に手に入る。避妊だけでなく性感染症の予防にもつながる。行為中に破れたり外れたり、精液がもれてしまう可能性もあるので正しく使うことが大事。

女性主体→ピル・IUD・IUS
コンドームに比べて避妊失敗率が低いのが、低用量ピルやIUD・IUS(避妊リング、子宮内避妊器具)などがある。性感染症は防ぐことができないので覚えておこう。

病気に感染している人の体液に接触することで感染する“性感染症”

性感染症とは、性行為で感染する病気の総称。また英語では、STD(Sexually Transmitted Disease の 略)ともいわれる。ウイルス、細菌の接触感染により引き起こされるもの。セックスだけでなく、オーラルセックス、アナルセックス、キス(相手が咽頭感染している場合)でも感染するものがあったり、コンドームで感染のリスクは下がるものの完全には予防しきれないものがあったりとさまざま。ペニスの洗浄、爪を切る、口の中を清潔にすることも性感染症を予防するための基本中の基本。また、今は特定の相手しかいなくても、過去の他の人と性経験があれば過去のパートナーからの感染の可能性がある。セックスを始めたら、定期的な性感染症の検査をして、お互いに感染していないか確認することが大切! もし感染が分かった時は、パートナーと一緒に治療することが大切。検査は保健所か病院(男性は泌尿器科、皮膚科等。女性は婦人科・産婦人科等。口の中や唇、のどに違和感がある時は口腔外科等)ですることができる。

●TENGA’S RECOMMENDED ITEM 01

使うのが楽しくなるハッピーなコンドーム

TENGA、コンドーム

TENGA、コンドーム

アルミ缶を開けると、中には丸いパウチに入ったコンドーム。その缶バッジのようなパッケージは、使うのが楽しくなる6種類のデザインを用意。

テンガ コンドーム 6P ¥550(税込)/TENGA

 

●TENGA’S RECOMMENDED ITEM 02

性交中の潤滑不足をサポートする医薬部外品のジェルローション

テンガ、モイストケアジェル
テンガ、モイストケアジェル
ふたりの夜を円滑に楽しむには、うるおいが大切。モイストケアジェルは、うるおいを与えるだけでなく、 肌をやさしくやわらげる、医薬部外品のジェルローション。携帯にも便利な、使い切りパウチタイプ。唾液を潤滑剤の代わりに使用すると、感染症のリスクがコンドームを使用しないのと同じに。セーファーセックスを楽しむためにも、潤滑剤使用がオススメ。

モイスト ケア ジェル パウチセット(5g x 5包入り)【医薬部外品】 ¥699(税込)/TENGAヘルスケア

いかがでしたか?   Z世代のリアルな性事情、なかなか興味深い結果でしたね。「約6人に1人がマスターベーション未経験」「約半数がセックスの経験がない」など、予想よりも高い割合に驚きました。また、マスターベーションをしないことによるメリットとして美容効果的な都市伝説もあるんですね。確かに、Z世代男性は美容意識が高いように思います。マスターベーションやセックスにお金をかけない分、理美容や化粧品、Z世代を中心に増えている“推し活”にお金をかけるようになったのかもしれません。次回の後編では、Z世代のパートナーシップ観についてを深掘り! なぜZ世代はセックスの時に相手を気遣うことが多いのかのヒントとなる結果をご紹介。お楽しみに!

文=鈴木恵理子

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