【温泉旅館「界」でご当地文化体験④】「界 加賀」で山中塗の木地師を訪ねて

この冬、bonponご夫婦が訪れた金沢・加賀。温泉、食、伝統……それぞれが地域の文化として色濃く残る、魅力的な街を巡る、かわいい旅がはじまります。

今回の旅人

b o n p o n ご夫婦

仙台在住の60代夫婦。2016年からはじめたインスタグラム(@bonpon511)に投稿された、夫婦のリンクコーデが話題となり、フォロワーは90.5万人(2023 年12月現在)。夫= bon、妻= pon。

 

 

 

 

 

1300 年の歴史を誇る名湯湧く加賀温泉郷へ

江戸時代には加賀藩の城下町として 栄えた石川県金沢市。多くの伝統工芸 があり、昔ながらの情趣ある街並み、 豊富な海の幸に加え、現在ではアート の街としても注目される人気の観光都 市です。今回はそこから車で1時間ほど足を延ばして加賀温泉にも訪れました。旅をするのは、インスタグラムで 披露するリンクコーデが人気のbonponご夫婦。風流な街並みに溶け込み、とても絵になるおふたりです。

3つの温泉地からなる加賀温泉郷。 日本三大霊峰のひとつ、白山を望む柴 山潟湖畔にある片山津温泉、松尾芭蕉 が奥の細道の旅の道中に逗留したという山中温泉、加賀のなかでも古い温泉文化が色濃く残る山代温泉。約1300年の歴史を誇る、北陸を代表する 温泉郷のひとつです。 まずおふたりが向かったのは、山代 温泉。中心に立つのは、「総湯」と明治 19 年築の総湯を復元した「古総湯」。ど ちらも山代温泉のシンボルともいえる共同浴場で、柳の木に囲まれた外観が風情たっぷり。ここを中心に宿やお店が立ち並ぶ街並みは「湯の曲輪(ゆのがわ) 」と呼ばれています。今なお残されている古きよき景色のなかを歩くbonさん、ponさんは、まるでタイムスリップしたような趣。一気に旅情に誘われ、加賀の旅がスタートしました。

 

山代温泉の名所、古総湯を中心に温泉街が広がる。古総湯の中は、明治時代に流行したステンドグラスで囲まれた、源泉かけ流しの浴場、九谷焼のタイルなど、ノスタルジックな雰囲気。「界 加賀」の宿泊客は無料で入浴可能。

 

昔の面影が残る山代温泉街を散策。「素敵な雰囲気ですね! 久々にふたりで歩いて楽しい」とbonponご夫婦。

 

古の風情が色濃く残る山代温泉加賀文化に浸る宿に滞在

正面の細かな木を縦と横に組み合わせた、加賀地方の伝統的な建築様式「紅殻格子(べんがらこうし)」が印象的な伝統建築棟と、新たな客室棟からなる「界 加賀」。その前身は多くの文化人を迎えた老舗旅館で、1915年には北大路魯山人も逗留したのだとか。加賀水引、加賀友禅、九谷焼、山中漆器と、4つの伝統工芸が館内や客室を彩り、伝統と現代の快適さが融合した、モダンな温泉旅館となっています。

「伝統が息づく建物ですが、新しさも感じる素敵な旅館ですね。ゆっくり過ごしたいです」とbonさん、ponさん。早速お目当てのひとつ、大浴場へ。内風呂には九谷焼のアートパネルがあしらわれ、ご当地感満点。庭を望む露天風呂も心地よく、リラックスした湯浴みを楽しめます。「美人の湯」とも言われるとろりとした湯ざわりの湯に浸かり、旅の疲れを落とします。

ダイニングでいただくお待ちかねの夕食も、名物尽くし。冬の時期にぜひ味わいたいのが「活蟹づくしのタグ付き蟹会席」。生きた蟹をしめ縄で縛って蒸す「蟹のしめ縄蒸し」、活蟹すき鍋など、さまざまな調理法の蟹料理が九谷焼の器で供され、まさに蟹三昧。「一年分の蟹をいただいた気がします」とponさんも大満足の様子。夕食後には、トラベルライブラリーのスペースで、地域の伝統工芸などを満喫する「ご当地楽(ごとうちがく)」加賀獅子舞を鑑賞。招福招来の舞にあやかり、体も心も幸せな気持ちで金沢・加賀の旅を終えることができそうです。

トラベルライブラリーには、北大路魯山人ゆかりの書籍などが並び、無料で楽しめる飲み物とともにのんびり過ごせる。書は魯山人が書いたもの。

夜も美しい紅殻格子。加賀地方の伝統的な建築様式で、家屋の内側からは外の様子が見えるが、外からは見えにくいという防犯効果も。

伝統建築棟のレセプションで見られるのは「枠の内」。金物を使用せず組み上げた、現代では希少価値の高い建築様式。

中庭の緑も目に優しい。

露天付きの客室でゆったり

「加賀伝統工芸の間」と名付けられたご当地部屋は加賀の伝統工芸が随所に。

全48室の客室のうち、18室は温泉露天風呂付き。

客室のプレートも九谷焼!

この時季おすすめの夕食は「活蟹づくしのタグ付き蟹会席」(2024年2月29日まで)。60 ,600円~(2名1室利用時1 名あたり2 食付きの宿泊料金、税・サ込)、宿泊予約後に追加予約が必要。

「加賀獅子舞」を夕食後に鑑賞

500年前から踊り継がれる加賀獅子舞は迫力満点!

温泉旅館で日本初金継ぎ工房も

昨春にオープンした金継ぎ工房。宿泊者は見学したり、工程の一部を体験することも。「きれいに仕上げるのがなかなか難しい!」とbonさん、ponさん。

アート感あふれる大浴場

美しく整えられた庭を望む露天風呂。冬には松の木に雪吊が施される。

内風呂には九谷焼のアートパネルが配され、眺めながら湯に浸かるもの一興。「久々に大きなお風呂に入れて気持ちよかった」とponさん。

内風呂と露天風呂とを仕切るガラス壁や電灯には石川県の伝統工芸である金箔が贅沢にあしらわれ、優美な気分に。

見上げると電灯に金箔が!

石川県の三大漆器工芸・山中塗の工房へ

温泉旅館「界 加賀」が宿泊者向けに展開している「手業のひととき」。石川県の伝統工芸「山中塗」の木地師があつらえた無垢の酒器で日本酒を味わいます。

美しい無垢の酒器が生まれる鮮やかな手業

この旅で滞在する「界 加賀」の宿泊 1日目に、漆器製品の企画・製造・販売 を手掛ける「西本」の代表、西本浩一さんの案内で「工房 なかじま」へ。西本さんから漆器の歴史や特徴などを伺った後、作業場へお邪魔します。まず2種類の酒器の形から、bonさんは胴が丸みを帯びた「胴張り」、ponさんは口が外に向かって広がる「端反り」を選び、木地師・中嶋武仁さんの作業を見つめます。ろくろを回転させ、削り出してみるみる美しい酒器が生まれる光景に圧倒。界での夕食時には、この無垢の酒器で日本酒を試飲し、口当たりの違いを確かめます。その後、「西本」の職人さんにより、拭き漆で仕上げられ、完成品が自宅に届く流れ。「自分のために作られた酒器なんて、宝物」とbonさん。伝統の技に感動しきりでした。

教えてくれたのは

工房 なかじま 2 代目木地師 中嶋武仁さん

石川県加賀市の山中温泉地区で作られる漆器「山中塗」の工房。かつてこの地域には20軒以上あった工房が、現在では一桁台に。そのうちのひとつで、先代から引き継いだ2代目木地師・中嶋武仁さんが今でも昔ながらの技で漆器作りを続けています。

 

 

木のくずで埋め尽くされた工房は凄みが漂う。

真剣な眼差しで作業をする中嶋さん。

カンナなどいくつもの道具を使い分け、繊細な模様をつけていく様は見事。

削り出された木くずを手にする。その薄さに驚き!

美しさだけでなく、口当たり、飲みものの香りの立ち方なども考えて成型していくそう。その繊細さに感服。

夕食で使ってみるのが楽しみ!

山中塗の木地師があつらえた無垢の酒器で日本酒を味わう体験

期間: 2024 年2 月29日までの平日 時間: チェックイン初日11 :00 ~/ 13 :00 ~/ 15 :00 ~のいずれか(完成した酒器は後日郵送) 場所: 工房 なかじま ※現地集合・解散 料金: 1 名¥12 ,000(税込・宿泊料別) 定員: 1日2 組(1 組2 ~ 4 名) 予約:「界 加賀」公式サイトで7日前までに要予約  ※事前に「界 加賀」の宿泊予約が必要

 

石川県・山代温泉 界 加賀

石川県加賀市山代温泉18-47 1 泊¥31,000 ~(2 名1 室利用時1 名あたり)税・サ込、夕朝食付き JR 加賀温泉駅より車で約10 分、北陸自動車道加賀ICより約15 分 ☎︎:050-3134-8092(界予約センター)https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikaga/

information

「界」とは…… 星野リゾートが運営する温泉旅館ブランド「界」。 現在全国22か所に展開し、「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、 快適な和の空間、その地域や季節ならではのおもてなしを用意。 地域文化を楽しめる特別なサービスも提供しています。

 

構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 撮影/砂原 文
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

※このたび令和6年能登半島地震により、犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

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