体のためにサプリメントなどの健康食品をとり入れたいと考えている人は多いのではないでしょうか? しかし、種類が多いだけに迷うもの。
そこで、50代女性がサプリメントをとるならどんな成分を配合したものがおすすめか、大人女性が意識してとりたい成分や、食生活で不足しがちな成分についてご紹介します。
悩み・目的別にみるおすすめの成分
更年期や美容など、目的別におすすめの成分をご紹介します。
更年期を健やかに過ごしたい
日本人女性の閉経の平均年齢は50歳前後で、閉経を挟んだ前後10年間を更年期といいます。更年期は女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することにより、さまざまな心身の不調が出やすいといわれています。更年期の症状は個人差が大きいのですが、よくある症状としては、肩こり、疲れやすい、頭痛、のぼせなどがあります。
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることが知られており、摂取することで更年期症状の軽減が期待できます。
また、近年の研究により、大豆イソフラボンの代謝物である「エクオール」が、大豆イソフラボンの女性ホルモンに似た作用の源であると考えられるようになりました。エクオールは腸内細菌によって作れる人と作れない人がいます。自分がエクオールを作れるかどうか知りたい場合は、検査キットが販売されています。
骨の健康が気になる
女性は閉経に伴い骨密度が減少しやすくなり、骨粗しょう症のリスクが高まります。骨粗しょう症とは、弱い外力でも容易に骨折しやすい状態になることで、骨折が寝たきりの原因になることもあります。
骨粗しょう症を予防するためには、骨の構成成分である「カルシウム」や、カルシウムの吸収をサポートする「ビタミンD」「ビタミンK」などの摂取が役立ちます。
お腹の健康が気になる
腸内環境を整えるには「乳酸菌」や「食物繊維」の摂取がおすすめです。乳酸菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑える働きがあり、善玉菌とも呼ばれます。
食物繊維には整腸作用があり、積極的にとりたい栄養素ですが、日本人の食物繊維の摂取量は減少傾向です。食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に大別されます。水溶性食物繊維は「コレステロールの吸収を抑制する」などの働きがあり、不溶性食物繊維は「便のかさを増やす」などの働きがあるとされています。両方の食物繊維をバランスよくとることを心がけましょう。
鉄不足が気になる
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、50代女性が1日の食事から鉄を摂取する量は、月経ありの場合11.0mg、月経なしの場合6.5mgが推奨されています。体内の鉄が不足すると、赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低下し、貧血を引き起こしやすくなります。
食品に含まれる鉄には、肉や魚などに多く含まれるヘム鉄と、野菜などに多く含まれる非ヘム鉄があります。より吸収率が高いのはヘム鉄の方です。貧血の予防には、鉄の摂取とともに、鉄の吸収を助ける「ビタミンC」や、赤血球の形成を助ける「ビタミンB12」「葉酸」などの摂取が役立ちます。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
サプリメント摂取で気をつけたいことは?
健康や美容のためには、栄養バランスの良い食事と適度な運動が基本です。サプリメントはあくまでも足りない栄養素を補うものであり、薬のように治療するものではありません。
サプリメントを活用するときは、各製品の目安量を参考にし、過剰摂取に注意しましょう。たとえばビタミンAをサプリメントで過剰摂取した場合、吐き気や頭痛などの症状のほか、妊婦では胎児の奇形などが知られています。また、持病やアレルギーなどの心配があれば、サプリメントを摂取する前に医師に相談しましょう。
(まとめ)
サプリメントは不足しがちな栄養素を手軽に補えるのがメリット。目的に合うサプリメントを選んで健康や美容に生かしましょう。
[監修]
新見正則医院 院長
新見 正則
オックスフォード大学医学博士(DPhil)
外科専門医・指導医/消化器外科専門医・指導医/漢方専門医・指導医など
慶応義塾大学医学部卒業、オックスフォード大学医学部博士課程(免疫学)終了。2013年ハーバード大学でイグノーベル医学賞受賞、モダン・カンポウの啓発者。「外科医×免疫学者×漢方医」としてレアな存在で活躍中。
新見正則医院では世界初の抗がんエビデンス(乳がんを含む)を獲得した生薬「フアイア」を使用している。
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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