妊娠中のイライラ、どうやって乗り越えればいい?【医師監修】

楽しみでしかないと思っていたマタニティライフのはずが、理由もなくイライラ……。その原因を理解することができれば、対処法も見つかるはず! 妊娠中のイライラについて、産婦人科専門医の竹元葉先生に聞いてみました。

 

体調、環境の変化でイライラが募る

妊娠中、些細なことでイライラしてしまうという人は少なくありません。ハッピーに過ごせなくて自己嫌悪に陥るなど、負のスパイラルにハマることも……。このイライラの原因は?

「原因は大きく分けて3つあります。まず1つ目がホルモンバラスの変化。妊娠すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2つの女性ホルモンの分泌が活発になります。これらのホルモンバランスの変化によって、イライラや情緒不安定に。2つ目は、体調の変化。つわりでごはんが食べられなかったり、安定期に入ってもお腹のハリや腰痛、頻尿、便秘などのトラブルに見舞われたりすることでイライラします。3つ目は環境の変化。妊娠によって生活環境に大きなが変化があった場合、その環境に適応できないことで不安を感じるかもしれません」(竹元先生)

 

睡眠を十分にとることが必要

妊娠中の気持ちの波をうまく乗り越えるには、どうしたらいいのでしょうか。

「イライラしたら、もう寝ちゃいましょう。これがいちばん手っ取り早い解決法です。睡眠をとることで自律神経が安定して、少しずつ気持ちも落ち着いてくるはず。睡眠を十分にとることで、妊娠によって変化する体調も管理することができます。あとは、パートナーに話を聞いてもらうのもいい解決法。二人で育てていく赤ちゃんのためにも、会話によるコミュニケーションをたくさんとって、お互いの気持ち、不安感などを理解して絆を深めましょう」(竹元先生)

 

イライラは溜めずに、こまめに発散

しっかり眠っても、パートナーに話してみても、まだイライラが続いているというなら、日々の生活の中で発散させる工夫を。

「“イライラしない!”と自分に言い聞かせるのは無理なことだと思います。かえって逆効果になることも。イライラは溜めないように、こまめに発散することが大切。体調がよければ散歩に出かけたり、友だちと買い物やランチをしたり、実家に帰ってのんびり過ごしたりと、自分の気持ちをリセットできる時間や場所を見つけてくださいね」(竹元先生)

 

程度の差はあるものの、妊娠によってイライラしたり情緒不安定になったりするのは当然のこと。それをひとりで抱え込まず、まわりとシェアするぐらいの気持ちが大切です。上手にストレスを解消し、マタニティライフを満喫してくださいね。

 

教えてくれたのは…sowaka women's health clinic 竹元 葉 院長

【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’ s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。

取材・文=夏目 円

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