アラサーはじめての「妊活」 “はじめての妊活”の流れが知りたい! ~前編~

アラサーはじめての「妊活」

年齢を重ねて現実味を帯びてくる子どものこと。自分もそろそろ……と思ったときが、妊活の始めどき。どう向き合う? 何から始める? わからないことだらけの妊活を一緒に考えよう!

クリニックではどんなことをするの?  “はじめての妊活”の流れが知りたい! ~前編~

自分の気持ちが固まったら、妊娠に向けてココロとカラダをシフトチェンジ。いつかくるその日のために、今日からできること、もしものときの治療法など、妊活の流れをステップごとに紹介します!

教えてくれたのは……にしたんARTクリニック理事長新宿院院長 松原直樹先生

【PROFILE】

長年のキャリアに基づく豊富な知識と親身に寄り添う人柄が人気。住所 東京都新宿区新宿3-25-1 ヒューリック新宿ビル10階 ☎03-6457 -7933 HP https://nishitan-art.jp

スタート前の準備

妊活に向けていちばん大切なのが、自分の体が健康な状態であること。規則正しい生活に切り替え、妊娠に備えて体調管理を万全に。

基礎体温をつけて排卵をチェック! バランスの良い食事・適度な運動も!

自分がきちんと排卵しているかどうかを知るために、基礎体温を測って低温期・高温期の二相になるかの確認を。良質なタンパク質、魚、ビタミン、葉酸を取るのも大切ですが、ビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんに影響を及ぼすので注意が必要。肥満は不妊の原因となる“多嚢胞性卵巣症候群”に関係するため、適度な運動で基礎代謝を上げて太りにくい体づくりを心がけて。ストレスはホルモンバランスの乱れにつながり、排卵障害を引き起こすことも。良質な睡眠や趣味を見つけ、ストレスを溜めない生活を送りましょう。喫煙は百害あって一利なし。喫煙習慣がある人は今すぐストップ!

葉酸摂取と基礎体温の測定を毎日の習慣に!

a.5分後の体温を平均10秒で予測検温できるから、忙しい朝にうれしい。検温結果の表示部分にバックライトを搭載し、暗い場所でも結果が確認可能。婦人用電子体温計 MC-6830L「予測式」¥2,508※編集部調べ(オムロン ヘルスケア)b.1粒に葉酸を400μg配合。天然素材を使用し、合成添加物・保存料は不使用。MVP 葉酸 30粒 ¥3,240(ビープル)c.2粒でほうれん草6株分。1日2粒を目安に摂取して。ネイチャーメイド 葉酸 150粒 ¥918(大塚製薬 お客様相談室)

 

STEP 1 プレコンセプションチェック

「プレコンセプションチェック」とは、妊娠可能なすべての女性を対象に、現在の健康状態を検査すること。今後に備えて自分のカラダを知り、不調を早めにケア!

まずは、健康状態とリスク因子を調べてみよう

自分が妊娠しやすいカラダかどうかを知るために、「ブライダルチェック」を年に一度は受けましょう。排卵障害がわかる基礎ホルモン検査や、子宮、卵巣の状態を知る超音波検査、妊娠に影響がある性感染症の検査や、子宮頸がんの検査、風疹に対する免疫があるかどうかを調べる風疹抗体検査などを受け、異常が見つかった場合は治療についてのアドバイスやフォローを受けられます。また、妊娠を望む女性にとって大事な検査となるのがAMH。自分の卵巣の中にどれくらい卵子が残っているかの目安となり、今後どのような妊活プランが必要になってくるかを知る指標のひとつに。

年齢に伴うAMHのグラフ

※ベックマン・コールター株式会社:「アクセスAMH(IVD)」測定値の年齢別分布図より引用

卵子は胎児のころに作られその数は約700万個。出産時は200万個と、年齢とともに減少。自分でコントロールができないため、値が低い人はスピード感を持った妊活が必要に。

STEP 2 婦人科系疾患の治療

妊娠に大きく影響する“婦人科系疾患”。個人差はあるものの、早期発見・早期治療が肝心のため、見つかった場合は妊活と同時進行で治療を行うのが◎。

【アラサーに多い3大婦人科疾患】

1、子宮筋腫

子宮内にできる良性の腫瘍。子宮壁の外側にできる場合は子宮内膜にかからないので妊娠には影響しないけれど、筋層内や子宮の内側にできると、不妊の原因になるので注意。

2、子宮内膜症

子宮内膜やそれに似た組織が、卵巣など子宮の内側以外の場所にできる病気。癒着が生じると卵管の通過障害や、卵子を卵管に取り込めないピックアップ障害につながることも。

3、子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉内にでき、子宮内の壁が厚くなって子宮全体が大きくなる良性の病気。子宮内膜の変形を引き起こし、着床障害や不育症の原因になる場合も。

【Check!】生理が重くなったらサインかも?

これらの婦人科疾患は女性ホルモンの影響が大きく、生理のたびに悪化するため予防が難しいもの。以前に比べて経血量が増えた、生理痛がどんどんひどくなるなど体のSOSを見逃さず、早めにクリニックを受診しましょう。

~後編に続く~

photographs_TAIJUN HIRAMOTO

illustration_YOKO SAKAI ,YUKO SAEKI(portrait)

text_YOKO SUENAGA

(SPRiNG 2023年11月号)

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