(2020年1月17日 更新)
栄養素がギュッと詰まったチーズ。おいしいですが、塩分が多く、血管に悪いと考える人もいるでしょう。しかし、ブルーチーズとチェダーチーズには、血管を若返らせる驚きの成分が入っていました。
≪目次≫
- 教えてくれたのはこの方
- チーズに驚きの血管しなやか効果が‼
- 塩味の強いブルーチーズに、血圧を下げる働きあり
- ブルーチーズとは
- チェダーチーズとは
- ナチュラルチーズとプロセスチーズって何が違うの?
- ラクトトリペプチドとは
教えてくれたのはこの方
新浪 博士(にいなみ・ひろし)先生
【Profile】
1962年、神奈川県出身。1987年、群馬大学医学部卒業後、東京女子医科大学大学院修了。同年、東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所に入所。アメリカ・ウェイン州立大学、オーストラリア・アルフレッド病院、オーストラリア・ロイヤルノースショア病院への留学で心臓血管外科の研究と治療に従事する。帰国後、東京女子医科大学心研循環器外科医長、東京女子医科大学心臓血管外科助教授を歴任。2004年に順天堂大学 医学部心臓血管外科助教授に就任し、当時の天皇陛下(現在の上皇)の心臓手術を行った天野篤教授のパートナーとして活躍。埼玉医科大学 心臓血管外科教授を経て、2017年より東京女子医科大学 心臓血管外科の主任教授に就任。現在、年間300症例もの心臓血管外科手術を手がけている。
【オススメ記事】
自宅で簡単! 医師がすすめる遺伝子検査キットとは?
居酒屋ではポテサラでシメるべし!? 中性脂肪を下げる食べ方を解説
チーズに驚きの血管しなやか効果が‼
塩分が多めなので、血圧を上げないためにも控えめに食べたい食材・チーズ。しかし、ブルーチーズとチェダーチーズには血圧を下げる効果がありました。
塩味の強いブルーチーズに、血圧を下げる働きあり
おやつやお酒のおつまみにもぴったりのチーズ。生乳を原料とした発酵食品で、カルシウムやたんぱく質の吸収率が高い食べものですが、塩味が強いので、血圧を気にする人は敬遠したくなるかもしれません。
そんなチーズにうれしいニュースが。なんと、チーズの中でも塩分がずば抜けて高いブルーチーズに、血圧を下げる効果があったのです。新浪博士先生はこう話します。
「ナチュラルチーズに含まれるラクトトリペプチドという成分が血圧を下げる役割をしていることがわかってきました。ただ、すべてのチーズに含まれているわけではないようです。現在わかっているのがブルーチーズとチェダーチーズに多く含まれているということです」
そのほかにも、チーズには、含有するラクトフェリンに抗菌・抗ウイルス作用があるなど、体にいい効果が多数あることがわかっています。高血圧にも効くなら、毎日でも食べたいものです。
ブルーチーズとは
・青カビタイプのチーズ総称。塩味が強く、特有の風味とコクがある
・代表銘柄は、ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトン
チェダーチーズとは
・熟成期間が長いハードタイプのチーズ。世界中でもっとも生産量が多いチーズ
・熟成が若いものはマイルドでさわやかな酸味があり、長期熟成したものはコクが増す
ナチュラルチーズとプロセスチーズって何が違うの?
プロセスチーズは、スライスチーズや6等分されたチーズなどが代表格。1種類、または数種類のチーズを加熱して溶かし、乳化剤などを加えて成形したものです。加熱殺菌されているため、保存性に優れていますが、含有する乳酸菌は死滅してしまいます。
一方のナチュラルチーズは、生乳を乳酸菌などで凝固させ、乳清の一部を取り除いたもの。乳酸菌や酵素が生きたまま日々熟成が進みますが、傷みやすいのが難点。保存の際は、水分を拭き取り、乾燥しないようにラップでくるんで冷蔵庫へ。早めに食べ切りましょう。
ラクトトリペプチドとは
カルピス社が発見した成分。乳たんぱくを原料とした成分で、体には欠かせないアミノ酸が3つ結合したもの。血管をしなやかにしたり、血圧を下げたりする効果が報告されており、トクホ※の飲料やサプリも登場しています。
※特定保険用食品の略称。国の審査の元で許可を得た食品に表示される。体の生理的機能に影響を与える成分を含み、特定の保健目的が期待できるとされる。
【オススメ記事】
毎日の入浴が長寿のカギ! 介護リスクを減らすお風呂の入り方
健康診断だけで安心するのは30代まで! 更年期に用心すべき2大がん
(抜粋)
TJ MOOK『心臓血管外科の名医が教える切れない! 詰まらない! 血管ほぐし』
監修:新浪博士
編集・原稿:油野 崇、奥津圭介
写真:小島 昇(小島昇写真事務所)
写真協力:shutterstock
WEB編集:FASHION BOX
(TJ MOOK『心臓血管外科の名医が教える切れない! 詰まらない! 血管ほぐし』)
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください