入浴こそ、一般の人が実践できる、もっとも優れた健康法。たった1℃の違いで体への影響はもちろん、将来の介護リスクも減るというお風呂の正しい入り方を学びましょう。
教えてくれたのは……
博士(医学)/温泉療法専門医 東京都市大学教授 早坂信哉さん
生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。メディア出演も多数。近著に『最高の入浴法』(大和書房)がある。
湯船に浸かって血液の巡りをよくする
夏は「なんとなくだるい」、「疲れが取れない」ってことありませんか?それは正しく入浴ができていないからかもしれません。「お風呂に正しく入れば、睡眠の質を上げ、疲れも翌日には消えているはず」というのは早坂先生。
「『シャワーで十分』『ただ、体さえ洗えればいい』では、健康と美容にいいワケありません。大事なのは体の老廃物を除去し、酸素と栄養分を新たに補給することです」
お風呂というと温まることに目が行きがちですが、重要なのは「血液循環」をよくすることです。また入浴中の「リラックス効果」や「質のいい睡眠の導入効果」も重要。
「心身の緊張状態が続くと体が疲労回復に集中できません。自律神経を整え、副交感神経を優位にすることで、疲労回復も促進させます」と早坂先生。また驚くべき効果も。
「1万4000人弱の高齢者を調査したところ、毎日入浴している人は入浴していない人より3年後に要介護になるリスクが約3割も低かったんです。入浴は健康長寿を延ばすともいえます。手軽で安価で毎日無理なく実践できる健康法といえるでしょう」
やってはいけない入浴のNG
(1)長く浸かるのは禁物!10~15分を目安に
「長く浸かった方が健康効果はありそう」と思いがちですがこれは間違い。10~15分を目安に。汗を流しながら何分もお湯に浸かると、入浴熱中症(のぼせ)になってしまいますので気をつけましょう。
(2)タオルやスポンジでゴシゴシは厳禁
石鹸やボディーソープは毎日使う必要はありません。また、スポンジでゴシゴシ擦ると乾燥肌に陥ります。体を洗うときは優しくなでるが基本です。また入浴後のスキンケアは10分以内に行いましょう。
(3)入浴中のときぐらいスマホはやめましょう
当たり前のようですが、お風呂に入るときぐらいは目を休め、目の周りを温め、疲労物質を取り除きましょう。照明はオレンジ色の電球色に変えることで、目も心も休まります。
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photograph_Yumi Furuya[sorane]
styling_Sanae Kumazawa
illustration_Nagisa Hamada
text_Yuka Hashimoto
edit_SATOKO ISHIKAWA[vivace], FASHION BOX
(大人のおしゃれ手帖 2019年8月号)
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