お腹についてしまった内臓脂肪。内臓脂肪を落とすために食事に気をつけることはもちろん大切ですが、それ以外にも気をつけたいことがあります。それはよく嚙(か)んで食べること。栗原毅先生に詳しくお話をうかがいました。
教えてくれたのはこの方
栗原 毅(くりはら たけし)
1951年新潟県生まれ。医学博士。北里大学医学部卒業。栗原クリニック東京・日本橋院長。前慶應義塾大学特任教授、前東京女子医科大学教授。主な著書・監修書に『誰でもスグできる! みるみるコレステロールと中性脂肪を下げる200%の基本ワザ』『誰でもスグできる! 肝機能をみるみる高める200%の基本ワザ』(ともに日東書院本社)、『血液サラサラで美人になる!』(マガジンハウス)、『糖尿病の食事はここだけ変えれば簡単にヘモグロビンA1cが下がる』『〈卵と肉〉が糖尿病に効く!』(ともに主婦の友社)、『1日25gのチョコが効く! 脂肪肝はちょっとしたコツでラクラク解消する』『“糖質ちょいオフ”で今すぐできる! 中性脂肪を自力でみるみる下げるコツ』(ともに河出書房新社)、『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(宝島社)など。
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よく嚙んでゆっくり食べる
糖質を控えながら、たんぱく質をたくさん摂る。そこに加えたいのが、「よく嚙(か)んでゆっくり食べる」ことです。その理由は、ガツガツと早食いをすると、一度にたくさんの食べ物が腸に届き、短い時間に大量の糖質が吸収されてしまうからです。これによって血糖値が急上昇し、分泌された「インスリン」が、余分な糖質を脂肪に作り替えてしまいます。
また、人間は血糖値が上がることで満腹感を感じます。満腹感が得られるまでには、食事開始からおよそ20分が必要で、早食いでは満腹感を感じるまでに食べすぎてしまう可能性があります。
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よく嚙んで食べるコツ
ひと口食べたらおはしを置く
食べ物を口に入れたら、おはしを一度、置きましょう。そしてしっかり味わいながら、ひと口につき30回を目標によく嚙みます。ゆっくり食べると満腹感が得やすくなります。
「いつもより10回多く嚙む」を意識する
ひと口30回が難しいなら、まずは10回多く嚙むことを意識しましょう。普段、あまり嚙んでいなかったことに気づくことも、大切な一歩です。
隙間時間の早食いを避けて、よく嚙む
時間に追われていると、早食いになりがちです。食事時間はなるべく余裕をもってとりましょう。「ながら食べ」でもよいので、よく嚙むことが大切です。
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よく嚙んで食べると、消費エネルギーも増える
◯:よく嚙んでゆっくり食べると……
■糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぐ
■食後の消費エネルギーが増加し、太りにくくなる
■唾液がたくさん出て、よく嚙み砕くことで、胃腸の負担が減る
■満腹感が得られて食べすぎを防止する
■歯周病、認知症予防にもなる
×:早食いだと……
■満腹感を感じるまでに、食べすぎてしまう
■短い時間に大量の糖質が吸収される
→内臓脂肪のもとである「中性脂肪」を増やす原因になる
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また、近年の研究では、よく嚙んで食事をすると、食後の消費カロリーが増えることもわかっています。よく嚙むことで、脂肪を消費できるのです。日頃から、ぜひ、よく嚙んでゆっくり食事をするようにしてください。
(抜粋)
TJ MOOK『決定版! 内臓脂肪を落とす名医のワザ』
監修:栗原 毅
編集・執筆/株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子
編集・執筆協力/常井宏平
本文イラスト/仲西 太、桜井葉子
撮影/中川晋弥
イラスト・写真協力/Shutterstock、photolibrary
WEB編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『決定版! 内臓脂肪を落とす名医のワザ』)
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