美人の謝罪はココが違った!誠意が伝わる言葉遣い

美人の謝罪はココが違った!誠意が伝わる言葉遣い

慎重に仕事を進めても、ミスをしてしまうこともあるはず。そんなとき、誠意が伝わる謝罪ができるようにしておきたいものです。また責任のあるポストにつくと、自分だけでなく部下のミスを謝ることも。それぞれの場面に適したお詫びの言葉をご紹介します。

このコンテンツの監修者は……

【Profile】
山口謠司(やまぐち・ようじ)さん

1963年、長崎県生まれ。大東文化大学文学部准教授。博士(中国学)。テレビやラジオの出演も多く、NHK文化センター、朝日カルチャーセンター、中日文化センターなどでも定期的に講演や講座を開いている。『日本語を作った男 上田万年とその時代』(集英社インターナショナル)で第29回和辻哲郎文化賞受賞。『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)、『心とカラダを整える おとなのための1分音読』(自由国民社)など、著書多数。

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自分のミスを謝るとき

美人の謝罪はココが違った!誠意が伝わる言葉遣い
出典: FASHION BOX

×:やりがちな言葉遣い

「私の不注意で、ミスをしてしまいました」

○:美人の言葉遣い

「私の不注意でし損(そん)じました」
「過怠(かたい)をしてしまいました」
「瑕疵(かし)を作ってしまいました」

さらにステップアップ!
一般的には「し損じ」と書くが、仕事の場合は「仕損じ」、ある特定のことを指す場合は「為損じ」と、シーンによって漢字を遣い分けてもよい。

うっかりミスの報告も言葉次第で上品に

少々のミスを報告するときには、より柔らかく女性らしい印象を与える「し損じました」という言い回しを遣ってみてはいかがでしょうか。

これは「完璧にやろうと思っていたのに、不注意からミスをしてしまいました」という意味合いで遣うことができるフレーズです。

「損」という漢字の右側の上の部分は「口」ですが、かつては「〇」と書きました。「〇」は穴を意味し、「価値のある大切なものに、不注意から手で穴をあけて壊してしまった」ということを書き表した漢字です。

また、注意を怠ったばかりにミスをしたときには、「過怠」という表現もできます。「うっかりミスをしてしまいました」と言うのとでは、相手の印象がまるで違うと思います。過失という意味の「瑕疵」を遣ってもよいでしょう。

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部下のミスを謝るとき

×:やりがちな言葉遣い

「私の部下がご迷惑をおかけし、申し訳ございません」

○:美人の言葉遣い

「私の監督不行(ふゆ)き届きによりご迷惑をおかけいたしましたこと、なんと陳謝(ちんしゃ)申し上げたらよいのかわかりません。上司である私の不徳(ふとく)の致すところです」

ワンポイントアドバイス
「不徳の致すところ」は、自らの未熟で配慮の足りない点を認めたうえで、それを反省し謝罪する言葉。陳謝と合わせて遣うと、より誠意を示せる。

「陳謝」の本来の意味を理解したうえで謝る

「陳謝」という言葉の意味を、ただ「述べて謝る」ことだと思っている人は多いでしょう。しかし、これは間違いです。確かに、「陳」には「述べる」という意味もあるのですが、「陳謝」の「陳」は、「すべて並べる」という意味なのです。

つまり、陳謝は「あれこれと悪いことをすべて並べて、そのひとつひとつを把握し、いちいち理由を挙げて謝ります」という意味の謝罪の言葉です。

ですから、上司が部下のミスを陳謝するというときには、上司は部下がどのようなミスをして、なぜミスをするに至ったのか、その全容をしっかりと把握して謝罪しなくてはなりません。そうでなければ陳謝とは言えないのです。

本来の意味を理解したうえで陳謝すれば、その場しのぎではない、誠意のある謝罪として受け止められるのではないでしょうか。

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同じミスをしないと約束するとき

美人の謝罪はココが違った!誠意が伝わる言葉遣い
出典: FASHION BOX

×:やりがちな言葉遣い

「今後は注意します」
「二度としないようにします」

○:美人の言葉遣い

「このようなことがないよう、肝に銘じます」
「留意いたします」

ワンポイントアドバイス
「胸に刻む」も「忘れないように心に留める」という意味だが、「思い出を胸に刻む」など戒(いまし)め以外の意味合いでも遣う。謝罪には「肝に銘じる」が◎。

「銘じる」「留める」で忘れないことを誓う

ミスで迷惑をかけてしまったときは、信頼を取り戻すためにも同じミスを二度と繰り返さないようにしたいものです。

そうした反省と覚悟を伝えるには、「肝に銘じます」という言葉が適しているように思います。「肝」は「内臓」「肝臓」を指しますが、転じて「重要」という意味にも使われます。「銘じる」は、「刻み込む」という意味です。大切な臓器に刻み込むとはなんとも痛そうな喩(たと)えですが、そうまでしてミスを忘れないようにしたいという強い反省の気持ちは相手にも伝わるはずです。

「留意いたします」も、「心に留めて気をつけます」という意味です。そのときだけの反省ではなく、「この先もこの失敗をずっと忘れません」という自分を戒める態度を相手に示すことができます。

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(抜粋)

美人の謝罪はココが違った!誠意が伝わる言葉遣い
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書籍『美人は上品な言葉遣いでできている オトナ女子のための「語彙力」練習帳』
著者:山口謠司

イラスト/chieko
構成・編集/小西眞由美 西垣一葉(春燈社)
WEB編集/FASHION BOX
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