ワン・ダイレクションのソロ活動が止まらない! 決定打ともいえるハリーのセカンドアルバムについて、ハリー・スタイルズにインタビュー!
Harry Styles(ハリー・スタイルズ)
リリースラッシュが勃発中。ワン・ダイレクションの各メンバーのソロ活動が止まらない。なかでもやはり一番の注目は、ハリー・スタイルズ。ニューアルバム『ファイン・ライン』を引っさげて、世界中のテレビやラジオやネットなど、あらゆるメディアに引っ張りだこ。熱い視線が注がれている。
「自分で作った曲を説明するのは、あまり好きじゃないんだよね。でも、このアルバムに関しては、もうすべてが目の前にブチまけられているよ。曲を聴けばすぐに分かっちゃうほど赤裸々に自分自身をさらけ出しているんだ」
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例えばアコースティック楽器をバックにした「チェリー」は、元カノについての傷心ナンバー。破局後の寂しさや嫉妬などが歌われているのだが、曲の終盤で聴こえてくるのは、フランス人モデルのカミーユ・ロウの話し声やクスクス笑い。なんとホントの元カノの声が使われているのだ。
「あとからつけ加えたんだけど、ピッタリじゃないかなって。もちろん、どこまで自分をさらけ出していいのか迷ったりもしたけど、曲を作ったときの正直な気持ちを伝えるためには、できるだけありのままを残したかったんだ」
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今でもロンドンに在住。だが曲作りやレコーディングはアメリカ西海岸で行われた。そのせいか、アルバム全体には大らかでレイドバックしたムードが漂っている。前作のデビューアルバム『ハリー・スタイルズ』よりもいっそうスケール感が増し、冒険心や野心がみなぎっている仕上がりだ。
「前作は初めてのソロアルバムだったから、まだ危険を冒したくなかったんだよね。踏み外さないようにと、そればかり考えていた。でも今回は好き放題、なんでも自由に伸び伸びやったよ」
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とはいえ、大物ゲストを迎えたり、トレンドへの目配せなどは皆無。むしろ自身のサウンドを徹底的に追求したいという強い意志に貫かれている。試行錯誤もあったというが、古風な女声コーラスに彩られた「トリート・ピープル・ウィズ・カインドネス」では、デヴィッド・ボウイの教えを見習ったそうだ。
「デヴィッド・ボウイのインタビュー映像を観たんだ。その中で彼は“いいのか悪いのかよく分からない曲というのが、じつは最高の曲だったりするんだよ”と語っていた。僕にとっては、この曲がまさにそういう曲だったんだ」
音楽のみならずファッション面でも比較されることの多い両者。ハリーが最近好んで身につける大きなパンツやカラフルなネイル、真珠のネックレスなどが男女の垣根を超えてクールだと話題になっているが、そんな中性的な存在感もボウイに通じるものがある。本作でアイドルから完全脱皮を果たしたハリーが、ボウイ級のアイコンとなる日は、それほど先のコトではなさそう!
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『ファイン・ライン』
ソニー・ミュージックレーベルズ
¥2,200(発売中)
ワン・ダイレクション周りの動きが各々活発化しつつあるが、ハリーも待望のセカンド作を発表。時代性と逆行する普遍的な音楽性が、絶妙に今とマッチした飽きのこない仕上がり!
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文_村上ひさし
(sweet 2020年2月号)
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