家庭でできるダニ対策法を医師が解説！観葉植物にも注意が必要？

皮膚の炎症や鼻炎など、アレルギー性の症状に一年中悩まされている人もいるのでは。その原因は、知らない間に家の中で生息しているダニかもしれません。とはいえ、目で確認しにくいダニの対策は大変。ここでは、家の中でダニが集中して生息する4つの場所とその対策を、医師の市橋光先生に伺いました。

ダニ対策に休みはない！アレルギーの原因にもなるダニの怖さ

家の中の汚れや菌のなかで、もっともアレルゲンになることが多いのがダニです。実際に、アレルギー性の喘息やアトピー症状をもつ人の7割近くが、ダニが抗原になっているといわれているほど。

ダニがもっとも発生しやすい場所が布団。温度が20～30℃、湿度70％前後というダニが好む環境が揃いやすく、ホコリや細菌、人間の角質といったエサも多いのでどんどん繁殖していきます。さらに怖いのはダニが死んだあと。フンや死骸が粉砕されてさらに細かくなり、体に取り込まれやすい状態になります。

今やダニ対策は、年間を通してしっかり押さえておきたい掃除のポイントです。

ダニ対策のポイントは、「繁殖の原因を抑えること」と、「死骸の処理」です。湿気やダニのエサを取り除いて、死骸は洗濯や掃除機で除去する。季節に関係なくダニ対策をすることが、暮らしの中のアレルゲンが大きく減ることにつながります。

インテリアとして観葉植物を飾っているお宅は多いでしょう。ですが、家族にアレルギー症状がある場合はなくしてみるのも手です。特に植木鉢で栽培している場合は家の湿度を上げる原因になり、ダニを増殖させるリスクがあります。

人のフケや垢がつきやすく、湿度・温度とダニが喜ぶ条件が揃う布団などの布製品はこまめに天日干しと洗濯を。天日干しはダニを死滅させることが目的。それだけでは死骸やフンが残ったままですが、実はこれらは水溶性で水に溶けるので洗濯をすることで一掃できます。

粉砕されて細かくなった死骸やフンは、空気中に簡単に舞います。それが床に落ちます。特にカーペットや畳に入り込んでいくので、床の掃除はこまめに行うようにしましょう。理想は、1㎡あたり30秒（6畳なら5分）丁寧に掃除機をかけること。畳も水拭きをするとダニが繁殖しやすくなるので掃除機を使いましょう。

アトピーなどのアレルギー疾患を持っている場合や、アレルギー症状が気になるという人は、防ダニ製品の活用をおすすめします。防ダニの寝具やカーペット、カーテンのほか、ダニを寄せつけなくしたりダニをくっつけたりする粘着素材のあるダニシートなどもあります。掃除と組み合わせることで、ダニ対策をしましょう。

【Profile】
自治医科大学附属さいたま医療センター教授、小児科長、感染制御室長。小児科医として診療にあたるほか、院内の感染症を未然に防ぐための感染制御室の室長として、感染予防対策などを行っている。

（抜粋）

公開日：2020.08.27