夫婦で取り組む妊活のススメ
子どもがほしいと思ったら、いちばん最初に考えなきゃいけないことって何? 妊娠も子育ても、二人でやることだからこそ、夫婦で取り組む妊活について考えました。
不妊の原因の48%は男性。夫婦間のギャップをなくそう
「妊活という話題が出ても、男性は自分に関係のない話と考えがち。けれど、妊娠は女性だけではできません。結婚年齢が高くなっている現状では、子どもを持つことについて、早めに二人で話し合うことが大切です」と、ヘルスアンドライツ代表の吉川雄司さん。
なぜなら、妊娠出産のタイムリミットがあるのは女性だけではないから。男性も40歳以上になると、徐々にではありますが妊娠させる能力が低下していきます。また、不妊の原因も「男性のみ」「男女双方」を合わせて、全体の48%で男性にあるというデータも。子どもがほしいなら、夫婦で意識を共有することが必要です。
とはいえ、改まって「いつまでに子どもがほしい」と切り出すのは、ハードルが高い場合も。共働きの夫婦が多い現代であれば、それぞれのキャリアプランを語り合うことから始めるのがいいのだとか。
「バリバリ仕事をしながら子育てしたいのか、仕事はペースダウンして子育てしたいのかによって、夫婦の生活も変わってきます。女性は、いつごろ産休を取りたいというイメージを持っていることが多いのですが、男性は、妊娠から産休が明けるまで早くても1年半くらいはかかることも知らないかもしれません。どのタイミングで出産したいのかを伝え、タイムラインを共有しましょう」
まずは、夫に妊娠や出産を自分のこととして考えてもらうこと。新生児や乳児のお世話の大変さがぴんときていないなど、ギャップが大きいなら、子育て中の友人の家庭を訪ねて、リアルな話を聞くのもいいでしょう。
「子どもをつくろうという意識が高まってきたら、男性もブライダルチェック(※)を受けるのがおすすめ。もし、本格的な不妊治療が必要だったら、時間もお金も必要になってくるので、それにより人生のタイムスケジュールも調整しなければいけないかもしれません。早めに調べておけば安心です」
※生殖機能と妊娠に影響のある病気をチェックする検査
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夫婦で妊活、はじめの一歩
ライフプランを共有しよう
仕事はどんなスタイルにしたいのか、子どもは何歳までにほしいのか、子育てに求める環境はどう整えるか……など、話し合ってみるとお互いの間に意外にギャップがあることに気づくかも。ライフプランが見えてきたら、それを実現するために何が必要かも考えます。
妊娠に関する情報を共有する
いざ子づくりとなっても、妊娠に関する知識が不十分だとうまくいきません。たとえば、実は、いちばん妊娠しやすい日は、排卵日ではなく、排卵日の2日前です。一緒に本を読んでみたり、排卵日を夫に知らせるためのアプリなどもあるので、自然な形で情報を共有して。
夫婦でブライダルチェックを受ける
女性だけがブライダルチェックを受けるのは、自転車の後輪を検査せず前輪だけを検査するようなもので、ナンセンス。男性不妊は、自覚症状がなく、原因不明の場合が多くあります。夫婦それぞれが検査を受ける必要があるということを、伝えましょう。
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教えてくれたのは……
吉川雄司さん プロフィール
ヘルスアンドライツ代表。妊活や不妊治療に取り組む夫婦をサポートする事業を展開し、生理管理アプリ「ケアミー」を開発。共著に『やさしく正しい 妊活大事典』(プレジテント社)。
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cooperation_Yuji Yoshikawa
text_Ema Tanaka
illustration_Minae Kato
(リンネル 2020年12月号)
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]