神崎恵、老いと向き合う「メンタル美容論」| インタビュー

神崎恵、老いと向き合う「メンタル美容論」| インタビュー

神崎恵の“老い”との向き合い方とは?

神崎恵、45歳。この進化するビューティアイコンは、ミューズ世代が直面する“老い”をどのように受け止め、乗り越えてきたのだろうか。美容のカリスマとして一家言ある存在としてだけでなくテレビドラマ主演やファッションブランドのカタログ出演など、今一層活躍の幅を広げている彼女の老いと向き合うメンタル美容論に迫ります。

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「50代もリアルな距離になり、足踏み状態ではありました」

神崎恵、老いと向き合う「メンタル美容論」| インタビュー
Gジャン¥15,800( & BerBerJin)、ピアス¥22,000、リング¥34,000(共にブランイリス/エストネーション)、その他スタイリスト私物

昨年発売された著書、『神崎CARE』を見ながら、彼女のゴールはどこにあるのか、と考える。私たちがネガティブに捉えがちな「年を重ねる」ことをものともせず、その場で足踏みすることも後退もすることなく、パワフルに進化し続けている。

「私自身、どこかで“自分は変わらないだろう”とぼんやりとした自信がありました。でも、確実に時は進む。肌はくすみ、フェイスラインはもたつき、ふとした瞬間の鏡に映るからだのラインに愕然とする……。

どこかで、年齢も重ねたし、子どもを3人も産んだし、背だって低いし、自分の肌やからだに対して“しょうがない”という言い訳もありました。自分を否定してしまうのは苦しくなってしまうから、こういう私も認めてあげないと、っていう諦めとも取れる自己肯定。でも、それとは別軸で鏡を見るたびにため息をつきたくなるような、もやもやした感情の行き場をどうにかしたい。目を背けたところで自分の心には嘘はつけないし、このもやもやが、自分自身の濁りになってしまう。どこか引っかかりというか、じわじわと侵食されていくような感覚がありました。

実はコロナ禍前から、ホルモンバランスが崩れ、体調の変化も著しく、もしかして更年期に入ったのかな? なんて日々が続いていたんです。50代もリアルな距離になり、いろいろ考える年齢でもあったと思うのですが、いざ現実味を帯びてくると、迷ったり、不安になったりすることも増えて。そこにエイジングのあれこれが重なって、これが年老いていくことかと、また落ち込んで……。だから実際、足踏み状態ではありましたよ」

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「一生に一度ぐらい、丸裸の自分を好きになりたい」

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ブラトップ¥12,000(styling//styling/ 新宿ルミネ1店)、ピアス¥36,000(ブランイリス/エストネーション)

気持ちとは裏腹に、変化していく外見のギャップに戸惑い、落ち込んだり不安になったり。それはミューズ世代も他人事ではないはず。では一体、どうやって気持ちを切り替えていったのか。

「とある美容関係の方が、“自分はからだが小さいから、からだの形にこだわっている”と言っていて、その言葉にものすごく感銘を受けたんです。確かに、背の高さも手足の長さも変えられない。でも形はいかようにも変えることができるのか、とハッとさせられました。それと同時に今まで言い訳ばかり並べて、頑張っていなかったことに気づいたんです。何もしないで諦めるより、動いたら何か変わるかもしれない。そう思ったら、ものすごくワクワクして。一生に一度ぐらい、丸裸の自分を好きになりたい……。よし、挑戦しよう! そう思ったんです。

そこから、さまざまなトレーニングを試したり、トレーナーさんたちに教わったりしていたのですが、なかなか自分に合うトレーニング法に出会えなくて。体重は落ちるけれどバストやお尻も痩せてしまったり、逆に肩や首がたくましくなってしまったりしたことも。でも、何歳であってもトレーニングすることによって、くるくるからだの形が変わることに、驚きと同時に可能性も感じられました。そんなときに出会ったのが、パーソナルトレーナーの星野由香さん。彼女のトレーニング法は、ほぐす+深い筋肉にアプローチするという特徴があり、ほぐすことでしなやかな丸みと、ピラティスを取り入れたトレーニングで引き締まったボディラインを両立することができます。まさに私が目指していた、“なりたい”を実現してくれるトレーニング。

バストひとつにしても、丸形がいいのか、しずく形にしたいのか。それによってトレーニングのアプローチ法が変わるんです。そんな事細かな希望を星野先生と相談しながら、カスタムするようにプログラムを組んでもらっています。そして、どんどん変化し、“なりたい”に近づいていく私のからだ。ただ闇雲に鍛えるのではなく、今行っている動きはどこの筋肉にきいて、どんなからだを作ることができるのかを把握することがとても重要なのだと、改めて気づかされましたね。頑張ることで感じる手応えは、まだまだ諦めなくていいよって後押しされているよう。気づいたら、もやもやしていた気持ちが消え、からだだけではなく、メンタル面までも健康的になっていくのが分かりました」

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「年を重ねることは、新たに自分を更新できるチャンス」

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ワッフルタンクトップ¥16,000、ハイウエストショーツ¥11,000(共にザ・ニューハウス/アーク インク)

年齢を重ねても、まだまだ変化できる伸び代がある。それって、私たちにとっても朗報。年齢を重ねることって、もしかしてネガティブなことではないのかも。

「トレーニングもそうだし、年齢を重ねることも、ロールプレイングゲームみたいで面白いなって最近思うんです。ひとつの壁をクリアして、ドアが開いて新しい世界が現れて、また挑戦する……みたいな。だから、年齢も経験も、知識も私たちにとって、ひとつの武器や装備になる。そう考えると、年を重ねることは決して悪いことではないんですよね。もちろん、若いころと比べて似合わなくなるものも出てくるし、自分にマンネリを感じてしまうこともある。でもそれって、新たに自分を更新できるチャンスだと思うんです。新しい自分も武器として加わり、どんどんレベルアップしていく。そうしたら、また見える景色だって変わってくる。だからこそ私は、人にゴールもピークもないなって思うんです。完璧になろうとしなくていいし、無理をしなくてもいい。若さに固執する必要なんてないし、誰かと比べなくていい。大切なのは、“いいじゃん”って思える自分。それをこれからも更新し続けていけたらな、って思うんです」

 

神崎 恵 | プロフィール

1975年12月13日生まれ、神奈川県出身。美容家としての活動の他、累計144万部を超える著書の執筆に加え、雑誌連載も多く抱える。最新著書『神崎CARE』(ワニブックス)では、肌や髪、ボディのケア法を惜しげもなく披露!

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photograph_YASUTOMO SAMPEI
styling_YASUKO ISHIZEKI
hair_KANA TSUMURA[Un ami]
model_MEGUMI KANZAKI
text_EMI TANIGUCHI
(otona MUSE 2021年3月号)

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