選択肢多のお墓スタイルはおひとりさまだからこそ自由! 理想のお墓選びと費用

「おひとりさまのお墓」どうする? お墓の種類や費用、墓じまいについて解説!

お墓について「四十九日までに納骨しないといけない?」などあやふやなことがありますが、そもそも、お墓を必ず作らなければならないというルールは存在しません。しかし、お墓は故人の生きた証であり、故人を偲ぶ大切な場所。生前に継承者と一緒に最善の場所に決めておくことが理想です。現代のニーズに合わせて多様化したお墓には、改葬(お墓のお引越し)や墓じまいなどというワードも登場するようになりました。先祖代々の血縁から自由になりたい方や継承者がいない方にとっては、負担が軽くなったのではないでしょうか。ここでは、現代のお墓事情について解説します。

墓地の種類

『寺院墓地』

基本的に継承者がいる方の購入が可能。宗教宗派はそのお寺に属し、檀家になることが原則なので継承者がいる方向き。

●メリット
境内やその隣接地にあるので安心感がある上、墓参りと法要が一度に行える。

●デメリット
永代使用料や管理料が明確でないことも多い。

『公営墓地』

自治体によって運営されている。都市部では空きがなく、抽選を行っている状態。

●メリット
経営体制がしっかりしている。比較的安価。交通の便もよい場合が多い。

●デメリット
「三親等までのみの納骨」など規則があることも。申し込みに資格制限も。

『民営墓地(民間霊園)』

宗教法人や公益法人が経営していることが多く、値段やルール、条件が霊園ごとに違う。比較的環境設備が整った場所が多い。

●メリット
申し込みの制限が他よりも低い。

●デメリット
場所によりルールが様々。永代使用料・管理料が比較的高い。

供養・お墓の種類

先祖代々のお墓】(家墓)

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墓石に「〇〇家先祖代々之墓」などと刻まれている家を単位とした墓で家墓と呼ばれ、ほとんどの場合、継承者がいないと新しく購入することができません。近年、長年連れ添ったご主人と「一緒のお墓に入りたくないから海に散骨して!」というようなことが多く起きるのも、このタイプのお墓。

年間管理費:5,000円程度から

継承者不要【海洋散骨】

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お墓を持たない供養のひとつ。人気のハワイでは、お墓の管理費が徴収されないというメリットを活かして、一部は海で散骨、一部はお墓で供養するというスタイルが多く見受けられます。散骨に法律はありませんが、独自の方法で行うと条令や刑法に触れることもあるので、信頼のおける業者に依頼することが大切です。散骨は業者に代行してもらうと比較的費用が安く抑えられます。逆に、個人で船をチャーターすると費用が上がります。

予算:2万円〜60万円程度

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永代供養、継承者不要の場合もあり【樹木葬墓地】

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木の根元や花と一緒に散骨するお墓のこと。個別や合同など多種多様。一度散骨すると取り出せないので、よく確認を(骨壺に入れて納骨でき取り出せる施設もあります)。また、契約時に一括で支払うような場合でも納骨時に別で費用が必要な場合や、毎年管理費が必要な場合など様々なパターンがあるので、担当者にしっかりと確認することが必要です。

予算:5万円〜50万円程度
※別途、年間管理費が必要な場合もありますので確認を。

永代供養、継承者不要の場合もあり【納骨堂】

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納骨殿、納骨壇、霊堂などとも呼ばれます。屋内に設置されるので、掃除などの管理や天候を気にせず参拝できます。首都圏では駅近に位置するビル型納骨堂が多く、高齢になっての参拝にも便利。墓石がないのでお墓のお引越しをしやすいのが特徴ですが、管理が三十三回忌までと期限付きのことが多いので、管理についてはよく相談を。

予算:10万円〜300万円程度
※別途、年間管理費が必要な場合もありますので確認を。

継承者不要【手元供養】

遺骨を身近に置いて故人を偲ぶ供養方法。遺骨を家に置くのは問題ありませんが、自宅の庭でもお墓を作ることは法律に違反します。遺骨の一部だけを小さな骨壺に入れたりペンダントにして保管する方法と、全ての遺骨を保管する方法とがあります。注意したいのが、自分が亡くなった後の手元供養していた遺骨の行方です。遺言書などに、自分の遺骨と一緒に母の遺骨も埋葬してほしいなどと記載しておかないと遺された人が困ってしまうことになります。

予算:0円〜30万円程度

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永代供養とは

継承者がいない方、独身の方、身寄りのない方の利用が多く、近年では少子化で利用が増えています。永代供養料を支払えば供養の全てを行ってくれますが、永代といっても永久という意味ではありません。供養の期間が決まっていることが多く、それ以降は合葬墓などに納骨となります。樹木葬墓地や納骨堂もこれにあたります。どんな供養をしてくれるのか、何年供養してくれるのか、永代供養が終わったあとどうなるのかなどの条件や細かい金額は各霊園によって様々なのでよく確認しましょう。

視野に入れていますか? お墓のお引越しという選択

お墓に埋葬されている遺骨を取り出して別のお墓に引っ越すことをお墓の「改葬」といい「墓じまい」と呼ばれることもあります。お墓の継承者になっても現在の生活拠点と遠く離れていてお参りや管理が難しい場合などに行い、家族の形にあわせてお墓を守りやすくするということです。改葬手続きには法律(墓埋法)があり、たとえ自宅内に作ったお墓でも勝手に持ち出すことができないことになっています。自分の代で継承者がいなくなる場合に寺や霊園の管理者に相談し永代供養墓に改葬することも可能なので、相談してみましょう。

予算:20万円〜200万円程度                           ※予算の違いは、お墓を更地にする費用よりも「魂抜き」や檀家を離れる「離檀料」などのお布施の金額となります。

お墓のお引越し(改葬)の手順

※手順は覚えなくても、新しく引っ越す霊園や元のお墓、改葬業者が手続きしてくれますのでご安心を。

1. 改葬先で受け入れ証明書を発行してもらう
2. 改葬前の古い墓の管理者に埋蔵証明書を発行してもらう
3. 各自治体で改葬許可証を発行してもらう
4. 遺骨の取り出しと閉眼供養をする
5. お墓の場所を更地にして返還終了
6. 新しい墓に改葬許可証を提出
7. 納骨と開眼供養をする

 

(抜粋)

TJ MOOK『大人のおしゃれ手帖特別編集 賢く安心な、おひとりさまの終い方』

 

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ILLUSTRATION:木波本陽子
TEXT:仁田ときこ、五十嵐由紀、堀内よう子

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