「断食で腸が休まる」はウソ! 食べないダイエットで腸内環境バランスが乱れる
最近、巷で話題の断食ダイエットがありますが、実は食べないことで腸内環境のバランスが乱れることをご存じでしょうか。
今回は断食ダイエットの危険性や、断食で腸内環境をリセットすることは不可能であるという点について、一般財団法人「辨野腸内フローラ研究所」理事長の辨野義己先生が詳しく教えてくれました。
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腸は休ませるより働かせたほうがデトックスも進む
最近、「プチ断食」がコロナ太りの解消になると話題です。腸を休ませて腸内環境を整え、毒素を排出するということですが、断食で腸内環境をリセットすることは不可能です。
そもそも腸は自律神経で動いています。自分の意思で働きをコントロールしているわけではないので、断食をしても腸が休まることはありません。腸内環境をよくしたり、毒素を排出したいなら、腸を活性化して、積極的に動かすほうが大事です。むしろ断食によって食べ物が腸に入らないと、腸内細菌は腸粘膜を分解して壊してしまう場合もあります。
極端に食事の量を減らすと便の材料も減って、便秘を招き腸内環境を荒らします。
やせたいなら、いい便をつくる食物繊維を取り、栄養バランスも考えた「食べるダイエット」をおすすめします。
こんなにある、断食の危険
断食をすることで、体内に下記のような危険も生じます。
1.腸内の腐敗で有害物質が発生し、腸の働きの低下を招く
2.栄養不足で免疫力が低下する
3.食べないことが心身ともにストレスになる
4.腸内細菌が腸粘膜を分解し壊すリスクがあり、場合によっては出血を伴うことがある
このように食べないことで、さらに重篤な病気につながる可能性も出てくるため、注意が必要です。
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このコンテンツの監修者は……一般財団法人「辨野腸内フローラ研究所」理事長 辨野義己先生
【PROFILE】
(べんの・よしみ)
一般財団法人「辨野腸内フローラ研究所」理事長。理化学研究所名誉研究員、細菌学者、獣医師。1948年、大阪府生まれ。酪農学園大学獣医学科卒業。東京農工大学大学院獣医学専攻を経て理化学研究所動物薬理研究室研究員。2003年、同所・バイオリソース研究センター微生物材料開発室室長。2009年に定年退職後、同所・辨野特別研究室特別招聘研究員となる。1982年、東京大学農学博士授与。およそ半世紀にわたって腸内細菌の生態と分類に関する研究を続けてきた世界的権威。テレビ、新聞、雑誌、講演などでも活躍し、原著論文350本以上、総説・解説550本以上、単行本(共著も含めて)190冊以上を発表。2021年4月、一般財団法人「辨野腸内フローラ研究所」を設立。国内外の後進を育成しながらより深く腸内細菌の研究に努める。著書に『「腸内細菌」が健康寿命を決める』(インターナショナル新書)、『大便革命』(幻冬舎)、『自力で腸を強くする30の法則』(宝島社)など。
(抜粋)
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[構成・文] 大橋美貴子
[デザイン] yd(松崎 理、早樋明日実)
[イラスト] 石山綾子、笹山敦子
[編集] 入江弘子
[画像協力] Shutterstock, ACworks
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